CRM関連ベンダー動向

〔2024/4/11〕LTV-X、BtoB EC通販特化型のCRM・MAツールを提供開始

 LTV-X(本社:東京都港区 野口学夫社長)は、EC・通販特化型CRM「LTV-Lab」などに続き、新たなサービスとして、BtoB-EC通販事業者向けのCRM・マーケティングオートメーション「LTV-Lab for BtoB」の提供を開始した。
 1,300店舗以上の運用実績がある費用対効果に強いCRM システム「LTV-Lab」にBtoB事業に必要な機能を数多く搭載した。主要なECカートや受注システムと自動連携が可能、顧客管理から分析、自動メール配信/ステップメール配信(LINE 配信も可能)、顧客の購入商品や金額、購入期間などの分析から顧客をセグメントして、最適な顧客にメール配信やステップメール配信(無制限)を行うことができる。
 EC通販カートシステムや受注管理システムと標準連携。システムに詳しくない方でもCSVファイルのカスタマイズやインポート処理の手間なく顧客データ/購買データ/商品データを取り込んで分析することが可能。
 会員情報や購買情報と掛け合わせて、メール以外の配信チャネルを一元管理することができる。また、これにより例えば、メールを未開封の方に、LINE 配信アプリプッシュなどといった配信チャネルの掛け合わせすることによりROI最適化のアプローチが可能となる。
 1300ショップの通販企業を中心としたCRM運用ノウハウ(LTV-Lab)から、BtoBで必要な機能を数多く搭載した。
 LTV-Lab for BtoBの価格は、初期費用5万円、月額費用は3万円から。メールの配信通数やシナリオの設定数に上限はない。メールもLINEも配信アドレスによって月額料金が変わる。会員登録数や配信通数ではなく有効アドレス数での課金のため、メルマガを送れば送るほど費用対効果が良くなる料金設定。メルマガの設定を解除した顧客がいれば、次の月には課金の人数から外れる仕様になっている。

〔2024/4/10〕Salesforce、フィールドサービス向け「Einstein 1 Field Service Edition」を発表

 米国セールスフォース(以下、Salesforce)は、「Einstein 1 Field Service Edition」を発表した。この新しいEditionは、フィールドサービス部門が運用効率と技術者の生産性向上を実現するシンプルなパッケージ。これにより、現場でリアルタイムなデータとAIを活用できるようになり、あらゆる技術者は、製品マニュアルや過去のアポイントメントのデータ、アセットの履歴、重要な顧客情報など統合されたナレッジのサマリーを取得することで、初回修理率を向上させ、フィールドサービスのアポイントメントを収益機会へと変えることができる。
 Einstein 1 Field Service EditionにはSalesforceが最近発表したEinstein Copilotベータ版が含まれ、現場で技術者を支援しタスクを自動化する。このカスタマイズ可能で対話型のCRM向け生成AIアシスタントは、質問へ回答したり、事前作業のブリーフィングを提供したり、作業の要約を生成したりすることができる。

〔2024/4/4〕電通デジタル、Salesforce Data CloudとSnowflakeの両基盤連携による導入・活用

 電通デジタル(本社:東京都港区、瀧本恒社長)は、 クライアント企業の高度なマーケティング戦略実現を目的に、CRMを得意とするSalesforceに組み込まれたハイパースケールデータプラットフォーム「Salesforce Data Cloud」と、ビッグデータの蓄積・管理に適したクラウド型データプラットフォーム「Snowflake」を連携した両基盤の導入・活用支援サービスの提供を開始した。
 Salesforce社とSnowflake社は、相互のプラットフォームに蓄積したデータをセキュアな環境でリアルタイムかつオープンに共有できるよう連携を強化しており、この度、CRMを中心としたSalesforce Data Cloudと、CRMデータ以外も含めた全社横断型の膨大な時系列データを有するSnowflakeのリアルタイムでの連携が開始されたことで、広範囲の領域におけるあらゆる分野のデータの分析・利活用が可能となった。
 電通デジタルでは、SalesforceとSnowflakeの両プラットフォームにおいて、これまで多くの企業に対し開発・実装・運用を含めたデータ活用支援のためのコンサルティングや統合ソリューションの提供を行っており、Salesforce製品・サービスとSnowflakeを活用した統合支援を行う社内専門チームを設置している。
 この度、電通デジタルはクライアント企業のマーケティング施策において、製品導入から、顧客のニーズを深くとらえた両データ活用による戦略立案、安全なデータ管理を行うためのデータマネージメント、施策実行までを一気通貫で支援し、これまでにない新たな顧客体験価値の創出を目指す。

〔2024/3/13〕プラスアルファ・コンサルティング、顧客実感型CRM/MAツール「カスタマーリングス」に生成AIを活用した新機能を搭載

 プラスアルファ・コンサルティングは、顧客実感型CRM/MAツール「カスタマーリングス」に、生成AIを活用した「顧客プロファイリング機能」、「メール件名自動生成機能」を搭載した。また、「アンケート設問自動生成機能」については2024年3月を目途に搭載する。
 「顧客プロファイリング機能」は、顧客データを横断して理解することを支援する機能。顧客に紐づくさまざまなデータからその顧客の特徴や施策案をAIが提示する。その結果、より深い顧客理解と施策のブラッシュアップが可能となる。
 「メール件名自動生成機能」は。メール施策において重要な要素であるメール件名を自動生成する機能。業界や商品特性、メール本文を入力するだけで、開封につながる件名を自動生成する。この機能を利用することで、AIの提案を基に効率的に件名を設定することが可能になる。さらに、件名ABテストの機能と併用することで、より効果に高い件名を自動送付することが可能。
 「アンケート設問自動生成機能」は、アンケートの設計を効率化する機能。業界やアンケートの目的を入力するだけで、アンケートの設計案を自動作成する。また、新規アンケートの設問案だけでなく、既存アンケートへのレビューも行うことができる。これにより、目的に沿ったアンケートのブラッシュアップが可能となる。

〔2024/3/8〕セールスフォース、生成AIやデータ基盤関連の4機能を国内で提供開始

 セールスフォース・ジャパン(本社:東京都千代田区、小出伸一会長兼社長)は、企業向け生成AIの4機能を日本リージョンで提供開始すると発表した。同社はこれにより、ユーザー企業がSalesforceやデータウエアハウス(DWH)、データレイクなどと連係した生成AIを開発・運用しやすくする。
 提供を始めるのは、ユーザー企業のSalesforceのCRMアプリケーション上に生成AIを組み込むためのローコードツール群「Einstein 1 Studio」の2機能と、Salesforceの製品群と連係して顧客データを一元的に管理するデータ基盤「Salesforce Data Cloud」の2機能。
 Einstein 1 Studioで提供するツールは「プロンプトビルダー」と「モデルビルダー」の2種類。プロンプトビルダーは、ユーザー企業が生成AIのプロンプトを作成してCRMアプリに埋め込むためのツール。CRMアプリやData Cloudにある顧客データなど、機密性の高い情報もプロンプトに入力できる。
 モデルビルダーは、ユーザー企業が希望する大規模言語モデル(LLM)を接続するためのツール。ユーザー企業は、米国Salesforceが標準提供する複数のLLMの中から自社のニーズに合うものを選択できるほか、自社で導入済みのLLMを接続することもできる。それぞれ2024年3月8日に提供を開始する。
 プロンプトビルダーとモデルビルダーはSalesforceのCRMアプリとして販売。価格は、同社が規定するクラウド製品のユーザーが2機能をアドオンとして使う場合、1ユーザーあたり月額6000円から。
 Data Cloudの新機能は、SnowflakeやGoogle CloudのBigQuery上に蓄積したデータをData Cloudと連係・統合する「データフェデレーション」と、構造化・非構造化データを統合して生成AIのプロンプトで扱えるようにする「Data CloudベクトルデータベースおよびEinstein Copilot Search」だ。ユーザーがプロンプトで入力した指示に基づき、統合したデータベースから関連性の高い情報を引用できる。
 前者は2024年3月中旬に一般提供を、後者は同年3月中旬から試験的に提供を開始する。価格は未定。

〔2024/2/29〕コネクティ、データ統合マーケティングツール「CONNECTY CDP」の新機能をリリース

 コネクティ(本社:東京都新宿区、服部恭之社長)は、データ統合マーケティングツール「CONNECTY CDP」の3つの新機能をリリースした。本アップデートにより、セキュリティ強化やパーソナライズされた顧客体験を提供するマーケティング施策を実現する。
 レコメンド機能は、ユーザーがWebサイト内でどのように行動したかによって、ポップアップやページ内の文言の出し分けができる機能。以前よりも表示条件が細分化し、ユーザーそれぞれによりパーソナライズされた顧客体験を提供することができる。
 セキュリティ強化として、指定したIPアドレス以外からはアクセスができなくなるため、不正アクセスによる情報漏洩などのセキュリティリスクを低減する。リモートワークの普及などによる複数拠点からの作業にも安心。
 さらに、通常のID/PWでの認証に加え、暗号化された鍵をもとに時間ベースで生成される「ワンタイムパスワード(Time-based One-Time Password)」の仕組みを利用した2段階認証が可能になる。この機能により、不正アクセスによる情報漏洩などのセキュリティリスクから顧客情報を守る。
 顧客データの一元管理と見える化を実現する「CONNECTY CDP」は、ターゲット顧客とのさまざまな接点を生み出し、その接点から収集した顧客データを集約・管理・分析し、MAなどを使ったマーケティング施策の展開・精緻化まで担う。企業独自の1st Party Cookie の発行、Webサイト上のデータ、ECサイト、アプリなどで取得する顧客データのほか、SFAなどの営業データ、POSレジデータ等の企業内のさまざまなデータを統合。顧客の総合的な分析やカルテ作成ができる。また、MAなどと連携を行い、顧客属性に合わせた情報配信が可能。

〔2024/2/6〕Salesforce、製薬および医療機器企業向けAI CRM「Life Sciences Cloud」を発表

 米国セールスフォースは、製薬および医療機器企業向けに、信頼できるセキュアなプラットフォーム「Life Sciences Cloud」を発表した。これにより、医薬品や医療機器の開発を加速し、臨床試験の全過程において患者の参加と維持を促し、AIを活用して顧客にパーソナライズされた体験を提供することが可能となる。
 ライフサイエンス業界は、研究開発や臨床試験を進める上で、正確でアクセス可能なデータに依存している。しかし、この業界は効率性と正確性を向上させるデジタルツールの採用に関しては後れを取っており、ヘルスケアおよびライフサイエンス組織の88%は、デジタルトランスフォーメーションの目標をいまだに実現していない。
 Commercial Operations(日本市場で一般提供中)は、契約のコンプライアンス、価格設定、在庫レベルなどに関するタイムリーなインサイトにより、商用ライフサイクルを管理するのに役立つ。例えば、AIを搭載したボットは、ある製品が次の手順で利用できない場合、現場の担当者にアラートを送信したり、顧客予測に関するインサイトを提供することで、担当者はどこで何を販売すべきかをよりよく理解できるようになる。Commercial Operationsには、以下の機能が含まれている。
 Health Intelligenceは、Tableauにより強化され、情報に基づいたビジネス上の意思決定を促進するためのインサイトを提供する予測分析ツール。医療機器の営業チームは、推奨されるリベート、バンドル、または割引価格情報を取得し、顧客が既存のカタログに追加できる新しいオファリングを特定するのに役立つ。
 Medical Sales Emailsは、生成AIを使用して、病院や診療所などのステークホルダーに新しい医療機器が利用可能になったことを通知したり、医師への営業訪問のフォローアップをしたりするための、カスタマイズされた安全なメッセージを自動的に作成する。
 Clinical Operationsは、ライフサイエンス組織が参加者、臨床現場、研究、スポンサーをより良くサポートするために、従来型と分散型の両方で効率的な試験の設定および実施を支援する。Clinical Operationsには、以下の機能が含まれている。各機能は日本市場での提供を準備中で2024年半ばに一般提供開始予定。
 Data Cloud for Healthは、さまざまな情報源からの医療、社会、行動に関する患者データを統合されたリアルタイムプロファイルに安全に接続しアクティブ化する。これにより、製薬会社や医療機器企業は、潜在的な患者を特定したり、臨床試験における治療の遵守などにおけるリスクを研究するのに役立つ。さらに、Data Cloud for Healthは、新しい臨床試験やケアプログラムに適したグループなど、そのデータからセグメントを作成することができる。
 Chain of Custody Managementは、製薬会社が先進的医薬品に関するイベントを明確で追跡可能なデジタル履歴として維持し、米国食品医薬品局の規制に沿った電子署名で記録を検証できるようにする。これにより、アフェレシスから投与まで、細胞・遺伝子治療のあらゆる段階を通じて、患者の安全性とコンプライアンスに基づいた記録保持が促進される。
 Participant Managementは、自動マッチング機能とカスタマイズされたポータルにより、無作為に選んだ治験の被験者の参加を迅速化する。これにより、治験の被験者の募集、教育、参加が促進され、臨床試験のスピードアップに貢献するとともに、離脱率の低下につながる。


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