〔2024/7/2〕三井住友カード、コンタクトセンターでELYZAの生成AIの本番利用を開始

 三井住友カードと大規模言語モデル(LLM)の社会実装を進めるELYZA(本社:東京都文京区、曽根岡侑也社長)は、三井住友カードが運営するコンタクトセンターにおいて、ELYZAの提供する、検索拡張生成(RAG)技術を用いた生成AIの本番利用を開始したことを発表した。本生成AIの導入により、オペレーターの応対スピードの向上、ならびに問い合わせチャネルの強化を実現し、三井住友カードへの問い合わせをより便利に利用できるになる。
 2023年の消費全体に占めるキャッシュレス決済比率が39.3%と過去最高を更新した。キャッシュレス決済の普及拡大が続く中、三井住友カードでは2023年度の新規申込みが500万件(うち300万件がプロパーカードの申込み)を超えるなど、大変多くの顧客が利用している。こうしたなか、三井住友カードのコンタクトセンターには、利用に関する内容などをはじめ、月間約50万件を超える問い合わせがあり、対応品質と対応可能件数の向上が急務となっている。
 近年急速に進展する生成AIは、コンタクトセンターの業務高度化・効率化に寄与し、生成AIの活用によって、顧客対応品質の向上にも貢献する。ELYZAが提供する生成AIは、RAG技術などの高度活用が可能でありながら、独自のLLM活用基盤に支えられた堅牢な生成AIのため、セキュリティ基準の高いコンタクトセンターでもリスクを抑えながら活用できる点を評価し、導入に至った。
 本生成AIは、三井住友カードのコンタクトセンターに寄せられる問い合わせに対し、検索拡張生成(RAG)技術を活用して社内データを検索(探索AI)し、回答の草案を自動で生成(回答生成AI)するもの。2024年6月末よりコンタクトセンターのメール回答業務で利用を開始している。年内には同様の生成AIをチャットでの問い合わせにも展開予定で、その際には業務用アプリケーションにAPIで組み込みを行う想定。最終的には、オペレーターの生産性向上効果として、顧客からの問い合わせ対応にかかる時間が最大で60%程度短縮される見込み。なお、本生成AIはELYZAが開発するLLM実用化プラットフォーム「ELYZA App Platform」経由で提供される。


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