調査・レポート・その他

〔2025/11/13〕HDI-Japan主催「HDI格付けベンチマーク」2025年【損害保険業界】の格付け結果を発表

 サポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体HDIの日本拠点HDI-Japan(運営:シンクサービス、本社:神奈川県川崎市、山下辰巳社長)は、同社が主催する「Webサポート/問合せ窓口格付け」の2025年【損害保険業界】の調査結果を発表した。

損害保険業界 Webサポート格付け結果(調査対象:下記13社)
・三つ星:あいおいニッセイ同和損害保険、アクサ損害保険、イーデザイン損害保険、SBI損害保険、ソニー損害保険、SOMPOダイレクト損害保険、チューリッヒ保険、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、三井ダイレクト損害保険
・二つ星:共栄火災海上保険、損害保険ジャパン、日新火災海上保険
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし

損害保険業界 問合せ窓口格付け結果(調査対象:下記13社)
・三つ星:あいおいニッセイ同和損害保険、アクサ損害保険、イーデザイン損害保険、SBI損害保険、ソニー損害保険、SOMPOダイレクト損害保険、チューリッヒ保険、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、三井ダイレクト損害保険
・二つ星:共栄火災海上保険、損害保険ジャパン、日新火災海上保険
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし
 Webサポートは、三つ星10社、二つ星3社という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。損害保険業界は2024年全業界平均と比べてセンターとの連携度以外のすべての項目が高く、セルフヘルプ選択肢が特に高評価となっている。
 Webサポートで高評価のところは、知りたい情報を素早く確認でき、商品やサービスの特長もわかりやすい。自己解決につながる多様な選択肢があり、顧客は自分に合った方法で情報を得ることができる。試算中の疑問もその場で解消でき、安心して利用できる。一方低評価のところは、情報が不足していたり図や動画がなく文章中心であったりと、解決しにくい傾向がある。またWebとセンターとの連携も不足しているので顧客が迷いやすい。
 問合せ対応は、三つ星10社、二つ星3社という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。損害保険業界は2024年全業界平均と比べてすべての項目が高く、特に差が出ているのはサービス体制と困難な対応。
 クオリティで高評価のところは、顧客の状況や気持ちを理解し前向きな姿勢でサポートしている。話をよく聞きペースを合わせ、顧客との心理的な距離を縮めよい関係を築けている。説明は簡潔でときに具体例を示すなど柔軟性が高く、プロらしい信頼のおける対応。一方低評価のところは、担当者のペースでマニュアル的に進めるなど配慮が不足しており、顧客が理解を深められる対応とは言いがたい。
 パフォーマンスで高評価のところは、電話、チャット共に担当者につながりやすく、歓迎感があり顧客は安心して話を切り出せる。顧客に関心を示し早い段階からニーズを引き出しているので、結果的に短い対応時間となっている。顧客は充分な情報が得られ商品やサービスの理解が深まり満足度が高い。一方低評価のところは、その場で回答が得られず解決に至らないことがある。また積極性が不足しており情報提供が不充分で満足度は低い傾向がある。

〔2025/11/13〕J.D. パワー、2025年法人向けテクニカルサポートコールセンター満足度調査結果を発表

 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、木本卓社長、略称:J.D. パワー)は、2025年法人向けテクニカルサポートコールセンター満足度調査の結果を発表した。本調査では「サーバー」、「PC/タブレット」、「コピー機/プリンター」、「業務ソフト」の4つのIT製品部門における、企業向けのテクニカルサポートコールセンターの満足度を測定している。
 本年の総合満足度(1,000ポイント満点)は「サーバー部門」が670ポイント(前年比-5ポイント)、「PC/タブレット部門」が663ポイント(前年比-1ポイント)、「コピー機/プリンター部門」が697ポイント(前年比-1ポイント)、「業務ソフト部門」が677ポイント(前年比+4ポイント)となった。
 どの部門も昨年から大きな変動は見られないものの、「サーバー部門」、「PC/タブレット部門」、「コピー機/プリンター部門」では、一昨年から緩やかにスコア低下の傾向にある。3部門共に「電話のつながりやすさ(応対開始までの時間)」において、年々評価が低下している。
 「電話のつながりやすさ」は、総合満足度の測定にあたり設定した7つの評価ファクターの中で、影響度が最も高いファクターとなっている。コールセンターの待ち時間は、BtoBサポートにおいては顧客の業務継続に直結する重要な要素であり、改善に向けた取り組みが求められる。
 昨今、コールセンターにおいては、待ち時間の短縮や応答率の改善、人手不足の解消、業務効率化などを目的として、AIなどを活用した音声ボットによる自動受付・対応システムを導入する企業が増加している。
 オペレーターとの通話なしで、「自動音声ガイドの操作や自動音声認識による対応のみ」で完了となったケースは、「サーバー部門」で11%、「PC/タブレット部門」で10%、「コピー機/プリンター部門」で6%、「業務ソフト部門」で9%となり、概ね1割前後にとどまっている。
 また、こうした「自動音声ガイドの操作や自動音声認識による対応のみ」で完了となったケースにおける総合満足度は、いずれの部門においても全体平均を下回る水準にあり、「最終的に解決しなかった/まだ解決していない」とする回答が多い傾向にある。音声ボットの活用は、業務効率化や待ち時間の短縮といった面で一定の効果があると考えられる一方で、複雑な用件への対応や顧客の安心感といった観点では依然として課題が多いと考えられる。更なる定着と顧客満足度向上に向けて、今後は、有人対応との適切な棲み分けや連携に加え、音声認識の精度や回答内容の品質改善が重要となるであろう。
 現在、あらゆる業種・業界において、オンラインシフトやデジタル化が急速に進む中、コンタクトセンターは顧客の問題解決だけにとどまらず、顧客との関係構築や価値提供を担う重要な接点へとその役割が変化している。顧客体験価値の向上を担い、持続的な顧客ロイヤルティの獲得を目指す体制作りが今後益々求められる。
 総合満足度ランキングは下記の通り。
<サーバー部門>(対象7ブランド)
第1位:大塚商会(692ポイント)
「電話のつながりやすさ」、「応対の丁寧さ」、「製品知識」、「コールセンターでの問題解決や電話対応に要した時間」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「用件・要望に対する理解力」、「説明のわかりやすさ」の全7ファクターで最高評価。
第2位:リコージャパン(683ポイント)
第3位:NEC(673ポイント)

<PC/タブレット部門>(対象8ブランド)
第1位:大塚商会(691ポイント)
4年連続の総合満足度第1位。「電話のつながりやすさ」、「応対の丁寧さ」の2ファクターで最高評価。
第2位:富士フイルムビジネスイノベーション(688ポイント)
第3位:リコージャパン(687ポイント)

<コピー機/プリンター部門>(対象7ブランド)
第1位:大塚商会、リコージャパン(同スコア、704ポイント)
大塚商会は「応対の丁寧さ」、「製品知識」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」の3ファクターで最高評価。
リコージャパンは「電話のつながりやすさ」、「製品知識」、「コールセンターでの問題解決や電話対応に要した時間」、
「説明のわかりやすさ」の4ファクターで最高評価。
※大塚商会とリコージャパンの「製品知識」ファクターのスコアは同点。

<業務ソフト部門>(対象8ブランド)
第1位:ミロク情報サービス(701ポイント)
「電話のつながりやすさ」、「応対の丁寧さ」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「用件・要望に対する理解力」の4ファクターで最高評価。
第2位:TKC(692ポイント)
第3位:PCA(685ポイント)

〔2025/11/11〕矢野経済研究所、コールセンターサービス市場/コンタクトセンターソリューション市場調査(2025年)結果を発表

 矢野経済研究所(本社:東京都中野区、水越孝社長)は、国内のコールセンターサービス市場およびコンタクトセンターソリューション市場を調査し、サービス別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
 2024年度の国内コールセンターサービス市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比3.5%減の1兆517億円であった。前年度に引き続き、これまで続いてきたコロナ禍を背景とした大型スポット案件(公共分野や官公庁案件)の規模縮小に伴い、市場は減少した。2024年度で大型案件はほぼ終了したと分析する。
 民間企業においては、国内経済を取り巻く厳しい外部環境(生産年齢人口の減少、労働力不足、人件費高騰など)や、チャットやソーシャルメディア対応などの非コール業務が増加していることを背景に、コールセンターのアウトソーシング需要は引き続き拡大している。とくに人材不足は、業種・規模を問わず多くの企業が直面する構造的課題であり、人的資源の最適配分を図る観点から、社内業務の外部委託に対するニーズが一層高まりを示している。
 2024年度の国内コンタクトセンターソリューション市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比5.0%増の4,190億円であった。
 市場拡大要因としては、引き続きコールセンター事業者の人材不足や働き方改革による勤務形態の柔軟性が拡がっており、コンタクトセンターの効率化を求めるニーズが高まり、関連するコンタクトセンターソリューションが伸長している。
 本調査では、生成AIが業界に及ぼす影響に焦点を当て、重点的に情報収集を行った。コールセンター業界において、生成AIは極めて大きな変革をもたらす技術として認識されており、特に大規模言語モデルは音声のテキスト化やチャットサポート業務との親和性が高く、積極的な導入が進められている。
 生成AIは労働集約型ビジネスからの脱却を図る手段として位置づけられており、業務効率化、コスト削減、サービス品質の向上が期待されている。具体的には、定型業務の自動化、24時間365日対応体制の構築、顧客対応チャネルの高度化などに活用されており、オペレーターは、より複雑かつ高度な業務への対応が求められる状況にある。
 将来的には、生成AIは「人の仕事を奪う」のではなく、「人の能力を補完し、新たな価値を創出するツール」として各社が位置づけており、AIと人が共存する次世代コンタクトセンターの構築を目指している。
 2025年度の国内コールセンターサービス市場については、コロナ禍で続いてきた大型スポット案件がほぼ終了したことに伴い、前年度並みで推移するものと予測する。
 国内コンタクトセンターソリューション市場は、2025年度以降も着実に伸長していくと予測する。労働人口の減少に伴うオペレーター不足が深刻化し、従来オペレーターが担ってきた業務がシステム化されていく。そのため、電話以外のチャネルやCRMなどデータ活用の領域も含めたシステム投資を前提に、市場規模は拡大していくものと予測する。

〔2025/11/6〕HDI-Japan主催「HDI格付けベンチマーク」2025年【銀行業界】の格付け結果を発表

 サポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体HDIの日本拠点HDI-Japan(運営:シンクサービス、本社:神奈川県川崎市、山下辰巳社長)は、同社が主催する「Webサポート/問合せ窓口格付け」の2025年【銀行業界】の調査結果を発表した。

銀行業界 Webサポート格付け結果(調査対象:下記12社)
・三つ星:auじぶん銀行、イオン銀行、住信SBIネット銀行、ソニー銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行、りそな銀行
・二つ星:SBI新生銀行、セブン銀行、楽天銀行
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし

銀行業界 問合せ窓口格付け結果(調査対象:下記12社)
・三つ星:auじぶん銀行、SBI新生銀行、ソニー銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行
・二つ星:イオン銀行、住信SBIネット銀行、セブン銀行、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行、楽天銀行
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし
 Webサポートは、三つ星9社、二つ星3社という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。銀行業界は2024年全業界平均と比べて、複数の選択肢、役立度/解決度、安心して利用できる、が高い評価となっている。
 Webサポートで高評価のところは、見つけやすく使いやすく、セルフヘルプ選択肢が豊富。チャットボットによる検索が有効で使い勝手がよい。セルフから支援サービスにスムーズに接続しセンター連携よくすぐに問合せられる。セキュリティ対応に安心感も高く、Webで充分な情報や支援がある。一方低評価のところは、ページ遷移に課題がみられ、FAQの検索が機能しなかったり、問合せ電話が見つけられなかったりした。
 問合せ対応は、三つ星6社、二つ星6社、という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。銀行業界は2024年全業界平均と比べて、多くの項目が同等かやや低い評価となっている。
 クオリティで高評価のところは、顧客の要望を素早く理解し、顧客レベルに合わせた対応ができ信頼できる。親しみやすく話しやすく、共感と寄添いのある対応ができる。豊富な知識と親しみやすさを兼ね備えている。一方低評価のところは、ニーズ掘り下げがなく一問一答の事務的な対応で、顧客をリードする積極的な対応は見られない。
 パフォーマンスで高評価のところは、つながりやすくレスポンスもよく、短時間で初回解決できる。チャネル問わず同回答かつ同レベルのサービスが提供され、顧客の期待を超える情報提供で満足度が高い。一方低評価のところは、音声案内が長くわかりにくい。担当者につながるまで時間がかかり、また事務的な対応で満足度が低い。さらに説明に工夫がないので顧客の理解を進めることができないところもあった。

〔2025/10/31〕Foonz、「IVR(自動音声応答システム)の導入実態とユーザー離脱の要因」に関する実態調査結果を発表

 Foonz(本社:神奈川県横浜市西区、星野純一社長)は、企業のカスタマーサポート/コンタクトセンター部門の責任者・運用担当者を対象に、「IVR(自動音声応答システム)の導入実態とユーザー離脱の要因」に関する実態調査を実施した。
 カスタマーサポートの業務効率化を目的に、多くの企業でIVR(自動音声応答システム)の導入が進んでいる。一方で、ユーザーの離脱や不満、改善の停滞といった課題も表面化しており、ユーザー体験の質的向上が今後の課題とされている。
 多くの企業で業務効率化を目的に導入が進むIVR。その一方で、ユーザーの途中離脱や満足度の低下といった課題が深刻化し、顧客体験の質的向上が新たなテーマとなっている。
 はじめに、「IVR(自動音声応答システム)の導入状況」について尋ねたところ、全体の約8割が『全社的に導入している(32.8%)』『一部導入している(46.0%)』と回答した。
 IVRはすでに多くの企業で何らかの形で活用されており、導入率は全体の約8割という水準となった。導入規模に差はあるものの、ユーザー対応の効率化に向けた仕組みとして定着しているといえる。また、導入検討層も約1割存在しており、今後も利用拡大の余地があることがうかがえる。
 続いて、IVRを導入済みの方に導入目的を尋ねると、、『営業時間外の自動対応(夜間・休日対応など)(61.6%)』が最も多く、『担当者への問い合わせの自動振り分け(48.4%)』『人が対応する件数の削減(オペレーターの負荷軽減)(47.9%)』と続いた。
 業務効率化の観点から「営業時間外の対応」や「オペレーターの負荷軽減」を重視する傾向が示された。IVRは単なる省力化手段ではなく、限られたリソースでユーザー対応を維持・改善するための基盤として導入されていることがわかる。
 「現在のIVRの運用における課題点」について尋ねたところ、『ユーザーが途中で離脱しやすい(48.1%)』が最も多く、『メニュー階層が複雑でユーザーが迷いやすい(39.0%)』『ユーザーの満足度が下がっている(28.8%)』と続いた。
 ユーザーが目的の選択肢にたどり着く前に離脱してしまうケースが多く、構成や案内設計の分かりにくさが大きな原因となっている可能性が示唆される。
 実際に「IVRに関するユーザーからの不満・意見を受け取ったことがあるか」について尋ねたところ、8割以上の方が『頻繁にある(19.7%)』『たまにある(62.1%)』と回答した。多くの企業が、IVRに対するユーザーの不満を直接的に受け取っている実態が明らかになった。
 では、ユーザーは何に不満を感じているのだろうか。「ユーザーがIVRに不満・抵抗を感じやすい点」について尋ねたところ、『長時間待たされる(担当者にたどり着くまでに時間がかかる)(50.4%)』が最も多く、『機械的な案内にストレスを感じる(42.6%)』『自分の要望に合う選択肢がなく困惑する(30.3%)』と続いた。多くのユーザーが「時間」と「柔軟性」に関することに不満を抱いていると考えられており、IVRの構造設計や音声UXの最適化が課題といえる。心理的ストレスの蓄積がユーザー離脱を招く要因となっている可能性が示された。
 「IVRが原因のユーザー離脱の有無」について尋ねたところ、8割以上の方が『とても多い(24.5%)』『やや多い(58.1%)』と回答した。企業側もユーザーの離脱を実感しており、これはIVRの設計や導線が、ユーザーにとって直感的に使いづらい状態にあることを示している。IVR(自動音声応答システム)の構成がユーザーの行動にどのような影響を及ぼすかを定量的に検証し、継続的に最適化する必要があると考えられます。
 「IVRで適切に担当者へつながった場合でも、どのような課題があるか」ついて尋ねたところ、『折り返し対応が遅い(49.2%)』が最も多く、『ナレッジ参照ができない(36.6%)』『他チャネル(メール・チャットなど)と連携できない(26.4%)』と続いた。IVRが適切に機能しても、その後の対応品質が十分でないとユーザー満足度は向上しない。運用部門間のデータ連携やナレッジ活用体制の整備が、次の改善フェーズとして重要といえるだろう。
 「IVRのメニューや案内内容などの改善・見直しをどの程度行っているか」について尋ねたところ、『必要に応じて都度実施している(60.1%)』が最も多く、『定期的に実施している(23.2%)』と続いた。この結果は、多くの企業が問題顕在化後の「受け身」の対応に留まっている実態を示している。更新の手間やコストが障壁となり、継続的な改善サイクルを回せていないことが、ユーザー体験の向上を妨げる一因となっているのではないだろうか。
 「IVRの導入は、業務効率化につながったと感じているか」について尋ねたところ、約9割が『とても感じている(22.9%)』『やや感じている(64.5%)』と回答。IVRが業務負荷軽減に貢献していることは間違いない。だからこそ、次の一手として「ユーザー満足度との両立」が問われている。
 最後に、「今後IVRの強化・改善で重要だと考える領域」について尋ねたところ、『AI自動応答との連携(47.9%)』が最も多く、『SMS・チャットなど他チャネルとの連携(41.7%)』『ユーザー体験の向上(31.7%)』と続いた。これは従来のシナリオベースのIVRでは対応しきれない、複雑な問い合わせに対して、より柔軟でパーソナライズされた対応を可能にするAIへの期待の表れだ。今後のIVR運用では、単なるシステム改善にとどまらず、AIを起点とした体験価値の向上と、チャネル横断の全体設計がカギとなることが読み取れる。
 今回の調査で、IVRが多くの企業で業務効率化に貢献する一方、「ユーザーの途中離脱」という深刻な課題を抱えていることが明らかになった。
・現状と目的: 約8割が導入済み。主な目的は「営業時間外対応」など業務効率化。
・顕在化する課題: 最大の課題は「ユーザーの途中離脱」。待ち時間や機械的な対応への不満が多く、8割以上の企業がユーザー離脱を実感。
・改善の停滞: 多くの企業で改善は「都度対応」に留まり、継続的な改善サイクルが回っていない。
・未来への展望: 解決策として「AI自動応答との連携」への期待が最も高く、次世代の顧客体験創出が求められている。
 IVRを単なる「業務効率化ツール」から「ユーザー体験の起点」へと再定義し、ユーザー視点で設計・改善を行っていくことが、今後の企業競争力を左右する重要なカギとなるだろう。

〔2025/10/30〕HubSpot、「日本のマーケティングに関する意識・実態調査」結果を発表

 CRM搭載のカスタマープラットフォームを提供するHubSpot Japan(本社:東京都千代田区、キャサリン ビューカー社長、以下、HubSpot)は、従業員数50人以上の企業・団体でマーケティング業務に従事しているビジネスパーソン計787名を対象に「日本のマーケティングに関する意識・実態調査」を実施した 。
 Google検索における「AIによる概要(AI Overview)」表示で「ゼロクリック現象」が発生したことをはじめとして、マーケティング担当者を取り巻く環境はAIの進化と普及により大きく変化した。これにより、領域によっては従来定石とされていたマーケティングプロセスが機能しづらくなってきていることも各所で指摘されている。このような市場環境の変化を受け、本調査では2024年11月実施の調査(以下、前回調査)との比較も行いながら、マーケティング担当者(以下、マーケター)の意識や実態を可視化し、日本のマーケティング組織が企業の競争力に貢献するために何が必要なのかを考察することを目的として実施した。
 生成AIを業務に利用している人は、回答者全体の81.6%に達した 。特に「週1日以上利用している」層は52.7%となり、前回調査の32.6%から大きく増加した 。一方で「まったく利用していない」層は18.4%に減少(前回調査では28.9%)し、生成AIの業務活用が本格化している様子がうかがえる。
 また「1年前(2024年)と比較したとき、生成AIはマーケティング業務の役に立つようになってきた」という主張に対しては、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と肯定した人の合計が81.1%となり、前回調査(72.3%)から約9ポイント増加した 。“生成AIの実用性への手応え”が、マーケティングの現場で確立されてきていることがわかる。
 利用者が最も多かったツールは「ChatGPT」(56.4%)であったが、「Copilot」(28.1%)と「Gemini」(26.2%)も前回調査と比較して利用が拡大しており、複数のツールが現場で活用されている。
 さらに生成AIツールの有料版を使用しているかどうかも尋ねたところ、「有料版を使っているツールはない」と回答した人は51.7%で、前回の62%から約10ポイント減少した。企業が生成AIを実務ツールとして認識し始めた結果、有料版の利用が進んだと考えられる。
 「生成AIの普及で顧客の購買行動に変化を感じるか」という質問に対し、約7割(69.8%)のマーケターが「変化を感じる」と回答した。
 一方で、変化を感じている人に「顧客の変化に対応するため、戦略や施策の見直し・変更を行っていますか」と聞いたところ、「既に見直し、実行している」と回答した人は24%にとどまった 。最も多い回答は「見直しや変更を検討している」(52.6%)で、「変化の認識」と「実際の行動」との間に明確なギャップが存在することが明らかになった。
 AIの利用頻度別に顧客行動の変化への認識を見たところ、AIの利用頻度が高い人ほど、顧客行動の変化を感じる傾向が強いことがわかった 。具体的には、生成AIを週1日以上利用する人のうち84.6%が「変化を感じる」と回答した一方、非利用者で同様に回答した人は33.1%にとどまり、約2.5倍の差が見られた。
 また、顧客行動の変化への対応についても、AIの利用頻度が高い層ほど、戦略や施策の見直し・変更を進めている割合が高い傾向が見えた。「(見直しを)実行中」または「検討中」の割合は、週1日以上利用者と非利用者とで約20ポイントの差があった。今回の設問設計の元では因果関係を確定することはできなかった。しかしHubSpotとしては、生成AIを使いながらテクノロジーの変化にアンテナを張ることが、顧客の変化に対する敏感さや危機感の強さに繋がっているのではないかと考えている。

〔2025/10/22〕NTTコム オンライン、NPSベンチマーク調査2025生命保険部門 コンタクトセンター調査結果を発表

 NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(本社:東京都品川区、稲葉秀司社長、以下、NTTコム オンライン)は、NPSベンチマーク調査2025生命保険部門 コンタクトセンター調査を実施した。本調査はコンタクトセンターの利用体験に焦点を当てたNPSベンチマーク調査となる。電話やメール、チャットなどで契約者からの問い合わせを受け付けるコンタクトセンターは、顧客と直接つながる接点として、生命保険においてCX向上の観点からも重要視されている。調査の結果、最もNPSが高いのはソニー生命となった。
 本調査では、生命保険の契約者のうち、電話やメール、チャットなどの手段でコンタクトセンターに連絡を取った利用者を対象に調査をした。対象の生命保険13社のうち、コンタクトセンターの利用を受けてのNPSのトップはソニー生命(-22.7)、2位はプルデンシャル生命(-24.7)、3位はオリックス生命(-31.1)となった。対象13社のNPS平均は-35.4、またトップ企業とボトム企業との差は26.8ポイントとなった。
 業界全体のロイヤルティを醸成する要素を18項目で分析したところ、「問題解決までの総合的なスピード」や、「回答精度の高さ・正確さ」、「説明のわかりやすさ」といった項目がロイヤルティを醸成する要因となった。またオペレーターの「対応の迅速さ・スムーズさ」、「親身な対応・お客様に寄り添う姿勢」、「専門知識の豊富さ」といった項目もロイヤルティ醸成に寄与した。
 一方でロイヤルティ向上のために優先的に改善が期待される項目としては、「解決・結論がでるまでの途中経過・進捗の共有」や、「問い合わせ後のフォローアップ」、また、「期待を超える応対・情報提供」が挙がり、今後の改善が期待される結果となった。
 NPS1位となったソニー生命では、「適切な担当者を案内してくれる」や「期待を超える応対・情報提供」といった項目がロイヤルティを醸成する要因となった。2位のプルデンシャル生命は「問い合わせ後のフォローアップ」が、また3位のオリックス生命は「回答精度の高さ・正確さ」がそれぞれ評価された。
 生命保険のコンタクトセンターに問い合わせをした理由を調査したところ、最も多くなったのは「現在の契約やプランの内容について」(21.1%)となった。次いで、「医療保険金(給付金)の受け取りについて」(19.8%)、「加入・契約手続き、契約更新について」(10.5%)、「資料請求、商品内容、見積もりについて」(8.7%)が続いた。
 問い合わせした内容について、解決までにかかった連絡回数を調査したところ、「初回の連絡で問題が解決した」と回答した利用者が82.6%となった。また、NPSも分析したところ、「初回の連絡で問題が解決した」と回答した利用者のNPSは-30.7となり、「複数回連絡をして問題が解決した」、「問題が解決しなかった」と回答した利用者に比べてNPSは高くなった。
 該当の生命保険のコンタクトセンターを利用する前に、自身の契約などを担当している専属となる特定の担当者に相談をしたか調査をしたところ、「特定の担当者がいて、カスタマーサポートに問い合わせをする前に相談した」と回答した人は31.6%、また「特定の担当者はいるが、カスタマーサポートに問い合わせをする前に相談をしなかった」と回答した人は29.3%となった。
 「特定の担当者はいるが、カスタマーサポートに問い合わせをする前に相談をしなかった」と回答した人に対し、担当者に連絡をしなかった理由を調査したところ、「担当者に連絡を取るほどの内容ではなかったため」(25.1%)が最も高く、次いで「担当者の都合を気にせず好きな時間に問い合わせできるため」(23.2%)、「担当者の担当する範囲のことではなかったため」(22.8%)が続いた。
 特定の担当者がいると回答した人に対し、コンタクトセンターと担当者は問い合わせ内容の引継ぎや自分の都合の良いタイミングでの連絡があるなどの連携がとれていると感じるか調査したところ、「とてもそう感じる」と回答した人は21.4%、「ややそう感じる」と回答した人は36.4%となった。これらの回答別にNPSも分析したところ、「とてもそう感じる」と回答した人のNPSは34.3となり、他の回答者に比べても特に高くなった。コンタクトセンターと担当者間で連携し、利用者をサポートしていくことの重要性が示唆される結果となった。
 コンタクトセンターで利用した連絡手段について、有人での電話問い合わせを「ボイス」、それ以外のメールや問い合わせフォーム、有人チャットやAIチャット・チャットボットなどを「ノンボイス」として区分して調査したところ、最も高いのは有人の電話問い合わせの「コールセンター(有人)」(65.5%)となった。次いで「メール・問い合わせフォーム」(18.1%)、「コールセンター(自動応答(IVR))」(8.8%)が続いた。
 また今後の利用したい連絡手段について、年代別に分析をしたところ、30代以下においては「ノンボイス(メール・問い合わせフォーム・有人チャット・AIチャットなどの有人の電話問い合わせ以外の連絡手段)」で利用したいと回答した割合が67.2%となり、有人の電話問い合わせの割合を上回った。一方60代以上では、「コールセンター(有人)」を希望する割合は79.6%と高い一方、「ノンボイス」は36.0%となり、年代によって希望するコンタクトセンターへ連絡する手段について差異がみられた。
 コンタクトセンターの利用を受けて、対象の生命保険における今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.6、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均8.0、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均5.8となり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となった。


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