インハウスセンター動向

〔2026/9/11〕ベルク、メディアリンクの自動音声応答システム「DXでんわ」を導入し、取次ぎ業務の80%を自動化

 メディアリンク(本社:東京都港区、松本淳志社長)は、ベルク(本社:埼玉県鶴ヶ島市、原島一誠社長)において、自動音声応答システム「DXでんわ」が導入されたことを発表した。
 ベルクは、埼玉県鶴ヶ島市に本社を置き、関東を中心に140店舗以上を展開する食品スーパーマーケットチェーン。1959年に埼玉県秩父市で創業し、「Better Life with Community(地域社会の人々により充実した生活を)」を経営理念に、地域に根ざしたスーパーマーケット経営を続けている。
 ベルクでは、本社の代表電話に寄せられる問い合わせを総務課で対応しており、1日100~200件ほどの受電のうち半数程度が他部署への取次ぎを要するものであった。担当部署につながる専用番号はもともと用意されていたものの、取次ぎの電話は後を絶たず、負担の増加により総務課が本来注力すべき業務に支障が生じていた。こうした状況を改善するため、取次ぎの負担を軽減できるIVR(自動音声応答システム)の導入を決定した。
 DXでんわの導入により、代表電話の一次対応をシステムに任せ、用件別に担当部署へ自動転送される仕組みを構築した。以前総務課で取り次いでいた電話の80%が自動化され、本来業務に支障を来していた状況が改善された。また、年末の休業案内など各種設定を管理画面から自分たちだけで完結できるように。総務課のスタッフからも取次ぎ業務が減ったことへの好意的な声が寄せられている。
 現在、従業員向けの内部通報用の分岐を設定しており、今後はDXでんわの通話録音機能とAIによる文字起こし機能を活用し、通話内容の記録・共有への活用を検討している。

〔2026/9/9〕キリンビール、プラスアルファ・コンサルティングのCRM/MAツール 「カスタマーリングス」で、CRM変革とCX向上を実現

 プラスアルファ・コンサルティングは、キリンビールの「キリンホームタップ」におけるCRM変革とコミュニケーション品質向上に向けた活動を、CRM/MAツール 「カスタマーリングス」で支援した。
 「つながり」をコンセプトに、自宅でクラフトビールを楽しめるサブスクリプションサービスとして2017年に誕生した「キリンホームタップ」。コロナ禍の需要急増とマスマーケティングにより会員数が大きく伸びた一方で、コロナ収束後には既存会員の満足度低下や顧客1人あたりの稼働単価のさらなる向上、顧客との中長期的な関係構築といった課題に直面していた。
 キリンビールでは、顧客を6セグメントに分ける定義は存在していたものの、それを実際の1to1コミュニケーション施策へとシームレスに展開・高度化するための、デジタル基盤の構築が求められていた。また、LINEやメールの配信を外部代理店に委託していたため、施策実行のスピードにも制約があった。そこで、SQLの知識がなくても操作できる「圧倒的な使いやすさ」と、LINE・メールの一元管理機能を持つ「カスタマーリングス」を導入した。
 本導入で、LINE配信の内製化により運用コストを削減し、カスタマーリングスの分析機能を活用してセグメント別の1to1コミュニケーションを実装した。これにより、サイト訪問率が130%に向上し、1to1メールの反応率も全配信比で117%を達成。さらに、テキストマイニングツール「見える化エンジン」と連携し、ネガティブな顧客の声に先回りして個別アプローチを行う「攻めのCS」を実施することで、解約防止に繋げた。結果として、長期的に下落傾向にあった「稼働単価」が2025年に反転上昇し、事業の黒字化を力強く牽引する基盤となっている。

〔2026/9/8〕RightTouch、AIアシスタント機能「QANT Web AIアシスタント」で三菱UFJ eスマート証券のコンタクトセンター高度化を支援

 エンタープライズ向けにAIコンタクトセンター基盤を提供するRightTouch(本社:東京都品川区、長崎大都社長)は、三菱UFJ eスマート証券のAIを活用したコンタクトセンター高度化を支援するため、QANT Webの高精度な施策を効率的に出すためのAIアシスタント機能「QANT Web AIアシスタント」の提供を開始したことを発表した。
 三菱UFJ eスマート証券は、2025年1月に三菱UFJ銀行の100%子会社となり、同年2月1日付で旧auカブコム証券から現社名へ商号変更。2026年3月には200万口座を突破するなど、顧客の裾野を急速に広げている。今回のQANT Web AIアシスタント活用を通じて、デジタルとリアルの双方で「迷わず快適に利用できる」サービスの実現を目指す。
 本施策の導入効果として、債券商品に関する問い合わせ対応領域では、公開後1週間で年間換算約400件相当の問い合わせ削減効果を確認しており、早期に成果を創出している。
 インターネット証券は、PC・スマートフォンの普及などにより、かつて一部のプロのものであった投資の世界を、誰もが日常的に行える環境へと変化させてきた。さらに、NISAの拡充をはじめとする制度改革により、「資産運用立国」に向けた機運はかつてない高まりを見せている。
 一方で、顧客の大切な資産を預かる金融機関として、フィッシング詐欺などへの対策強化が不可欠であり、多要素認証の導入など、一定の利便性低下が生じている側面もある。こうした中で、インターネット証券には、安全性と利便性を高い次元で両立し、快適な投資環境を提供する役割が求められている。
 三菱UFJ eスマート証券は、毎月数多くの新規口座開設し、2026年3月に200万口座を突破。口座数の伸長にあわせてお客様サポートセンターのオペレーター増員も進めてきた。
 一方で、大きな相場変動時や新たな不正アクセス対策の実装時、システム障害時などには、一時的に入電が増加し、お客様サポートセンターの応答キャパシティを超え、つながりにくさや待ち時間の長さが課題となる場面が生じていた。
 こうした課題に対し、お客様サポートセンターの体制強化に加え、Web上で迷わず取引できる導線の改善や、自己解決を支援するデジタルサポートの拡充が重要であると判断し、RightTouchが提供するQANT Webを活用してきた。
 三菱UFJ eスマート証券は、不正アクセス対策としての二要素認証導入をきっかけに、QANT Webの活用を開始した。当初はログイン・認証手順に関する問い合わせがお客様サポートセンターに集中していたが、その後NISA移管や確定申告など問い合わせの多いテーマにも施策を拡大。
 QANT Web経由のログイン成功数が増加するにつれ、お客様サポートセンターへの入電も徐々に落ち着き、自己解決を着実に支援できているという手応えを得ている。
 一方で、運用上の一番の課題は人的リソースの制約であった。限られた人員・時間の中では、二要素認証やNISA移管といった顕在化済みの課題対応にとどまり、施策は受動的にならざるを得ず、効果検証や改善にまで十分に手が回らない状況にあった。
 潜在的な課題にも先回りしてアプローチするには、施策の質を高めるだけでなく、まず検討できる施策の量そのものを増やし、実行・検証・改善のサイクルを迅速に回せる体制が必要であった。
 こうした課題を背景に、三菱UFJ eスマート証券は「QANT Web」の新機能である、高精度な施策を効率的に出すためのAIアシスタント機能「QANT Web AIアシスタント」の活用を決定した。AIをパートナーとして活用しながら、施策立案・運用の量と質を同時に高めていく。
 これまで人の経験・知見に依存していた課題分析に、AIならではの客観的な視点を掛け合わせる。データに基づく多角的な示唆を得ることで、人の目だけでは見落としていた潜在的な課題の発見や、より精度の高い施策立案につなげる。
 これまで少人数体制では施策数に限界があったが、AIが仮説や改善案の創出を大幅に増やすことで、検証できる打ち手が増加。実行・検証・改善のサイクルを高速で回していく。施策の量とスピードが高まることで、改善の加速にとどまらず、組織内の経験・ノウハウの蓄積も一層進んでいく。
 立案や分析の初動をAIが担うことで、担当者がゼロから考える時間を削減。意思決定や優先順位付けといった、人にしかできない付加価値の高い業務に時間を充てられる体制を実現する。
 こうした施策立案・運用の進化が目指す先は、お客さま体験の向上。インターネット証券では、口座開設やログイン、各種手続き、取引、税金関連など、顧客がWeb上で自己完結したい場面が数多くある。顧客が迷っているタイミングで適切な案内を届けることで、不安やストレスを軽減し、安心してお取引いただける体験につなげる。
 三菱UFJ eスマート証券は、QANT Web/QANT Web AIアシスタントを単なる問い合わせ削減の手段ではなく、サービス全体の価値向上を支える基盤と位置付けており、自己解決率の向上や呼量削減・ノンボイス比率の向上を通じて、最終的にはお客さま満足度の向上を目指す。
 債券の取扱商品拡充に伴い、新たに債券を購入する顧客が増加した。それにより、「購入手順がわからない」「税金関連の手続きが複雑」「専門用語が多く理解しづらい」といった基本的な問い合わせが発生していた。しかし、上述の人的リソースの制約などにより、これまでその実態は可視化されていなかった。
 QANT Web AIアシスタントが、債券関連のページ経由での問い合わせの急増と、「債券TOP」「債券取扱銘柄」「債券銘柄詳細」「債券買注文」の各ページ間を行き来する回遊行動を検知。そこから、新商品追加後に初めて債券を購入するユーザーに、購入手順に関する迷いが生じているという仮説を立て、施策案までAIアシスタントが作成した。
 この施策案をもとに、企画担当者の工数は実質1人日程度で、該当ページにQ&A形式のサポートアクションを設計・公開できた。
 結果として、AIアシスタントが提示した課題仮説と施策案をほぼそのまま活用できたため、担当者の稼働は施策の骨子づくりではなく、専門性の高い債券分野について債券チームへのヒアリングや内容確認・すり合わせに充てられた。
 施策公開から約1週間で、問い合わせ削減効果を7件確認。年間換算では約400件の削減が見込まれる結果となった。
 まだ取扱商品や全体の問い合わせに占める割合が大きくはないため、新商品の拡充などによる影響を捉えることが難しい状況でしたが、AIアシスタントがWeb行動データから変化を検知し施策立案することで、導入前に2~3営業日かかっていた工数が1営業日に短縮し、少ない工数で早期に施策を打つことができた。
 AIアシスタントが債券に関する課題を可視化し、迅速に施策を打てることが実証されたことで、商品部門である債券チームからは、今後の新商品拡充で想定される問い合わせに対し、公開前から先回りで施策を用意したいという相談が寄せられるようになったほか、既存の古いFAQコンテンツについても債券チームが自主的に見直しを進める動きも出てきている。

〔2026/9/8〕ファーマクラウド、Stock Millに「音声AI受注受付機能」を搭載、自然災害時発生時の医薬品卸コールセンターの受電逼迫を支援

 ファーマクラウド(本社:東京都千代田区、清水剛社長)は、アステム(本社:福岡県福岡市、吉村次生社長)、SDCソリューションズ(本社:佐賀県佐賀市、宮地大治社長)、イナホ(本社:東京都千代田区、阿部裕樹社長)、ゲルテック(本社:東京都港区、バトエレデネ ハタンボルド社長)と共に、ファーマクラウドとアステムが共同開発した医薬品の在庫をリアルタイムに可視化し発注可能なサービス「Stock Mill」に「音声AI受注受付機能」を搭載した。
 同社を含めた5社は元来、コールセンター業務の効率化、および受注業務が特定のオペレーターに依存している状況の軽減を目的として、音声AIによる受注システムを検討していた。検討を進める過程で自然災害が幾度か発生したことから、BCP(事業継続計画)の観点からも電話発注に依存しない手段が必要との結論に至り、開発に着手した。
 その後PoCを実施している最中に令和8年熊本地震が発生したことを受け、正式にローンチすることとなった。
 2026年7月28日16:27頃に発生した熊本県熊本地方を震源とする地震(令和8年熊本地震)は、熊本県宇城市および氷川町で震度7を観測したほか、熊本県熊本地方で長周期地震階級4を観測する規模のものであった。
 この地震により、九州新幹線やJR九州鹿児島本線等が運転を見合わせたほか、医薬品卸売販売業者の物流センター(熊本県八代市)では商品が棚から落下し、出荷が滞るなど、甚大な被害が生じた。翌29日以降も地震活動は継続した。
 こうした状況を受け、アステムのコールセンターへの受電数が通常の1.4倍にも増加し、電話がつながりにくい状況が発生した。
 アステムでは1日あたり4,000件以上の電話を受電しており、オペレーター1人あたり150〜200件の対応を行っているものの、対応しきれない電話も発生しており、従前より音声AIの活用を検討していた。
 今回Stock Millに「音声AI受注受付機能」が実装されたことにより、オペレーターの人員数を維持しながら、受電クオリティの改善、オペレーターの負担軽減、そして顧客の利便性向上が図られつつある。
 また、自然災害の発生頻度が高まる中、自然災害発生時はコールセンターの人員が出社困難となることもあり、突発的な受電急増に合わせてコールセンターの人員を即座に増強することは現実的に困難。
 アステムはこの課題を解決する為に、音声AIソリューション「MediVoice」(メディボイス)」を開発したSDCソリューションズに働きかけを行い、イナホおよびゲルテックがAIの会話設計・開発を担当し、Stock Millの共同開発パートナーであるファーマクラウドがStock Millへ実装。5社がそれぞれの得意分野を活かしてタッグを組むことにより、「音声AI受注受付機能」を得意先の発注手段の1つとして早期に活用を開始することができた。
 「音声AI受注受付機能」は災害などによる受電集中時でも24時間安定的に電話を受け付け、得意先情報の確認から発注受付までをAIが自動で対応することにより、有事における事業継続性の向上に寄与する。
 「音声AI受注受付機能」は、電話による利用者からの通話をAIが受け、API連携によりStock Millおよび医薬品卸基幹システムとリアルタイムに情報連携する仕組み。
主な提供機能は、以下の通り。
・電話番号から得意先情報を取得
・前買情報(過去の発注実績)の参照
・在庫状況の確認
・商品の発注受付(下書き伝票の作成・更新・発行)
 医薬品マスタ・代替医薬品マスタ・略語マスタについても随時連携しており、AIが薬品名の略称や代替品の提案にも対応できる仕組みとなっている。
 現在StockMillは9,000店舗を超える調剤薬局をはじめとするアステムの得意先で活用されており、昨年からは医療疾患情報・資材情報の提供もStock Mill上で開始している。今後は返品受付機能をはじめ、Stock Milにさらなる機能拡充を進めていく。
 我々5社は引き続き連携し、自然災害などの非常時においても医薬品の安定供給を支えるインフラとして、「音声AI受注受付機能」およびStock Millの機能拡充に取り組んでいく。

〔2026/9/7〕ピアズ、NTTドコモと連携し、「ドコモ光」のアウトバウンドテレマーケティング施策を開始

 ピアズ(本社:東京都港区、桑野隆司社長)は、NTTドコモと連携し、光ブロードバンドサービス領域におけるアウトバウンドテレマーケティング施策の運営を開始することを発表した。
 ピアズは、これまでドコモショップ・オンライン接客・非店頭チャネルなどで蓄積してきた販売支援ノウハウを活かし、単なる架電業務の受託にとどまらず、スクリプト設計、人材育成、実績管理、運用改善までを一気通貫で担うBPOパートナーとして、本アウトバウンドテレマーケティング施策を推進していく。
 近年、企業の営業・顧客接点においては、顧客ニーズの多様化やコミュニケーション手段の変化を背景に、限られた顧客接点をより効果的な提案機会につなげるための、質の高いコミュニケーションや顧客ごとの利用状況や潜在ニーズに応じた最適な提案が求められている。
 特に、アウトバウンドテレマーケティングにおいては、単に架電数を拡大するだけではなく、限られた接触機会をいかに価値ある対話へ転換し、成約率と顧客体験の双方を同時に向上させる運営体制が求められている。
 ピアズは、年間60万件を超えるサービス提案実績を有するオンラインセンター運営や、光回線・新電力などにおけるコンタクトセンター支援、店頭支援を通じて、提案品質の標準化と継続的な運用改善のノウハウを蓄積してきた。本取り組みでは、これまで培った知見を活かしながら、ドコモ光領域における販売拡大に貢献していく。
 共同推進の内容また、本取り組みを通じて得られる知見やノウハウを蓄積し、今後のアウトバウンドBPO事業の拡大につなげていく。
 本取り組みでは、ドコモ光のアウトバウンドテレマーケティング施策における運用体制を構築し、架電、応対、提案、申込受付、応対ログ作成、再架電管理までを一連の業務プロセスとして設計する。SVによる品質管理および実績管理を通じて、安定的かつ高品質な運用を実現するとともに、ピアズがこれまで通信・店舗・オンライン接客領域で培ってきた販売戦略立案、人材育成、実行支援、運用改善のノウハウを活かし、運営体制構築、スクリプト設計、分析レポート作成、改善提案までを一気通貫で推進する。
 また、ピアズがこれまで光回線などの販売支援を通じて培ってきたノウハウを活用し、顧客の理解度やニーズを踏まえたスクリプト設計や提案品質の向上など、継続的な運用改善に取り組んでいく。
 ピアズの強みである現場に根差したオペレーション設計と伴走型支援を通じて、販売拡大だけでなく顧客体験の向上とLTV向上の両立を実現するとともに、本取り組みを起点としてアウトバウンドBPO領域における知見と実績を蓄積し、今後の事業拡大につなげていく。

〔2026/9/3〕資生堂、社内問い合わせ対応にPKSHA Technologyの「PKSHA AIヘルプデスク」を拡張導入

 PKSHA Technology(本社:東京都文京区、上野山勝也社長、以下、PKSHA)およびNEC VALWAY(本社:東京都港区、馬場昭文社長)は、資生堂において、社内問い合わせ対応を高度化するAIエージェント「PKSHA AIヘルプデスク」の利用範囲を拡張し、運用を開始したことを発表した。
 PKSHAは「未来のソフトウエアを形にする」というミッションのもと、自然言語処理技術などの独自技術を基盤にしたAIおよびAIエージェントの研究開発と、そのソフトウエアの社会実装を通じて価値を提供していく。
 資生堂では、従業員の円滑な業務遂行を支えるサポート体制の高度化を推進している。従来の電話中心の運用では、受付時間外には問い合わせができないといった従業員体験(EX)における制約や、問い合わせのピーク時間を過ぎるとリソースに余剰が生じるといった人員配置の最適化が課題となっていた。また、社内問い合わせへの対応は組織運営において不可欠な業務である一方、オペレーターの確保や育成が年々困難になっている。こうした中、将来にわたって安定したサービス品質を継続していくためには、長期的にはAIやテキストコミュニケーションへの移行が不可欠であると判断した。
 こうした背景から、同社デジタルプラットフォーム部では、AIを活用したデジタル窓口への段階的な移行を決定した。具体的には、PKSHA AIヘルプデスクを導入後、初期は社内からの問い合わせに対し、オペレーターによる「有人チャット」で対応を行うことで、従業員がテキストでの問い合わせに慣れる期間を設けた。その後、ナレッジが溜まった段階でAIによる自動回答へ切り替えるステップを踏むことで、従業員の心理的ハードルを抑制したスムーズなデジタルシフトを実現している。
 本運用では、FAQや社内規定などのドキュメントから回答を生成するAIが一次回答を行い、解決に至らない場合は有人オペレーターへ連携する体制を構築している。実際に、窓口の受付時間外である夜間や早朝の時間帯においても月間100件以上の問い合わせが発生していたが、それらに対してもAIが即時対応することで、始業直後の入電集中の緩和に寄与している。
 またこれにより従業員からは、「人に聞くほどではないが少し確認したい内容について、有人窓口よりもAIの方が気軽に質問できる」といった肯定的な評価を得ている。
 なお、本導入にあたり、NEC VALWAYがコンタクトセンター運営ノウハウとDX支援の知見を活かし、運用設計および定着化を支援した。
 今後はAIヘルプデスクの継続的な最適化を通じて、さらなる自動対応範囲の拡大を目指す。AIの活用によって創出されたリソースを、より付加価値の高い専門業務などへと充当することで、グループ全体のサポート品質を引き上げ、従業員体験(EX)の最大化に貢献していく。PKSHAは、資生堂との連携をさらに深め、顧客のデジタル戦略推進をサポートしていく。

〔2026/9/1〕DATAFLUCT、東武鉄道へマーケティングAIエージェントを提供開始

 DATAFLUCT(本社:東京都渋谷区、久米村隼人社長)は、東武鉄道が推進している「TOBU POINT ID」を軸としたCRM高度化を、マーケティングAIエージェント「Airlake CDP Agent」により支援した。DATAFLUCTの「Airlake CDP Agent」は、顧客プロファイル生成、セグメント作成、施策提案を一気通貫で支援する新サービス。
 今回提供したサービスでは、「月別×曜日別×時間帯別」で顧客の動的属性をAIで設計し、1,000以上のタグを機械学習で自動生成。交通・決済・購買データを横断して1人ひとりの顧客を解析し、キャンペーン反応確率を事前に予測することが可能。DATAFLUCTは「Airlake CDP Agent」の提供を通して、マーケティング領域におけるAIエージェントによる業務高度化を推進する。
 東武鉄道は、2020年11月に「TOBU POINT」サービスを開始し、従来クレジットカード(東武カード)会員向けだったポイントサービスを、現金やPASMOを利用する顧客にも拡大。顧客コミュニケーションのデジタル化に大きく舵を切った。以降、TOBU POINT IDをキーに、乗車ポイント(トブポマイル)、EC モール(TOBU MALL)を開始したほか、特急券のチケットレスサービスなどとのID統合を進め、顧客1人ひとりの行動を可視化しやすい環境を構築。さらに、2025年5月には東武カードをリニューアルし、グループ外のデータもこれまで以上に捕捉できる体制を整えてきた。こうして高まった「顧客の解像度」を活かし、プロファイリングに基づく精度の高い販促と、販促検討・実施に費やす時間の短縮を目指していた。
 「データを商いに」をビジョンに掲げ、埋もれていたデータから新たな価値を生み出すDATAFLUCTは、既存のCDP・MAツールに蓄積されたデータをさらに高度に活用するため、AIが顧客セグメントを設計し、キャンペーンに対する顧客ごとの反応率を予測することで、施策精度の向上と不要な配信の削減を支援する新サービス「Airlake CDP Agent」を開発。今回の東武鉄道への提供が初の事例となる。
 運輸・不動産・レジャー・流通など多岐にわたる事業を展開する東武鉄道は、「TOBU POINT ID」を軸に各種データを統合し、顧客プロファイリングに基づく販促による収益・利益の向上、グループシナジーの強化、販促検討・実施に費やす時間の短縮を目指している。今回提供したサービスでは、アプリ会員データ、自動改札データ、購買データなどを活用し、顧客ごとの行動や購買傾向を分析可能。
 具体的には、東武鉄道が保有する交通データや決済データなどをもとに、「Airlake CDP Agent」のAIエージェントが顧客プロファイルを推定し、趣味嗜好や行動特性に応じたタグ付け・セグメント作成を行うことで、精度の高いCRM施策の実現を支援する。月別×曜日別×時間帯別の動的属性を設計し、1,000以上のタグを機械学習で自動生成。さらにキャンペーン反応予測モデルを組み込むことで、各顧客がどの施策に反応しやすいかを予測し、反応が見込まれる顧客に優先的に施策を届けると同時に、関連性の低い通知を抑制できるようになる。
 タグ設計の一例としては、購買データの基礎分析から、「健康志向(青果・魚介類などの購買構成比が高い)」「簡便志向」「節約志向」といった、ユーザーごとの購入金額に占めるカテゴリ構成比に基づくタグ付けロジックを構築した。さらに、沿線の駅利用の有無といった行動データもタグ化し、鉄道・流通・商業施設など多様な事業・サービスを展開する東武鉄道ならではの顧客プロファイルをAIモデルで生成している。ユースケースとしては、顧客プロファイリングAIを活用し、鉄道利用者で駅近隣のグループサービスの利用実績が少ない方に対する利用促進や、特急券の利用促進などが検討されている。


PAGE TOP