インハウスセンター動向
〔2026/7/1〕ARアドバンストテクノロジ、SBI新生銀行がAIロールプレイツール「InnovaCall」を導入
ARアドバンストテクノロジ(本社:東京都渋谷区、武内寿憲社長、以下、ARI)は、コンタクトセンター向けAIロールプレイツール「InnovaCall(イノバコール)」が、SBI新生銀行に導入されることが決定したことを発表した。
InnovaCallは、コンタクトセンターの育成課題に向き合うAIロールプレイツール。AIが顧客役となり、オペレーターの発話に応じて自然な会話を展開することで、実際の応対に近いトレーニング環境を提供する。主な機能として、AIによる音声ロールプレイ、トークテーマとペルソナを組み合わせたシナリオ設定、リアルタイム文字起こし、AI自動評価・フィードバック、会話ログによる振り返り、ユーザー管理、チーム・拠点別管理などを備えている。
SBI新生銀行では、AI利活用の進展を背景に、コンタクトセンターにおける応対品質の向上と人材育成の高度化を重要なテーマとしている。一方で、自社および委託先を含めた応対品質のばらつきや、限られた人員体制の中で、教育・評価を継続的に行う必要があることが課題となっていた。
こうした課題に対し、実際の応対に近い環境で繰り返しトレーニングを行い、その結果を客観的に評価・可視化できる仕組みとして、InnovaCallの導入が検討された。検討にあたっては、コンタクトセンターの現場管理者による評価を重視し、以下の点が高く評価されたことから導入が決定した。
・管理者自身がシナリオを簡単に作成・修正できる柔軟性
・業務内容に即したトレーニングを現場主導で設計できる点
・導入および運用コスト面での優位性
・導入後の活用まで見据えたARIの伴走支援体制
また、PoC(実証実験)においては、AIがロールプレイの実施・評価・フィードバックを担うことで、従来の指導プロセスの効率化や、教育担当者が重点指導に集中できる運用の実現可能性が確認された。
〔2026/6/30〕RightTouch、オリックス生命保険にて生成AIによるVoC全量分析と応対品質評価の自動化を実現する「QANT VoC」を導入
RightTouch(本社:東京都品川区、野村修平社長、長崎大都社長)は、オリックス生命保険において、VoC分析基盤「QANT VoC」が導入されたことを発表した。
オリックス生命保険では、医療保険・死亡保険を中心に約471万件の保有契約があり、コンタクトセンターには月間約8万件の入電が寄せられている。入電のうち、顧客の困りごと、保障内容の相談、新商品・特約に関する問い合わせなど、サービス・商品改善に直結する声が数多く含まれており、これらの活用を一層進めることが、次の重要なテーマとなっていた。
こうした状況のもと、オリックス生命保険はQANT VoCの導入により、1.入電内容を客観的・定量的に把握する「正確性」、2.変化の理由をリアルタイムで掴み先回りした対応を可能にする「タイムリー性」、3.通常のお問い合わせを含む全量を可視化する「網羅性」の3点の実現をめざし、顧客の声を起点にした商品・サービス・応対設計の改善サイクルを継続的に回せる基盤を構築することを目的にQANT VoCを導入した。
〔2026/6/26〕山陰合同銀行、コンタクトセンターにモビルスの6つのソリューションを導入
モビルスは、山陰合同銀行が、モビルスが提供する有人チャット「MOBI AGENT」や、生成AIを活用したオペレーション支援AI「MooA」、ビジュアルIVR「Visual IVR」、チャット上で個人情報を安全に扱う「Secure Path」などのソリューションを、Webサイトおよびコンタクトセンターの問い合わせ窓口に導入し、2025年3月から運用を開始していることを発表した。
本導入により、山陰合同銀行は、有人チャット窓口の新設といったチャネル拡充や、最適なチャネルへ案内する導線整備を図り、コンタクトセンター運用を刷新した。これにより、有人チャットでは月間500件にのぼる問い合わせについて、応答率299%、問題解決率約90%を実現した。さらに、Webサイトでのガイダンスメニューの案内や、高セキュリティ環境下でのチャット利用による本人確認といったDX化でデジタルチャネルの利便性向上を図り、顧客満足度やCXの向上を実現している。
総務省が2024年に発表した「通信利用動向調査」によると、13~69歳の各年齢階層でネット利用率は9割を超え、インターネットは日常生活に不可欠な手段となっている。
山陰合同銀行ではDX戦略として「オムニチャネルプロジェクト」を掲げ、対面とデジタルを融合させた取り組みを推進している。
一般に銀行は、預金やローン、各種手続きなど多岐にわたる商品を扱うため、Webサイトの情報が膨大になりがち。山陰合同銀行においても、顧客が自力で回答に辿り着けず適切な窓口へ誘導しきれないという導線上の課題があり、最適化が急がれていた。また、20~30代を中心に高まるオンライン解決ニーズへの対応や、月間約2万件にのぼる受電負荷の軽減も課題となっていた。
こうした背景から、山陰合同銀行は単なるシステムの更改に留まらず、導線設計や生成AI活用を見据え、コンタクトセンターの刷新に着手した。具体的には、有人チャット窓口の新設、チャット上で個人情報を安全に取り扱うためのセキュリティ機能、Webサイトで最適な窓口を案内するビジュアルIVR、終話後の後処理業務を効率化する生成AIなどの導入を検討した。その結果、モビルスのソリューションがデジタルチャネルでの自己解決促進と業務の効率化が図れ、オムニチャネル化とCX向上を実現できると判断し、導入を決定した。山陰合同銀行は同ソリューションをWebサイトやコンタクトセンターに導入し、2025年3月より運用を開始している。
山陰合同銀行は、有人チャット「MOBI AGENT」、チャットボット「MOBI BOT」、オペレーション支援AI「MooA」、ビジュアルIVR「Visual IVR」、チャットサポートにおけるセキュリティ機能群で、PCI DSSに準拠しチャット上で個人情報を安全に扱う「Secure Path」と、二段階認証機能「Secure MFA」の6つのソリューションを、Webサイトやコンタクトセンターに導入した。
・Webサイトに「Visual IVR」でガイダンスメニューを表示。問い合わせ内容を顧客自身が選択し、その内容から適した各チャネル(Webサイト、有人チャット、よくある質問(FAQ)、アプリ、電話)への遷移ができるように導線を整備
・有人チャット窓口を新設。有人チャット「MOBI AGENT」、チャットボット「MOBI BOT」、チャットサポートの運用におけるセキュリティリスクに対応した本人確認や個人情報を安全に取り扱う「Secure Path」と二段階認証機能「Secure MFA」を連携し、高セキュリティ環境での個人認証が可能なチャット窓口を実現
・オペレーション支援AI「MooA」と「MOBI AGENT」の連携により、有人チャット対応後の応対履歴を生成AIが自動で要約し、カテゴリー分類を行うことで、オペレーターの平均後処理時間(ACW)を軽減
Visual IVRの導入により、紛失は電話、一般質問はWebやチャットといった目的ごとに導線を最適化した。顧客が迷わず最短ルートで解決策に辿り着ける仕組みを構築し、間違い電話の削減や顧客ストレスの軽減を実現した。
応答率99%を維持し、チャット内解決率89%を達成している。アプリ操作などの案件もチャットで完結させている。また、文字ベースの対応は、病気などで声を出せない顧客にとっても優しいユニバーサルな窓口として機能している。
即時性が求められる電話に対し、チャットは内容確認や周囲への相談が可能になった。オペレーター同士で気軽に助け合える環境は心理的支えとなり、モチベーション維持やスキル向上の好循環を生んでいる。
生成AI「MooA」によりチャットの対話内容の自動要約を実現した。記録作成業務は、AI要約の確認と行内システムへの転記のみで完了するため事務負担が軽減し、オペレーターがより質の高い顧客案内に集中できる環境を整えた。
金融水準のセキュリティに対応した、個人情報保護と二段階認証のシステム運用を構築している。アラート機能を備えた情報漏えいリスクを抑えた対話基盤により、現場と顧客双方が安心して利用できる環境を実現している。
導線最適化やAI活用といった複合効果でセンター業務を効率化した。創出した余剰時間を能動的な営業活動(アウトバウンド)へ転換し、「コンタクトセンター」から、収益拡大を担う「プロフィットセンター」へと進化させた。
山陰合同銀行は、今後もデジタル技術を活用し、オンラインでも高品質な接客を目指す。具体的には、非対面接客の質を対面と同じレベルまで引き上げることを目標とし、顧客に寄り添うサービスを追求していく。また、現在電話で受けている問い合わせの中でも自己解決が可能な領域については、生成AIを活用した「AIエージェント型ボイスボット」の導入検討も進めている。
〔2026/6/26〕SBI生命、コールセンターにおける後処理業務を完全自動化するシステムを内製開発し、本格導入
SBI生命保険(本社:東京都港区、篠原秀典社長)は、AIトランスフォーメーション(AX)の中核施策として、コールセンターにおける後処理業務(ACW)を完全自動化するシステムを内製開発し、2026年6月25日より本格導入した。
本取組みにより、従来1通話あたり平均約3.5分を要していた後処理業務を原則不要(ゼロ化)とし、年間約5,000時間の業務削減を見込む。同社はこれを単なる効率化に留めず、人とAIとの役割を再定義し、保険業務全体の生産性を根本から見直す「AIネイティブなオペレーションモデル」への変革の実現と位置付けている。
同システムは、米国Anthropic社が提供する大規模言語モデル「Claude Sonnet 4.6(Amazon Bedrock上)」を活用し、通話内容の解析・要約・記録作成・入力処理までを一気通貫で自動化する。
また、システム基盤には、世界で最も包括的で、幅広く採用されているクラウドサービスであるAmazon Web Services (AWS) を採用し、高い拡張性とセキュリティを実現している。
本取組みは、単なる業務削減にとどまらず、以下の変革をもたらる。
・オペレーターの役割を「入力作業」から「高付加価値な顧客対応」へシフト
・応対品質の標準化と高度化の同時実現
・コールセンター運営のスケーラビリティ向上
・人材活用の最適化と働き方改革の推進
同社は同システムを起点として、コールセンターにおけるAI活用をさらに拡張するとともに、保険業務全体へのAX展開を進めていく。今後も、AIドリブンによる業務変革を通じて、顧客体験のさらなる向上と企業競争力の強化を両立していく。
〔2026/6/25〕wevnal、ロカボワークスが「BOTCHAN AICALL」で応答率96%以上を継続維持し、オペレーター席数の半減に成功
wevnal(本社:東京都渋谷区、磯山博文社長)は、ロカボワークス(本社:福岡県福岡市、岩崎亮社長)に提供する電話AIエージェント「BOTCHAN AICALL」の導入において、応答率96%以上の継続維持とオペレーター席数の約半減に成功したことを発表した。
本取り組みでは、Web広告起点の新規獲得に伴うインバウンドコール量の増減課題をAIが解決した。また、KPIを「解約抑止」から「顧客体験(CX)の優先」へと転換し、ヒアリングした顧客の声(VoC)をCRM施策へ活用するデータドリブンな体制を構築した事例として発表。
ロカボワークスは、男性向け機能性表示食品などを展開し、Web広告を主要な集客チャネルとする定期購入型の通販ビジネスを運営している。 同社では、Web広告の出稿状況によって新規獲得数やインバウンドのコール量が大きく変動するため、コールセンターのオペレーター席数の管理が慢性的な課題となっていた。席数の調整には一般的に1カ月前後のリードタイムが必要であり、予測が外れると「席余りによるコスト増大」または「席不足による応答率低下」という双方向のリスクを抱えていた。 応答率の低下は消費者センターへの相談増加など経営リスクに直結するため、AIによって一次受付を確実に担保し、応答率をほぼ100%に近づけることで、構造的なリスクを抑制することを目的にBOTCHAN AICALLの導入に至った。
現在はインバウンド対応を中心に活用しているが、今後は蓄積されたVoCデータを分析し、解約の予防やマーケティングクリエイティブの改善へとつなげるCRMループの構築を目指している。 また、ヒアリングデータをもとに「商品がなくなる時期を予測したアウトバウンドコール」や、後払い決済未完了者へのアプローチなど、継続率改善に向けた自動化施策も視野に入れている。
〔2026/6/25〕プラスアルファ・コンサルティング、富士電機がコールセンターの応対品質向上を目指し、「AIトークトレ」を導入
プラスアルファ・コンサルティングは、実際の顧客応対に近いリアルなペルソナを生成AIで再現し、実践的な応対練習を可能にする対話力向上支援サービス「AIトークトレ」を富士電機に導入したことを発表した。
富士電機は、業務用インバーターや鉄道のドア開閉駆動部など、産業・社会インフラを支える幅広い機器の製造や、関連するソリューションを提供している。同社のコールセンターでは、顧客からの問い合わせ対応において、対象機器に関する専門的な知識に加え、状況を正確に把握しトラブルの原因を特定するための高度なヒアリング力がオペレーターに求められている。
そのため、専門性の高い問い合わせに対応するトレーニング環境の構築と、オペレーターの対応力強化が課題となっていた。
こうした課題を解決するため、蓄積された問い合わせデータを活用し、現場に即したシナリオに基づく実践的なトレーニングを実現できるAIトークトレの導入を決定した。
富士電機では、AIトークトレを活用し、顧客からの主要な問い合わせや優秀なオペレーターの対応履歴などの実データをもとに、効果的なヒアリング手法や原因特定が難しいケースのシナリオを生成する。これらをもとにAIが、顧客の利用シーンや症状の伝え方などを再現することで、自社製品を実際に使用するユーザーのようなリアルな対話を実現する。これにより、オペレーターは心理的負担を感じることなく、実践的な訓練を通じて、専門知識の定着と問題解決力の向上を図ることが可能となる。
また、評価の属人化や育成工数の負担を軽減するとともに、組織全体における応対品質の標準化を実現する。これにより、顧客のトラブルを迅速かつ的確に解決する体制の構築を目指す。
〔2026/6/23〕RightTouch、「QANT スピーク」で東北電力の電話受付のAI化を支援
RightTouch(本社:東京都品川区、野村修平社長、長崎大都社長)は、AIオペレーター「QANT スピーク」を、東北電力に提供した。
QANT スピークの導入により、東北電力のカスタマーセンターに寄せられる定型的な各種申込の生成AIによる自動受付を目指し、顧客体験(CX)の向上と同社の業務効率化を支援する。
現在、固定メニュー型のIVRでは、顧客の発話意図を十分に深掘りできず、最適なチャネルへの誘導や提案ができないことから、手戻りや待機時間の増加、オペレーターへの負荷といった課題が、あらゆる業界において顕在化している。
特にインフラ業界では、電気・ガス・水道といったライフラインに関わる契約変更や各種手続きの問い合わせが中心となるため、顧客本人の確認を必要とするケースが大半を占める。氏名・住所・契約番号などの個人情報を電話上でヒアリングする件数が必然的に多く、従来のIVRでは対応しきれない場面が多く発生している。
東北電力は、低圧の電力契約において、東北6県と新潟を中心に600万口以上の顧客基盤を持つインフラ企業。同社のカスタマーセンターには、電気契約の開始・終了・アンペア変更・申込書受付といった手続きに加え、多種多様な問い合わせがあり、その年間合計入電量は約170万件にものぼる。
特に3~4月の引越しシーズンや冬季には問い合わせが急増し、電話がつながりにくい時間帯が発生するなど、顧客の利便性に影響を与える場面も生じていた。定型的な手続きであっても有人対応が前提となる構造が、入電量と顧客の待機時間の増加につながっており、顧客体験のさらなる向上が求められていた。
インフラ企業として多くのお客さまの個人情報を取り扱う同社にとって、厳格な情報セキュリティポリシーへの準拠は、新たなテクノロジー導入においても重要な要件。RightTouchは、音声認識から生成AIによる意図理解・応答生成まで、すべての処理工程を国内リージョン内で完結する環境を提供することで、同社のセキュリティ要件をクリアし、今回のローンチに至った。
RightTouchのQANT スピークは、音声認識・生成AI処理・応答生成のすべてを東北電力の高いセキュリティ要件に準拠する設計となっており、同社のセキュリティの担保と電話受付のAI化の両立を支援する。
1. QANT スピークの実装:自由発話の高精度な音声認識とLLMを活用することで、電気契約に関する専門用語や複雑な要件を含む問い合わせに対しても、発話者の意図を精度高く特定する。第1弾として「申込書受付」に関する問い合わせへの対応からスタートし、今後は対象となる問い合わせの種類を順次拡大していく。
2. 音声完結とチャネル連携による自己解決促進:口座振替やクレジットカード払いの申込書郵送の手続きを生成AIが対話形式で情報受付から手続き完了までを支援する。
3. セキュリティ要件への対応:インフラ企業として多くのお客さまの個人情報を取り扱う同社の厳格なセキュリティ要件に対応するため、RightTouchは音声認識から生成AIによる意図理解・応答生成まで、すべての処理工程を国内リージョン内で完結する環境を提供する。
4. VoCを用いたノーコードなAIオペレーター運用・改善:ノーコードの運用画面と応対ログを用いた自動テスト機能により、ボトルネックの検知からフロー改善まで継続できる体制を構築する。これにより、現場担当者がデータドリブンかつスピーディに持続的な品質改善サイクルを回すことが可能になる。
RightTouchは、東北電力のカスタマーセンターが推進する生成AI活用領域の段階的な拡大と、顧客体験向上および業務変革の取り組みを継続的に支援していく。
インフラ業界に求められる厳格なセキュリティ要件に対応しつつ、業務効率・顧客満足・従業員満足の三位一体での最大化を図る。さらにQANT Webなどの関連プロダクトと連携し、問い合わせを起点とした継続的な顧客体験最適化サイクルの構築を推進する。