インハウスセンター動向

〔2026/7/23〕CTC、三菱UFJ銀行のカスタマーサポート戦略のアップデートをCXコンサルティングで支援  

 伊藤忠テクノソリューションズ(本社:東京都港区、新宮達史社長、略称:CTC)は、三菱UFJ銀行に、消費者と直接の接点をもつカスタマーサポート領域の戦略アップデートおよび、次期コンタクトセンターシステムの構想策定を支援した。いずれも、カスタマー・エクスペリエンス(CX、顧客体験)、エンプロイー・エクスペリエンス(EX、従業員体験)の向上を図るCTCのコンサルティングサービス「コミュニケーションデザイン」の提供によって実現した。
 三菱UFJ銀行では、顧客満足度の向上に向けて、利用者の目的や状況に応じた提供チャネルの拡大と、デジタル技術を活用した体験改革を進めている。店舗、アプリ、Webサイト、お問合せ窓口など利用シーンの多様化を踏まえ、どのチャネルでも同じ水準のサービスを提供できる仕組みの実現を目指している。
 今般CTCが提供したコミュニケーションデザインは、顧客の行動やニーズを捉えた「顧客視点」と、サービスを提供運営する「企業視点」の両軸でのアセスメントを通して、理想的なCX/EXの姿を定義し、具体的な改善提案を行うコンサルティングサービス。
 本プロジェクトでは、現状の課題分析に加え、技術動向や将来的な変化を踏まえながら、カスタマーサポートの目指す姿と、その実現に向けたシステム構想について、以下①~③の策定を支援した。
➀利用者の安心感・満足感を高め、継続的な利用につながる顧客体験の実現に向け、カスタマーサポートの目指す姿として「手間がかからない、1人ひとりの状況・ニーズ等に合わせた体験の提供」を定義。
➁高度なカスタマーサポートを支えるシステムとして、柔軟性のあるシステム基盤やデータ・AI基盤、持続可能な運用体制の構想。
➂CX/EXや生産性の向上に向けた施策を整理し「AIの積極活用」、「システムの標準機能の利用を前提としたFit to Standard※1」、「顧客の声(VOC)の高度活用」を軸とした目指す姿の実現に向けたロードマップに加えて、クラウドシフトを前提とした、SaaS製品活用の構想。
 CTCは今後も、カスタマーサポート体制の見直しや運用高度化に向け、先端技術の活用ノウハウを活かしながら三菱UFJ銀行を継続的に支援し、CX/EXの更なる向上と生産性改善に貢献していく。

〔2026/7/22〕アリアンツ・パートナーズ・ジャパン、VideoTouchの「AIロープレ」を導入

 VideoTouch(本社:東京都渋谷区、上坂優太社長)は、同社が提供するAIロールプレイング「AIロープレ」を、アリアンツ・パートナーズ・ジャパン (本社:東京都品川区、金子智一社長)に導入されたことを発表した。
 アリアンツ・パートナーズ・ジャパンは、ロードサービス受付業務を含む、24時間365日体制で顧客対応を行うコンタクトセンターを全国2拠点・約250名規模で運営している。
 緊急性の高い対応が求められる業務を担うなか、迅速かつ正確で安心感のある高品質な応対が常に求められる現場。
 今回のAIロープレ導入は、このような現場における「もしも」の瞬間にも安定したサービス品質が提供できる体制を構築・強化することを目的としている。
 アリアンツ・パートナーズ・ジャパンでは、新人オペレーターに対し、約1カ月以上の研修(座学・ロールプレイング・OJT)を実施してきた。しかし近年、コンタクトセンターを取り巻く環境や人材構成が多様化する中で、より効率的かつ一貫性のある育成体制の整備が重要となっている。
・新人研修に不可欠なロールプレイングにおいて、トレーナーの確保が困難
・トレーナー対応待ちにより、ロールプレイングの実施が滞るケースの発生
・拠点や担当者による指導・評価基準が不均一になる懸念
 特に、緊急性の高い問い合わせにおいては、「誰が教えるか」に左右されず、一定水準以上の応対品質を安定して再現できる育成体制の構築が急務となっていた。
 こうした背景からアリアンツ・パートナーズ・ジャパンは、管理者の業務負荷に依存しない実践的な訓練と、評価の客観性・標準化を同時に実現できる手段として、AIロープレの導入を決定した。

〔2026/7/9〕アルティウスリンク、地区宅便のカスタマーセンターにボイスボットを導入

 アルティウスリンク(本社:東京都渋谷区、那谷雅敏社長)は、地区宅便(本社:東京都練馬区、河合秀治社長)のカスタマーセンターにボイスボット「Virtual Agent Voice」を導入した事例を公開した。入電数が倍増する中、一次対応の自動化により、月に約2,000件の問合せ対応(オペレーター約1.5人分相当)の自動化と、1件あたり約20%の処理時間短縮を実現し、応答率の向上につながっている。
 本事例は、同社の新ビジョン「Total CX² Design Company」が掲げる顧客体験価値の向上を、具体的な成果として体現したもの。
 地区宅便のカスタマーセンターでは、配達取扱量の急増にともない、入電数が前年比で約200%に達していた。また、慢性的な人材不足により現場の負荷が増大し、すべての問合せに十分に対応することが難しい状況が続いていた。こうした課題を背景に、繁忙期においても高い応答率を維持し、「誰かのためにより良い業務サービスを届けること」の実現に向け、ボイスボットを導入した。
 ダイレクトメールの種類によって異なる問合せ内容を整理し、受付が比較的容易な入電パターンから段階的に導入。ヒアリング項目や音声案内の精査だけでなく、機械音声特有の不自然さを軽減するために、読み上げ時の「間」の調整など聞き取りやすさも追求し、約80%という高い完了率を維持している。
 問合せの一次対応を自動化することで、導入初期からオペレーター約1.5人分相当の業務自動化を実現。これにより、現場の業務負荷を軽減し、オペレーターが複雑な問合せ対応により注力できる環境を整備した。
 1件あたりの処理時間が平均150秒から120秒へと約20%短縮。繁忙期においても一定の応答率を維持できるようになり、待ち時間の短縮やスムーズな対応を通じて、顧客の利便性の向上につなげている。

〔2026/7/8〕TISI、伊予銀行のCRMデータを活用し、生成AIによる営業高度化に向けた実証実験を開始

 TISインテックグループのTISIは、伊予銀行と共同で、CRMデータを活用した生成AIによる営業支援の実証実験(以下:PoC)を2026年10月より開始することを発表した。
 本取り組みにより、伊予銀行がこれまで蓄積してきた顧客情報・営業情報と生成AIを活用し、顧客提案の品質および業務生産性の向上を目指すとともに、業務特化型AIの実用化に向けた有効性を検証する。
 近年、さまざまな業界で生成AIの活用が進んでいる。金融機関においても業務効率化や顧客サービス向上への活用が期待される一方、セキュリティやコンプライアンスへの対応や利用者のリテラシーを意識した利活用浸透などの観点から、実業務への適用には慎重な計画が必要とされている。
 伊予銀行では営業プロセス全体の高度化に向けて、行内でAI基盤の構築や営業の標準化に取り組んでいる。通常の営業活動では、営業行員が取引情報や交渉記録をCRMシステムで確認し、要点を理解した上で、提案に必要な資料やヒアリングすべき情報を自ら収集している。しかし、情報整理や提案準備には一定の時間を要するほか、過去の応対履歴の活用が担当者の経験やスキルに依存しやすいといった課題があった。そのため、営業行員が顧客状況を迅速に把握し、より適切な提案を行う仕組みづくりが求められていた。
 TISIは、伊予銀行へ金融機関向けソリューション「fcube(エフキューブ)」CRMシステムを提供しており、顧客情報の確認や共有、交渉記録の登録などに利用している。これまで伊予銀行のCRMシステムに蓄積された情報を生成AIで活用できることや、用途に応じて最適化された業務特化型AIが営業実務に適用しやすい点が評価され、本PoCを開始することになった。
 本PoCはTISIが伊予銀行向けPoC専用環境の構築と、検証用プロトタイプアプリケーション(以下:検証用アプリ)の開発を行い、伊予銀行は営業活動における検証用アプリの有効性や課題を検証する。生成AIの利用環境には、TISIが提供する「fcube」のサービス環境に準じたセキュリティ対策を施す。閉域ネットワークを介して営業行員が利用する検証端末と接続することで、安全性を確保し、金融機関のセキュリティポリシーに則った環境を構築する。また、検証用アプリで活用するナレッジデータは、CRMシステムなどに蓄積された顧客情報や営業情報を利用する。
・実施期間:2026年10月~2026年11月(予定)
・実施内容:伊予銀行の本部・支店の営業行員は検証用アプリを利用し、顧客提案に必要な案件・交渉内容の要点やネクストアクションの検討材料を収集する。生成AIの出力結果が営業行員の顧客理解を深め、適切な営業アプローチの支援につながるか、その有効性を検証する。
 本PoCで得られた知見を基に、伊予銀行の営業現場における実用性を評価し、将来的に現行CRMへの実装や営業支援機能の高度化を検討する。また、本取り組みの成果をfcubeの機能強化や金融機関向けソリューションの高度化に活用していく予定。

〔2026/7/6〕フライル、カウネットがお客様価値向上のためFlyleを活用し、月間1万件・全通話の応対品質評価・育成をAIで実現

 コンタクトセンター・CXのAI変革パートナー「Flyle」を提供するフライル(本社:東京都港区、財部優一社長)は、カウネット(本社:東京都港区、宮澤典友社長)における、Flyleの活用事例とその成果を発表した。
 カウネットでは従来、電話・メールフォーム・お問い合わせアンケートなどの年間32万件超のVOCを手作業で分類・分析していた。分類の属人化や優先度の高いVOCへの集中により、細かなお客様の声が改善に活かされにくい状況にあった。加えて、コンタクトセンターの応対品質モニタリングはオペレーター1人あたり月1~2通話のサンプリングにとどまり、評価のバラつきや育成にも課題があった。
 そこでFlyleを導入し、年間32万件のVOCの生成AIによる自動分類・可視化と、月間約1万件の全通話AI解析・スコアリングを実現。問い合わせ急増時には即日分析・翌日FAQ改善を実施し、電話問い合わせを4分の1に削減するなどの成果を上げている。
 「テクノロジーとクリエイティビティで、すべての働く人に価値ある体験を生み出す。」をミッションに掲げ、コクヨグループのEコマース事業の中核を担うカウネット。CX改善においては、顧客の信頼を失う課題を「プロミスブレイク」と定義し、日々改善に取り組んでいる。また、欠品率・遅延率・応答率などの「CX経営指標」を策定し、売上・利益と同等の重要指標として管理している。
 2024年12月にコンタクトセンターへ音声テキスト化ツールを導入し、声を漏らさず収集する基盤は整えていたものの、年間32万件超のVOC全量を手作業で分析することは現実的に困難で、優先度の高いVOCを中心とした改善施策に留まっていた。また、複数のオペレーターで電話の問い合わせを手分けして確認することによる分類の属人化や、応対品質評価のサンプリングの限界から、生成AIによる自動分類・可視化が可能なFlyleの導入に至った。
 Flyleの活用により、カウネットでは以下の3つのCX改革を実現した。
・埋もれていたプロミスブレイクを可視化し、全社横断共有を実現
 年間32万件超のVOCをAIで網羅的・客観的に自動分類・可視化する基盤を構築した。「WEBサイトの商品ページ上でクリアホルダーの角の丸さの判別ができない」といったこれまで埋もれていた細かい声まで拾えるようになった。他部門への改善優先度の伝達も、Flyleのダッシュボードによる視覚的なレポートにより納得感が高まり、改善施策の連携がスムーズになった。以前は特定事象の調査に1週間がかりとなるケースが、「昨日起こったことが今日可視化できる」スピード感へと変わり、当日中の経営陣報告も可能になっている。
・問い合わせ急増時の即日分析・翌日FAQ改善で電話問い合わせを4分の1に削減
 新規顧客急増で1日に電話200件・メールフォーム100件の問い合わせが集中した際、Flyleで即座にデータを分析し「どの画面のどこでエラーが発生しているか」をピンポイントで特定した。翌日にFAQとWeb導線を改善した結果、200件以上あった電話が翌日には50件ほどに減少した。改善効果と顧客行動の変化もダッシュボードで定量的に可視化し、次のアクションへ継続的につなげる体制が整っている。
・月間1万件の全通話AI解析で全件応対品質評価・育成体制を構築
 従来の通話録音数%サンプリングから、月間約1万件の全通話をAIで自動解析・スコアリングする「全件品質管理」体制へ進化している。言葉遣い・課題解決スピード・お客様の感情変化を多角的に解析し、「共感表明」「丁寧さ」「傾聴姿勢」といった定性的スキルも客観的にスコアリングしている。新人の模擬応対へのAI即時フィードバックにも活用し、全体の応対品質向上と個別育成の精度向上を同時に実現している。

〔2026/7/1〕ARアドバンストテクノロジ、SBI新生銀行がAIロールプレイツール「InnovaCall」を導入

 ARアドバンストテクノロジ(本社:東京都渋谷区、武内寿憲社長、以下、ARI)は、コンタクトセンター向けAIロールプレイツール「InnovaCall(イノバコール)」が、SBI新生銀行に導入されることが決定したことを発表した。
 InnovaCallは、コンタクトセンターの育成課題に向き合うAIロールプレイツール。AIが顧客役となり、オペレーターの発話に応じて自然な会話を展開することで、実際の応対に近いトレーニング環境を提供する。主な機能として、AIによる音声ロールプレイ、トークテーマとペルソナを組み合わせたシナリオ設定、リアルタイム文字起こし、AI自動評価・フィードバック、会話ログによる振り返り、ユーザー管理、チーム・拠点別管理などを備えている。
 SBI新生銀行では、AI利活用の進展を背景に、コンタクトセンターにおける応対品質の向上と人材育成の高度化を重要なテーマとしている。一方で、自社および委託先を含めた応対品質のばらつきや、限られた人員体制の中で、教育・評価を継続的に行う必要があることが課題となっていた。
 こうした課題に対し、実際の応対に近い環境で繰り返しトレーニングを行い、その結果を客観的に評価・可視化できる仕組みとして、InnovaCallの導入が検討された。検討にあたっては、コンタクトセンターの現場管理者による評価を重視し、以下の点が高く評価されたことから導入が決定した。
・管理者自身がシナリオを簡単に作成・修正できる柔軟性
・業務内容に即したトレーニングを現場主導で設計できる点
・導入および運用コスト面での優位性
・導入後の活用まで見据えたARIの伴走支援体制
 また、PoC(実証実験)においては、AIがロールプレイの実施・評価・フィードバックを担うことで、従来の指導プロセスの効率化や、教育担当者が重点指導に集中できる運用の実現可能性が確認された。

〔2026/6/30〕RightTouch、オリックス生命保険にて生成AIによるVoC全量分析と応対品質評価の自動化を実現する「QANT VoC」を導入

 RightTouch(本社:東京都品川区、野村修平社長、長崎大都社長)は、オリックス生命保険において、VoC分析基盤「QANT VoC」が導入されたことを発表した。
 オリックス生命保険では、医療保険・死亡保険を中心に約471万件の保有契約があり、コンタクトセンターには月間約8万件の入電が寄せられている。入電のうち、顧客の困りごと、保障内容の相談、新商品・特約に関する問い合わせなど、サービス・商品改善に直結する声が数多く含まれており、これらの活用を一層進めることが、次の重要なテーマとなっていた。
 こうした状況のもと、オリックス生命保険はQANT VoCの導入により、1.入電内容を客観的・定量的に把握する「正確性」、2.変化の理由をリアルタイムで掴み先回りした対応を可能にする「タイムリー性」、3.通常のお問い合わせを含む全量を可視化する「網羅性」の3点の実現をめざし、顧客の声を起点にした商品・サービス・応対設計の改善サイクルを継続的に回せる基盤を構築することを目的にQANT VoCを導入した。


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