〔2025/1/14〕矢野経済研究所、コールセンターサービス市場/コンタクトセンターソリューション市場調査(2024年)を発表
矢野経済研究所(本社:東京都中野区、水越孝社長)は、国内のコールセンターサービス市場およびコンタクトセンターソリューション市場を調査し、サービス別の動向、参入企業動向、将来展望を発表した。
2023年度の国内コールセンターサービス市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比5.6%減の1兆902億円であった。これまで続いてきたコロナ禍を背景とした大型スポット案件(公共分野や官公庁案件)の規模縮小に伴い、市場は減少した。
民間企業においては、国内経済を取り巻く厳しい外部環境(生産年齢人口の減少、労働力不足、人件費高騰など)や、チャットやソーシャルメディア対応などの非コール業務が増加していることを背景に、コールセンターのアウトソーシング需要は引き続き拡大している。
2023年度の国内コンタクトセンターソリューション市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比4.0%増の4,811億円であった。
市場拡大要因としては、引き続きコンタクトセンターの在宅対応が一般化するなど勤務形態の柔軟性が拡がっており、そうした動きに対応するべく、ネット環境やセキュリティ面など、在宅対応時の課題に関連するコンタクトセンターソリューションが伸長している。
近年、生成AIを活用したテクノロジーが急速に進化しつつあり、コールセンター/コンタクトセンターのオペレーター業務の効率化を目的に、応対時の内容を自動要約する動きが多くみられる。生成AIを使ったオペレーター支援などに対する関心は高まっており、引き合い案件の条件として生成AIは必ず出てくるようになってきている。また、生成AIの導入時には引き渡すテキスト情報も同時に必要となるため、音声認識機能も新規案件では必須の状況になっている。
コールセンター/コンタクトセンター業界では、慢性的な人手不足の解消や24時間365日フルタイム対応に向けて、生成AIへの期待が高まっている。今後も更なるテクノロジーの発展が続くことで、オペレーターの対応業務の最適化が進むだけでなく、CX(カスタマーエクスペリエンス)拠点としてのコールセンター/コンタクトセンターとして、顧客の声を量・質の両方の観点で拾いやすくなっていくと考えられる。
2024年度の国内コールセンターサービス市場については、コロナ禍で続いてきた大型スポット案件がほぼ終了したことに伴い、前年度並みで推移するものと予測する。
国内コンタクトセンターソリューション市場は、2024年度以降も着実に市場は伸長していくと予測する。生成AIの導入やクラウド型コンタクトセンター比率の上昇は単価低下を招くが、中小企業などへの普及が期待される。また、Webチャネルとコールセンターを融合させるためのシステム整備も進む見込みである。
今後は、CXを重視する企業が増加し、顧客の生の声を拾うことができる拠点として、コールセンター/コンタクトセンターの役割が認知されるようになれば、コンタクトセンターソリューション市場のさらなる拡大につながるものと予測する。