調査・レポート・その他
〔2026/4/2〕HDI-Japan主催「HDI格付けベンチマーク」2026年【ネットワークカメラ業界】の格付け結果を発表
サポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体HDIの日本拠点HDI-Japan(運営:シンクサービス、本社:神奈川県川崎市、山下辰巳社長)は、同社が主催する「Webサポート/問合せ窓口格付け」の2026年【ネットワークカメラ業界】の調査結果を発表した。
ネットワークカメラ業界 Webサポート格付け結果(調査対象:下記6社)
・三つ星:ティーピーリンクジャパン
・二つ星:アンカー・ジャパン、SWITCHBOT、塚本無線、DXアンテナ、パナソニック
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし
ネットワークカメラ業界 問合せ窓口格付け結果(調査対象:下記6社)
・三つ星:該当なし
・二つ星:アンカー・ジャパン、SWITCHBOT、DXアンテナ、ティーピーリンクジャパン、パナソニック
・一つ星:塚本無線
・星なし:該当なし
Webサポートは、三つ星1社、二つ星5社という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。ネットワークカメラ業界は2025年全業界平均と比べて「役立度/解決度」「安心して利用できる」は高評価ですが他の項目は下回る結果となった。
Webサポートで高評価のところは、製品情報が整理されているので見つけやすい。画像や動画、製品ごとのマニュアルなど、セルフサービスも充実しており、顧客は自分に合った解決方法を選ぶことができる。さらに製品ごとの機能や違いも視覚的に確認でき、検討に役立つ。一方低評価のところは、一度に多くの情報が表示されるので目的の内容にたどり着きにくい。またFAQがあっても、カテゴリから探す必要があり情報を得るのに手間がかかる。
問合せ対応は、二つ星5社、一つ星1社という結果で、三つ星、星なしは該当がなかった。ネットワークカメラ業界は2025年全業界平均と比べて、すべての評価項目を下回る結果となった。
クオリティで高評価のところは、担当者の知識が豊富で自信がありプロらしい。説明が分かりやすく、必要な情報を整理して提供し回答が迅速。また補足や利用上の注意点など、積極的な情報提供もあり、前向きな姿勢で支援している。一方低評価のところは、共感や配慮が少なく、説明が一方的になることがある。問合せの背景や質問の意図に焦点を当てず製品中心の説明となっているので、顧客の利用目的に合わせたサポートには至っていない。
パフォーマンスで高評価のところは、チャネル問わず担当者につながりやすく、レスポンスも早いので、顧客は必要な情報を得られやすい。ニーズに合わせた的確な説明やアドバイスもあり、顧客は短い時間で解決できる。一方低評価のところは、どのチャネルもつながりにくくレスポンスも遅く、情報が得られにくい。顧客固有の質問には回答に時間がかかり、充分な情報を提供できておらず、対応範囲が限定的で顧客の満足度は低い傾向にある。
〔2026/3/30〕Foonz、「企業がAIに任せたい業務・任せたくない業務の境界線」に関する調査結果を発表
Foonz(本社:神奈川県横浜市西区、星野純一社長)は、従業員100名以上の企業に所属し、CS・コールセンター運営・DX推進・情報システム・事業部門の問い合わせ対応に関与する担当者・責任者を対象に、「企業がAIに任せたい業務・任せたくない業務の境界線」に関する調査を実施した。
近年、顧客対応の効率化や人手不足解消を目的として、音声AIやAIエージェントなどの自動応答システムを導入する企業が増えている。しかし、「すべての問い合わせ業務をAIに任せてよいのか」と頭を悩ませる現場の担当者も多いのではないだろうか。では、企業はどこまでの領域をAIに任せ、どのような業務を「人が直接対応すべき」と判断しているのだろうか。また、顧客満足度を下げずにAI運用を成功させるための理想的な役割分担や、有人対応へ切り替える条件はどこにあるのだろうか。
「貴社では、AIを用いた問い合わせ対応(例:音声、AIエージェントなど)を導入しているか」と尋ねたところ、以下のような回答結果になった。
『すでに導入している(44.1%)』、『検討している(50.1%)』、『過去に検討し延期・見送った(5.8%)』。約半数が「検討中」であることから、現在は導入に向けた情報収集やシステム選定といった動きが進んでいると推察される。
では、有人対応についてはどのように感じているのだろうか。「問い合わせ対応において、有人対応に限界を感じているか」と尋ねたところ、約9割が『強く感じる(36.8%)』『やや感じる(55.4%)』と回答した。大多数が有人対応に限界を感じている現状が浮き彫りとなった。『あまり感じない』『全く感じない』と回答した方は1割未満にとどまっており、人の手だけに頼るこれまでのやり方は限界を迎えていることがうかがえる。
そのような中、企業はAIにどのような役割や解決策を求めているだろか。「AI問い合わせ対応の導入で期待する効果」について尋ねたところ、『一次対応の削減(38.6%)』と回答した方が最も多く、『問い合わせの取りこぼし防止(37.0%)』『オペレーターの負荷軽減(36.8%)』となった。上位となった回答から、「現場の負担軽減」と「業務効率化」を急務と考えていることがわかる。特に、「一次対応の削減」や「オペレーターの負荷軽減」に期待が集まる背景には、初期段階の対応に膨大な時間と人手が割かれている実態があると考えられる。「取りこぼし防止」や「品質の平準化」と回答した方も多く、対応漏れによる機会損失や顧客満足度の低下を防ぎたいというニーズがあることも推察できる。
では、実際の業務プロセスの中で、どの部分をAIに任せたいと考えているのだろうか。「AIに任せたい問い合わせ対応の業務」について尋ねたところ、『一次受付・要件整理(38.6%)』と回答した方が最も多く、『よくある質問への回答(36.4%)』『担当部署への振り分け(33.9%)』となった。上位3項目に共通しているのは、顧客との「接点(入り口)」となる定型的な業務であるという点。顧客の用件を正しく聞き取って適切な部署へつなぐ業務や、マニュアル化しやすいよくある質問への回答は、数に追われがちで担当者の負担になりやすい領域だといえる。こうした「初期対応」のフェーズをAIに任せ、人はより複雑で個別性の高いサポートに集中したいという意図がうかがえる。
一方で、「これだけは人の手で対応すべきだ」と考えているのはどの部分なのだろうか。「AIには任せにくく人が対応すべきだと思う問い合わせ対応の業務」について尋ねたところ、『重大なトラブル・障害の報告(33.0%)』と回答した方が最も多く、『クレーム(29.7%)』『個人情報・機微情報の取り扱い(27.2%)』となった。上位になった『重大なトラブル・障害の報告』や『クレーム』は、初期対応の誤りが大きな信用問題に発展するリスクがあるため、AIに任せるのではなく人が対応すべきだと思う方が多いと考えられる。また、『個人情報・機微情報の取り扱い』も上位に入っており、AIのセキュリティリスクや情報漏洩に対する懸念があることがうかがえる。
こうした人とAIの役割分担を踏まえた上で、実際の運用の中では、どのような状況下でAIから有人対応へ切り替えるべきだと考えているのだろうか。「AIから有人対応へ切り替えるべきだと思う条件」について尋ねたところ、『強い怒り・不満の検知(38.2%)』と回答した方が最も多く、『緊急性が高い案件(36.2%)』『ユーザーからの有人対応の希望(30.6%)』となった。有人対応に切り替えるべき条件として、AIには難しい「感情のケア」や「臨機応変な判断」が求められる『強い怒り・不満の検知』や『緊急性が高い案件』が上位に挙がった。また、『ユーザーからの有人対応の希望』も見られ、AIを万能視せず、あくまで初期対応のツールとして位置付けていることがわかる。
では、AIによる問い合わせ対応でも許容できる条件はどのようなものだろうか。「AIによる問い合わせ対応でも許容できる条件」について尋ねたところ、『待ち時間のない迅速な対応(34.4%)』と回答した方が最も多く、『対応ログ・履歴の保存と確認(31.9%)』『誤認識時の容易な修正や訂正(28.2%)』となった。『待ち時間のない迅速な対応』が最も多く、有人窓口特有の「待たされるストレス」がないという利便性が評価されているようだ。また、『対応ログ・履歴の保存と確認』『誤認識時の容易な修正や訂正』が上位に挙がったことから、AIが対応してもミスが少なく、任せても懸念が少ないものなら許容できると考えていることがうかがえる。
では、AIによる問い合わせ対応を実際に運用していく上で、現場の担当者が抱く不安とは何なのだろうか。「AI問い合わせ対応を導入・運用する上で、不安な点」について尋ねたところ、『クレームの増加(37.4%)』と回答した方が最も多く、『セキュリティリスク(29.7%)』『回答精度(28.0%)』となった。最も多かったのは『クレームの増加』に対する不安であった。これは3番目に多かった『回答精度』とも密接に関わっており、「AIの返答でお客様を怒らせてしまうのではないか」という現場のリアルな不安が読み取れる。また、『セキュリティリスク』への不安も上位に入っており、情報漏洩などの取り返しのつかない事態への警戒もうかがえる。
では、そのような不安を解消し、円滑な運用を実現するためにはどのような体制が重要だと思うのだろうか。「AI問い合わせ対応の運用で重要だと思う体制」について尋ねたところ、『FAQ・ナレッジの整備(28.0%)』と回答した方が最も多く、『AIの継続的な学習・改善(27.3%)』『AIに任せる範囲の事前決定(25.9%)』となった。「FAQの整備」や「AIの継続的な学習・改善」が上位に挙がったことから、AIを「導入して終わり」のツールではなく、育成していくシステムと捉えていることがうかがえる。また、「任せる範囲の事前決定」と回答した方も多く、AIを問い合わせ対応でうまく活用するためには、AIを生かせる環境の設定が重要であることが示された。
最後に、「AI問い合わせ対応の意思決定において、最終的に“判断の重心”はどこに置かれるべきだと思うか」と尋ねたところ、『費用対効果(ROI)(31.6%)』と回答した方が最も多く、『運用体制の安定性(28.9%)』『顧客体験の維持・向上(28.2%)』『従業員の負荷軽減・満足度向上(28.2%)』となった。『費用対効果(ROI)』が最多になり、ビジネスツールとして導入コストに見合う成果が最優先されるようだ。一方、『運用体制の安定性』や『顧客体験の維持・向上』も上位に挙がり、単なるコスト削減だけでは不十分であることがわかった。さらに、『従業員の負荷軽減・満足度向上』も挙がっており、AI問い合わせ対応はコスト、現場の安定、そして顧客と従業員双方の満足度という「全体のバランス」で判断されるようだ。
〔2026/3/25〕フライル、「AIコンタクトセンター調査2026」を公開
コンタクトセンター向けVOC分析・応対品質改善サービス「Flyle」を開発・提供するフライル(本社:東京都港区、財部優一社長)は、2026年2月、コンタクトセンター現場リーダー~経営層422名に対して実施したアンケート調査「AIコンタクトセンター調査2026」のレポート(全57ページ)を公開した。調査レポートのダウンロードは(無料):https://biz.flyle.io/resources/contact-center-ai-survey-2026
企業における多様なAI活用領域の中でも、コンタクトセンターではAIの導入・活用が進んでいる。実際に本調査の対象者でも、約9割が「本格導入」または「一部導入・PoC」段階に入っており、来期の投資意向でも「増額」または「現状維持」との回答が約86%に上る。
コンタクトセンターは「顧客の声」が集中する、企業にとって重要な情報のハブ。問い合わせ・クレーム・要望・解約理由など、顧客が「事業改善に寄与する本音を語る」タッチポイントでもある。また、コンタクトセンターでの応対品質は、顧客満足度やNPS(顧客推奨度)にも影響する。
AIを活用することで、日々コンタクトセンターに発生する膨大な問い合わせを自動分析し、リスク検知・事業改善インサイトの抽出や、顧客応対における応答率・応対品質向上へと繋げることが可能。こうした背景から、顧客理解と事業改善の起点となりうる戦略拠点として、AI活用の重要性はますます高まっている。
AI活用が当たり前になった今、問われているのは「導入したかどうか」ではなく「成果につながっているかどうか」だ。本調査では、AI導入で「期待通り」または「期待以上」の効果を実感しているとの回答は65%にとどまり、約3社に1社は投資に見合う成果を実感できていない。
成功企業と停滞企業を分けた要因はどこにあるのか。導入時にどんな壁に直面し、運用後にどんな誤算が生じたのか。本調査では、コンタクトセンター現場リーダー~経営層422名への調査を通じ、これらの問いに多角的に迫った。
〔2026/3/24〕三井情報、「金融機関カスタマーセンター利用者のAI受容度調査」結果を発表
三井情報(本社:東京都港区、真野雄司社長)は、金融機関のカスタマーセンター(お客様窓口/コールセンター)の利用経験者を対象に、「金融機関カスタマーセンター利用者のAI受容度調査」を実施し、その結果を取りまとめた。2025年12月19日~2026年1月5日の期間で調査し、1781の有効回答を得ている。
日本銀行の調査によると、金融機関では生成AIの活用・試行が広がっており、その効果は一定程度評価されている。一方で、実際に金融機関のサービスを利用する消費者が、生成AIの活用をどのように受け止めているかに関する定量的なデータは限られている。特に、コールセンター/カスタマーセンターに焦点を当てた調査は少ないのが現状。
また、規制・ガイドラインの整備が進む中、利用者の声を踏まえた「責任あるAI活用」や「人間中心の設計」が、金融機関の持続的な信頼確保において重要性を増している。
こうした背景を踏まえ、本調査は、金融機関におけるAI活用検討の基礎情報を提供することを目的に実施した。
■調査結果(抜粋)
1.顧客接点におけるAIの受容範囲
・口座残高・利用明細照会」「各種手続き方法案内」などの定型的な問い合わせにおいては、「AIだけで対応してよい」と回答した割合が他の問い合わせ内容よりも多く、AIへの受容度が高い結果となった。
・一方で、「不正利用の疑いがあるなどの緊急性の高い相談」「ログインできない、エラー発生等のトラブル対応」「ローン・投資・保険などの商品内容説明」では、「最初から人に対応してほしい」「まずAI対応でよいが、必要に応じて人に代わってほしい」という回答が大きな割合を占めており、高リスク/相談要素の強い領域では有人対応が強く期待されていることが分かった。
2.AI応対への不安と、安心のための条件
・AI応対への不安要因
AI応対に対して不安に感じる点としては、「自分の状況を十分に理解してもらえないのではないか」、「トラブル時に責任の所在があいまいになりそう」、「誤った案内をされるのではないか」、「個人情報や会話内容がどのように使われるか分からない」などが上位に挙がった。
・「AI応対でも使いたい」と思える条件
逆に、「AI応対でも利用してよいと思える条件」としては、「いつでも人のオペレーターに切り替えられる」、「AIか人か、自分で選べる」、「AIが対応できる範囲があらかじめ分かりやすく示されている」、「会話内容の記録・データ利用目的が事前に説明されている」といった項目が多く選ばれ、“コントロール権(選択・切替)”と“透明性”がAI受容のカギであることが示された。
3.バックエンド業務へのAI活用に対する評価
・カスタマーセンターでの会話をAIが分析し、「応対品質の向上」、「オペレーター教育」、「商品・サービスの改善」に役立てることについては、いずれも7割前後が肯定的な回答をしており、会話データを「サービス改善のための資産」として活用することには高い受容性があることが分かった。
・オペレーター支援AIについても、利用者の多くは「正確で迅速な回答が期待できる」「新人でも一定レベルの応対ができそう」といったポジティブな印象を持っており、“AIが人を置き換える”のではなく“AIが人を支える”文脈であれば、利用者にとってもメリットとして認識されやすいと考えられる。
〔2026/3/24〕アルティウスリンク、「お客様窓口におけるイライラ実態調査」を公表
アルティウスリンク(本社:東京都渋谷区、那谷雅敏社長)は、「お客様窓口におけるイライラ実態調査」を2026年3月24日に公表した。
本調査では、全国3,000人を対象に、カスタマーサポート利用時における不満・ストレスの経験実態や、その後の行動や感情の変化、企業対応への評価を分析した。消費者がどのような場面で不満を感じやすく、それがどのように感情や行動へ影響しているのかを明らかにしている。
調査結果のポイント
・カスタマーサポート利用者の8割が不満を経験、6割超が解約・乗り換えなどの離反行動へ
・不満は「オペレーター応対」ではなく「問合せ前〜接続前」に集中
・イライラには「自己解決挫折型」と「窓口不在憤慨型」などの傾向差あり、評価回復のしやすさにも差
カスタマーサポート利用時に不満・ストレスを感じた経験がある人は、80.6%にのぼった。そのうち、73.7%は不満を複数回経験しており、不満が一度きりではなく、繰り返し生じている傾向がうかがえる。また、不満を感じた際の行動では、「利用停止」「乗り換え」「利用縮小」などの離反行動が66.2%を占め、継続利用は32.8%にとどまっている。サポート体験が、顧客の継続利用や離脱へ直結している実態が明らかになった。
不満を感じる場面として多かったのは、オペレーターの応対そのものではなく、問合せ前~サポート接続前の体験であった。「電話番号が見つからない」「FAQやチャットボットで解決方法が見つからない」など、問合せ導線や自己解決環境への不満が、イライラの主因となっていることが明らかになった。
一方で、不満や意見を伝えた際の企業対応において、「真摯な謝罪」「丁寧な説明」「代替案の提示」といった対応が行われた場合、6割以上が「印象が好意的に変わる」と回答した。不満が生じても、誠実で継続的な対応が信頼回復の分岐点となることが示されている。
カスタマーサポート利用時の不満は一様ではなく、問合せ前の体験を起点とした不満の生まれ方には、属性や行動特性による傾向差があった。その中でも、若年層に多い「自己解決を試みたものの解決できずに不満が高まる『自己解決挫折型』」と、高齢層に多い「問合せ先が見つからないこと自体に強い不満を感じる『窓口隠し憤慨型』といった対照的なケースが確認され、不満の生じ方や、その後の評価回復のしやすさに違いが見られた。
こうした結果から、企業には応対品質の改善にとどまらず、顧客の属性や行動特性の違いを踏まえ、問合せ前の導線や自己解決環境を含めた体験全体を設計する視点が求められていると言えるだろう。
本調査ではこの他にも、年代別のカスタマーサポート利用場面別の不満(問合せ前・電話・問合せフォームやチャット)、カスタマーサポートにおいて感情的になった経験と、その際の企業からの対応の満足度などの調査結果についても公開している。
〔2026/3/23〕モビルス、第6回目となる「お客さま窓口の利用実態調査2025-2026」結果を発表
モビルスは、CX(顧客体験)向上を支援するテクノロジーの調査・普及を行う「CX-Branding Tech. Lab」の取り組みとして、企業のお客さま窓口に問い合わせをしたことがある、全国の男女765人を対象に第6回目となる「お客さま窓口の利用実態調査2025-2026」を実施した。調査結果の詳細:https://mobilus.co.jp/lab/research/customer-support-report/
調査の結果、問い合わせをした際に回答を得られるまでの許容時間について、約4割が「5分未満」と回答した。年代別では、10~30代で短時間での解決を望む傾向が見られた一方、40代以上では「なるべく人が対応してくれること」を最も重視するなど、世代によって窓口に求める価値が異なることが分かった。
また、お客さま窓口の対応が商品やサービスの購入・利用に影響したことがあると回答した人は66.8%にのぼり、約7割が窓口対応を購買判断に反映している実態も明らかになった。不満の最多項目は「つながらない・待たされる」であり、待機時間や解決までのストレスが顧客体験(CX)に大きく影響していることが示されている。
デジタル窓口の利用が世代を超えて浸透する一方で、「人による対応」を求める声も根強く存在している。こうした背景から、迅速な対応と人ならではの判断・共感を両立するAIと人のハイブリッドなCXの仕組み構築の重要性が、高まっていると考えられる。
労働人口の減少が進む中、お客さま窓口では採用難によるオペレーターの人材不足が深刻な課題となっており、業務の効率化や負担軽減が急がれている。商品・サービスに関する問い合わせに対応する窓口の現場では、時に過度な要求や厳しい言葉を受けるケースもあり、オペレーターの精神的負担の増大や離職を招く要因となっている。企業には、利用者の利便性を高めて満足度を向上させる取り組みと、現場オペレーターの負担を軽減させる取り組みの両立が求められている。
このような背景から、モビルスでは、お客さま窓口における利用実態や要望を明らかにすることで、窓口への不満といったカスタマーハラスメント(カスハラ)につながる要因や未然に防ぐための解決策を探り、利用者と企業の双方がより良いコミュニケーションや関係性を築くためのあり方を考えることを目的に調査を実施した。
本調査は2019年に開始し、今回で6回目となる。過去の調査結果との比較を通じ、お客さま窓口利用に関する最新の推移と傾向を分析している。
問い合わせをした際、求めている回答がその場で得られるまで最大どのくらい待てるか聞いたところ、「3分以上~5分未満」が最多(32.8%)であった。「3分未満」(8.8%)と合わせると4割(41.6%)が「5分未満」と回答している。
年代別では、20代(40.7%)・30代(41.7%)で「3分以上~5分未満」との回答が多く、短時間での回答を望む傾向が見られた。
お客さま窓口に問い合わせをした際に不満に思ったことを聞いたところ、全体では、「つながらない・待たされる」(36.6%)が最多で、「問い合わせ方法・問い合わせ先がわかりにくい」(30.5%)、「解決に時間がかかる」(30.5%)が続いた。
全体で最多だった「担当者につながらない・待たされる」は、40代(41.3%)、50代(45.9%)、60代(54.5%)、70代(41.4%)と年代が上がるに連れ高い傾向が見られた。
一方、10~30代では「解決に時間がかかる」が最多となり(10代33.0%、20代25.7%、30代31.5%)、若い世代ほど“早く解決すること”を強く求めていることが分かった。
商品やサービスについて確認したい点やわからないことがあるときの行動を聞いたところ、96.2%がお客さま窓口に問い合わせをする前に、Webサイトや付属の説明書、SNSなど何らかの方法で自己解決を試みていることが分かった。
最多は「スマホやパソコンでインターネット検索(GoogleやSafariなど)」(44.4%)で、次いで「企業やサービスの公式サポートサイト(よくある質問(FAQ)含む)」(18.6%)「付属の説明書」(15.3%)「 SNS(XやInstagram、YouTube等)」(10.5%)であった。7割以上(73.5%)が、インターネット検索や公式サイト、SNSで調べている。
お客さま窓口への問い合わせをする際に最もよく使う手段を聞いたところ、「電話」(27.1%)が最多となったものの、「問い合わせフォーム」(23.9%)、「メール」(20.8%)、「LINEや専用アプリのチャット(13.1%)」「XやInstagramなどのDM(5.2%)」を合わせると、6割以上(63.0%)の方が電話以外のノンボイスを利用していることが分かった。
チャットで問い合わせをしたことがあるか聞いたところ、全体では約7割(69.8%)が「ある」と回答した。前回調査(71.7%)と同水準で推移しており、チャットによる問い合わせは一般化していることがうかがえる。
年代別では、20代が8割超(84.1%)と最も高く、30代(75.0%)、40代(74.3%)、50代(77.5%)も7割を超えていた。また、60代も6割強(63.4%)、70代以上も約5割(49.1%)とシニア層にも浸透している。
チャットで問い合わせをしたことがある534名に、「チャットでの問い合わせは便利だと思いますか?」と聞いたところ、70.0%が「はい」と回答した。一方で前回調査と比較すると7%減少しており、利便性は評価されているものの、回答精度や運用面での改善余地が考えられる。
電話で問い合わせをした際にボイスボットで対応されたことがあるか聞いたところ、全体では6割弱(57.1%)に経験があることが分かった。年代別では、20代が7割以上(75.2%)と最も多く、30代(71.3%) も7割を超えていた。また、60代(50.0%)、70代以上(46.4%)でも約5割が経験しており、電話窓口へのAI導入も進んでいる様子が見られる。
問い合わせをする際に企業に求めることを聞くと、「なるべく人が対応してくれること」(23.3%)が最多であった。次いで「問い合わせを開始してから待ち時間が発生しないこと」(15.8%)、「Webサイトに情報が載っていること」(14.8%)となり、この上位3つで回答の5割以上を占めている。
年代別に見ると、世代ごとの違いが表れた。10代では「問い合わせ開始後に待ち時間が発生しないこと」(19.0%)が最多となり、30代では「時間帯を問わず問い合わせできること」(18.5%)が最多となっている。20代では「なるべく人が対応してくれること」「電話など音声で問い合わせできること」「時間帯を問わず問い合わせできること」が同率(15.0%)で並び、若い世代では待ち時間の少なさや時間の柔軟性を重視する傾向が見られた。
40代以上では「なるべく人が対応してくれること」が最多となり、特に60代(33.9%)、70代(34.8%)では約3人に1人が人による対応を望んでいる。70代では「電話など音声で問い合わせできること」(24.1%)も高く、音声によるコミュニケーションへのニーズが他世代より顕著であった。
また、10~40代ではチャットやボイスボットの利用希望も一定程度見られた一方、50代以上では相対的に低く、世代によって希望する問い合わせ手段に違いがあることが示された。
約7割(66.8%)が、お客さま窓口の対応によって、その企業の商品やサービスの購入や利用に影響したことがあることが分かった。影響したことがあると回答した人のうち、「対応に不満があり、その企業の商品やサービスの購入・利用をやめた」が最多で約5割(45.6%)であった。「対応に満足し、その企業の商品やサービスの購入・利用を継続している」と回答した人は約4割強(42.3%)であった。お客さま窓口の対応によって企業の商品やサービスの購入や利用に影響したことがあると回答した人は、前回調査(59.0%)から7.8%増加しており、窓口対応が購買行動に直結する重要な顧客接点であることが示された。
日常の家族や友人とのやりとりで最もよく使うコミュニケーション手段を聞いたところ、「チャット」が44.2%で最多となり、2024年の34.8%から9.4%増加した。「アプリ通話(LINEやzoomなど)」(21.2%)と合わせると6割以上を占め、デジタルツールが生活のインフラとして定着している様子がうかがえる。
一方で、「電話による通話」(13.1%)も一定数存在し、「アプリ通話」(21.2%)と合わせると34.3%が音声によるコミュニケーションを最もよく使う手段として挙げており、音声ニーズも引き続き根強いことが分かった。
本調査では、窓口対応が購買行動に直結する重要な接点であることが改めて示された。66.8%が窓口対応によって購入・利用に影響した経験があると回答しており、その影響は小さくない。
不満の最多は「つながらない・待たされる」で、4割が「5分未満」の回答を希望するなど、顧客の許容時間は短縮傾向にある。さらに96.2%が問い合わせ前に自己解決を試みていることから、窓口到達時にはすでに解決を急ぐ心理状態にある可能性も考えられる。
一方で、チャットやボイスボットの利用が広がる中でも、「人による対応」を求める声は根強く存在している。こうした状況を踏まえると、問い合わせ内容を理解し自律的に処理を行う「AIエージェント」の活用と、人ならではの判断や共感を組み合わせる“AIと人のハイブリッド設計”が、顧客満足と従業員保護の両立に向けた重要な方向性と言えるだろう。
〔2026/3/5〕HDI-Japan主催「HDI格付けベンチマーク」2026年【ECモール業界】の格付け結果を発表
サポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体HDIの日本拠点HDI-Japan(運営:シンクサービス、本社:神奈川県川崎市、山下辰巳社長)は、同社が主催する「Webサポート/問合せ窓口格付け」の2026年【ECモール業界】の調査結果を発表した。
ECモール業界 Webサポート格付け結果(調査対象:下記6社)
・三つ星:アマゾンジャパン(Amazon)、ZOZO(ZOZOTOWN)
・二つ星:eBay Japan(Qoo10)、auコマース&ライフ(au PAY マーケット)、LINEヤフー(Yahoo!ショッピング)、楽天グループ(楽天市場)
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし
ECモール業界 問合せ窓口格付け結果(調査対象:下記6社)
・三つ星:アマゾンジャパン(Amazon)、ZOZO(ZOZOTOWN)
・二つ星:eBay Japan(Qoo10)、auコマース&ライフ(au PAY マーケット)、LINEヤフー(Yahoo!ショッピング)、楽天グループ(楽天市場)
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし
Webサポートは、三つ星2社、二つ星4社という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。ECモール業界は2025年全業界平均と比べて「複数の選択肢」「役立度/解決度」「安心して利用できる」が高評価だがその他の項目は下回る結果となっている。
Webサポートで高評価のところは、目的に合わせて使い分けられる検索機能により、必要な情報や商品をすぐに見つけられる。セルフサービスが充実しており、購入を望む瞬間に迷うことなく目的の商品へアクセスできる。問合せチャネルの選択肢が豊富で、顧客が状況に応じて選択して問合せできる。一方低評価のところは、有人サポートへの入り口が分かりにくく、必要なときにすぐに問合せできない。情報量の多さがゆえに目的の項目を探しづらい場面がある。
問合せ対応は、三つ星2社、二つ星4社という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。ECモール業界は2025年全業界平均と比べて「プロセス対応手順」「困難な対応」「初回コンタクト解決率」は高評価だがその他の項目は下回る結果となった。
クオリティで高評価のところは、豊富な知識を活かして顧客のニーズを正確にとらえ、親身になり対応している。顧客の状況に配慮した臨機応援な案内を行い、スムーズかつ快適に解決に導いている。一方評価が伸び悩んだところは、顧客の不安に寄り添う姿勢が感じられず、定型的な案内にとどまっている。要望を充分にくみ取れておらず、質問の意図とずれた回答につながることで納得しづらい場面があり、結果として商品の魅力も伝わりにくい傾向にある。
パフォーマンスで高評価のところは、時間帯問わずつながりやすく、顧客が気軽に問合せでき、常に快適なサポートを受けられる。テンポよく会話できプラスアルファの情報提供も多く納得感が得られる。一方評価が伸び悩んだところは、有人対応に温かみやスピード感が欠け、事務的な印象を与えている。購入を後押しするだけの充分な情報提供に至らず、顧客が購入を決めきれないまま対応が終了するケースも見られた。