〔2025/10/30〕HubSpot、「日本のマーケティングに関する意識・実態調査」結果を発表

 CRM搭載のカスタマープラットフォームを提供するHubSpot Japan(本社:東京都千代田区、キャサリン ビューカー社長、以下、HubSpot)は、従業員数50人以上の企業・団体でマーケティング業務に従事しているビジネスパーソン計787名を対象に「日本のマーケティングに関する意識・実態調査」を実施した 。
 Google検索における「AIによる概要(AI Overview)」表示で「ゼロクリック現象」が発生したことをはじめとして、マーケティング担当者を取り巻く環境はAIの進化と普及により大きく変化した。これにより、領域によっては従来定石とされていたマーケティングプロセスが機能しづらくなってきていることも各所で指摘されている。このような市場環境の変化を受け、本調査では2024年11月実施の調査(以下、前回調査)との比較も行いながら、マーケティング担当者(以下、マーケター)の意識や実態を可視化し、日本のマーケティング組織が企業の競争力に貢献するために何が必要なのかを考察することを目的として実施した。
 生成AIを業務に利用している人は、回答者全体の81.6%に達した 。特に「週1日以上利用している」層は52.7%となり、前回調査の32.6%から大きく増加した 。一方で「まったく利用していない」層は18.4%に減少(前回調査では28.9%)し、生成AIの業務活用が本格化している様子がうかがえる。
 また「1年前(2024年)と比較したとき、生成AIはマーケティング業務の役に立つようになってきた」という主張に対しては、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と肯定した人の合計が81.1%となり、前回調査(72.3%)から約9ポイント増加した 。“生成AIの実用性への手応え”が、マーケティングの現場で確立されてきていることがわかる。
 利用者が最も多かったツールは「ChatGPT」(56.4%)であったが、「Copilot」(28.1%)と「Gemini」(26.2%)も前回調査と比較して利用が拡大しており、複数のツールが現場で活用されている。
 さらに生成AIツールの有料版を使用しているかどうかも尋ねたところ、「有料版を使っているツールはない」と回答した人は51.7%で、前回の62%から約10ポイント減少した。企業が生成AIを実務ツールとして認識し始めた結果、有料版の利用が進んだと考えられる。
 「生成AIの普及で顧客の購買行動に変化を感じるか」という質問に対し、約7割(69.8%)のマーケターが「変化を感じる」と回答した。
 一方で、変化を感じている人に「顧客の変化に対応するため、戦略や施策の見直し・変更を行っていますか」と聞いたところ、「既に見直し、実行している」と回答した人は24%にとどまった 。最も多い回答は「見直しや変更を検討している」(52.6%)で、「変化の認識」と「実際の行動」との間に明確なギャップが存在することが明らかになった。
 AIの利用頻度別に顧客行動の変化への認識を見たところ、AIの利用頻度が高い人ほど、顧客行動の変化を感じる傾向が強いことがわかった 。具体的には、生成AIを週1日以上利用する人のうち84.6%が「変化を感じる」と回答した一方、非利用者で同様に回答した人は33.1%にとどまり、約2.5倍の差が見られた。
 また、顧客行動の変化への対応についても、AIの利用頻度が高い層ほど、戦略や施策の見直し・変更を進めている割合が高い傾向が見えた。「(見直しを)実行中」または「検討中」の割合は、週1日以上利用者と非利用者とで約20ポイントの差があった。今回の設問設計の元では因果関係を確定することはできなかった。しかしHubSpotとしては、生成AIを使いながらテクノロジーの変化にアンテナを張ることが、顧客の変化に対する敏感さや危機感の強さに繋がっているのではないかと考えている。


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