〔2024/6/26〕IDC Japan、国内顧客エクスペリエンス(CX)関連ソフトウェア/CRMアプリケーション市場、国内CX変革サービス予測を発表
IDC Japan(本社:東京都千代田区、村橋俊介社長)は、国内顧客エクスペリエンス(CX)関連ソフトウェア/国内CRMアプリケーション、および国内CX変革サービス市場予測を発表した。
IDCでは国内 CX関連IT市場を「企業が顧客体験を差別化する目的で選択するデジタル戦略、技術、ビジネスプロセス、サービス提供を遂行するためのIT製品/サービス群」と定義し、ソフトウェア領域に関わるCX関連市場をCX関連ソフトウェア市場、サービス領域に関わる市場をCX変革サービス市場と定義している。またCX関連ソフトウェアの主要市場としてCRMアプリケーションを位置づけている。IDCではCX関連IT市場のうち、ソフトウェア/サービスに関わる市場に焦点をあてて、予測を行った。
2023年の国内顧客エクスペリエンス(CX)関連ソフトウェア市場は、前年比9.5%増、市場規模(売上額ベース)7,079億9,800万円、主要市場である2023年の国内CRMアプリケーション市場は、前年比13.4%増、市場規模(売上額ベース)は2,497億8,600万円となった。2023年の国内CX関連ソフトウェア市場/CRMアプリケーション市場は一部の機能市場セグメントにおけるクラウドシフトによる短期的な売上へのマイナス影響によって2022年と比較した成長率は逓減した。一方で、継続的なCX業務のデジタル化とワークスペース高度化/ビジネスモデルの変革を展望したシステム刷新需要、データドリブン経営に向けたデータ管理/分析需要などを背景に、単年度成長の観点では好調に推移した。また、国内CX関連ソフトウェア市場の成長と連動して、2023年のCX変革サービス市場も、CRMアプリケーション/顧客データプラットフォームの構築とデータ移行/統合などに関するプロジェクトサービスを中心に高い成長で推移し、前年比9.5%増、市場規模(売上額ベース)4,890億円となった。
国内企業におけるCX施策の関心は、各カスタマージャーニー地点のデジタル化から各顧客接点を横断した体験提供、業務プロセスの効率化、さらには収益レジリエンシーの強化に向けたビジネスモデルの変革に移行している。このようなCX施策の質的変化を背景に2024年以降の国内CX関連ソフトウェア市場および国内CRMアプリケーション市場は、デジタルファーストを前提としたCX/ビジネスモデルの構築と労働人口減少への対処を展望した生成AI機能の活用を伴うシステム刷新需要、その活用効果を最大化するためのデータ活用基盤の構築需要などによって好調に推移することが見込まれる。
その結果、国内CX関連ソフトウェア市場は2023年~2028年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)8.0%で推移し、2028年には1兆386億9,500万円になるとIDCでは予測している。主要市場である国内CRMアプリケーション市場は2023年~2028年のCAGR 9.6%で推移し、2028年には3,950億8,200万円になるとIDCでは予測している。
また、国内CX関連ソフトウェア市場の成長は、国内CX変革サービス市場におけるコンサルティング/システムインテグレーションに関わるプロジェクトサービス需要に継続的に寄与し、国内CX変革サービス市場は2023年~2028年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate) 7.5%で推移し、2028年には7,029億円になるとIDCでは予測している。