調査・レポート・その他

〔2025/10/15〕J.D. パワー、2025年カスタマーセンターサポート満足度調査<金融業界編><EC・通販業界編>の結果を発表

 J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、木本卓社長、略称:J.D. パワー)は、2025年カスタマーセンターサポート満足度調査<金融業界編><EC・通販業界編>の結果を発表した。本調査は金融業界(対象8業態)およびEC・通販業界(対象2業態)におけるカスタマーセンターサポート利用時の満足度を聴取したものである。
 年に1回、直近1年以内に金融機関もしくはEC・通販サービスにおいて、商品・サービスに関する困りごと解決や各種問い合わせ、情報収集でカスタマーセンターサポート1 を利用した人2を対象に、「コールセンター」、「オペレーターによるチャットサポート(有人チャット)」、「自動応答によるチャットサポート(チャットボット)」、「メール問い合わせ/問い合わせフォーム」、「FAQ(よくある質問)ページ)」の利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにする調査。今回で金融業界編は5回目、EC・通販業界編は4回目の実施となる。
 なお、EC・通販業界編では、昨年まで「総合ECサイト」「テレビ通販」「カタログ通販」の3業態を対象にしていたが、今年は「総合ECサイト」「テレビ通販」の2業態のみを対象としている。
 カスタマーセンターサポートにおいてチャットサポートが浸透しつつあるが、特に自動応答によるチャットサポート(AIチャット含む、以下「チャットボット」)の導入が各社で進んでいる。
 本調査でも、直近の問い合わせ窓口としてチャットボットを利用した割合は、金融業界で11%、EC・通販業界で13%と、それぞれ1割を超えた。特に若年層(20-30代)では、チャットボットの利用率が2割近くに達し、他の年代を大きく上回った。加えて、同じ用件で一度でもチャットボットを利用した割合は金融業界、EC・通販業界共に全体で約3割となり、チャットボットがカスタマーセンターのチャネルとして存在感を高めていることがうかがえる。
 一方で、高年層(60-70代)では依然としてコールセンターが主要チャネルとして定着しており、特に金融業界においては直近で利用したチャネルのうち7割以上を占めた。
 金融業界におけるチャットボットの満足度は、コールセンターや有人チャットに比べて低く、とりわけ高年層で顕著に低くなっていることが明らかになった。
 総合満足度を構成する全4ファクターのうち、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」や「問題の解決や対応に要した時間」に対する評価が高年層で低く、チャットボット利用時の経験として「提示された回答の情報量が不十分」や「自分が次に何をするべきかの説明が不明確」と感じた割合が若年層に比べ約10ポイント高かった。高年層ではチャットボットを利用しても十分な回答が得られず、時間もかかるため、低い満足度にとどまる傾向があることがうかがえる。
 本調査では、今後の問い合わせ時に最も優先的に利用したいチャネルについても尋ねているが、金融業界の結果を見ると、全体的には「直近で利用したチャネル」と同じチャネルが選ばれる傾向が見られた。しかし、チャットボットを利用した高年層で見ると、今後も最優先で利用したいチャネルとしてチャットボットを選ぶ割合が全体よりも低く(チャットボット利用者全体:34%、高年層:23%)、逆にコールセンターを選ぶ割合が全体よりも高く(チャットボット利用者全体:17%、高年層:30%)チャットボットを上回る結果となった。
 今後も各企業は生成AIの進歩を背景に、自己解決型チャネルへのシフトを進めると予測される。チャットボットは若年層を中心に浸透し、カスタマーセンター戦略に欠かせない存在となっている。しかし高年層では依然としてコールセンター利用が主流であり、チャットボットを利用した一部の高年層は次回利用を敬遠してしまう様子がうかがえた。
 いつでも手軽に利用できることがチャットボットの利点であるが、高年層は明確で丁寧な説明も重視すると考えられる。そのため、満足度向上のためには、利用者の理解度に応じたサポート強度の調整、回答の正確性やナビゲーションの改善といった機能向上に加え、チャットボットでの解決が難しい場合におけるコールセンターや有人チャットへのシームレスな切り替え機能の強化といった取り組みが期待される。
 総合満足度ランキングは下記の通り。
【金融業界】
<全国系銀行部門>(対象5ブランド)
第1位:りそな銀行(722ポイント)
「利用のしやすさ」、「問題の解決や対応に要した時間」の2ファクターで最高評価。
第2位:みずほ銀行(719ポイント)
第3位:三井住友銀行(716ポイント)

<ネット銀行部門>(対象5ブランド)
第1位:ソニー銀行(739ポイント)
5年連続の総合満足度第1位。「利用のしやすさ」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」、「問題の解決や対応に要した時間」の全4ファクターで最高評価。
第2位:auじぶん銀行(718ポイント)
第3位:PayPay銀行(700ポイント)

<対面証券部門>(対象5ブランド)
第1位:野村證券(745ポイント)
「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」、「問題の解決や対応に要した時間」の3ファクターで最高評価。
第2位:三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SMBC日興証券(同スコア、740ポイント)

<ネット証券部門>(対象5ブランド)
第1位:松井証券(715ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。「利用のしやすさ」、「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」の2ファクターで最高評価。
第2位:三菱UFJ eスマート証券(旧 auカブコム証券)(713ポイント)
第3位:楽天証券(707ポイント)

<生命保険会社部門>(対象11ブランド)
第1位:メットライフ生命(752ポイント)
「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」、「問題の解決や対応に要した時間」の3ファクターで最高評価。
第2位:オリックス生命、ソニー生命(同スコア、747ポイント)

<代理店系損害保険会社部門>(対象4ブランド)
第1位:三井住友海上火災保険(749ポイント)
「利用のしやすさ」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」の3ファクターで最高評価。
第2位:東京海上日動火災保険(748ポイント)

<ダイレクト系損害保険会社部門>(対象7ブランド)
第1位:ソニー損害保険(782ポイント)
5年連続の総合満足度第1位。「利用のしやすさ」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」、「問題の解決や対応に要した時間」の全4ファクターで最高評価。
第2位:SOMPOダイレクト損害保険(762ポイント)

<クレジットカード会社部門>(対象11ブランド)
第1位:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(786ポイント)
5年連続の総合満足度第1位。「利用のしやすさ」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」、「問題の解決や対応に要した時間」の全4ファクターで最高評価。
第2位:JCB(720ポイント)
第3位:三菱UFJニコス(715ポイント)

【EC・通販業界】

<総合ECサイト部門>(対象5ブランド)
第1位:ヨドバシ・ドット・コム(741ポイント)
4年連続の総合満足度第1位。「利用のしやすさ」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」、「問題の解決や対応に要した時間」の全4ファクターで最高評価。
第2位:au PAY マーケット(698ポイント)
第3位:Yahoo!ショッピング(695ポイント)

<テレビ通販部門>(対象4ブランド)
第1位:ジャパネットたかた(773ポイント)
2年連続の総合満足度第1位。「利用のしやすさ」、「用件に対し提供された情報や回答内容の適切さ」、「説明の丁寧さ/応対の丁寧さ」、「問題の解決や対応に要した時間」の全4ファクターで最高評価。

〔2025/10/2〕HDI-Japan主催「HDI格付けベンチマーク」2025年【ポータブル電源業界】の格付け結果を発表

 サポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体HDIの日本拠点HDI-Japan(運営:シンクサービス、本社:神奈川県川崎市、山下辰巳社長)は、同社が主催する「Webサポート/問合せ窓口格付け」の2025年【ポータブル電源業界】の調査結果を発表した。

ポータブル電源業界 Webサポート格付け結果(調査対象:下記9社)
・三つ星:アンカー・ジャパン(Anker)、PECRON JAPAN
・二つ星:イーノウ・ジャパン(EENOUR)、EcoFlow Technology Japan、ALLPOWERS、Jackery Japan、JVCケンウッド(Victor)、G.Oホールディングス(PowerArQ)、BLUETTI JAPAN
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし

ポータブル電源業界 問合せ窓口格付け結果(調査対象:下記9社)
・三つ星:JVCケンウッド(Victor)
・二つ星:アンカー・ジャパン(Anker)、EcoFlow Technology Japan、Jackery Japan、G.Oホールディングス(PowerArQ)、BLUETTI JAPAN、PECRON JAPAN
・一つ星:イーノウ・ジャパン(EENOUR)、ALLPOWERS
・星なし:該当なし
 Webサポートは、三つ星2社、二つ星7社という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。ポータブル電源業界は2024年全業界平均と比べて、複数のセルフヘルプ選択肢を除き、その他の項目が低評価となっている。
 Webサポートで高評価のところは、検索機能が充実しており、目的の情報に速やかにアクセスできる。画像などを用いて利用シーンを具体的にイメージできる。製品の診断機能や用語解説も充実しており、安心して利用できる。一方低評価のところは、情報量が多く検索に手間がかかる。メールやチャットの利用に個人情報の入力が必要で気軽に問合せできず、具体的な情報を得にくい傾向にある。
 問合せ対応は、三つ星1社、二つ星6社、一つ星2社という結果で星なしは該当がなかった。ポータブル電源業界は2024年全業界平均と比べて、すべての項目が下回る結果となっている。
 クオリティで高評価のところは、顧客の話を丁寧に聞き、スムーズな意思疎通が図られている。積極的に質問を重ねることで要望を深く理解し、利用シーンに即した案内を行うことで納得感のある対応を実現している。一方低評価のところは、要望の理解が不十分なまま対応が進み、顧客が求める情報が不足している。顧客への配慮や寄り添いが弱く、関係構築に至らない傾向がある。
 パフォーマンスで高評価のところは、問合せチャネルが豊富で顧客が都合に合わせて選択できる。要望やニーズの理解がはやく、具体的かつ的確な情報が提供され顧客の判断を支援するサポートを提供している。一方低評価のところは、質問に対する回答はあるものの、情報量が多すぎて顧客が十分に理解し情報を活用できないことや、具体的な提案が少なく利便性を感じられないまま問合せを終えることがある。

〔2025/10/1〕日本コンタクトセンター協会、公式認定「コンタクトセンター カスタマーハラスメント対策推進企業認定制度」を開始

 一般社団法人日本コンタクトセンター協会は、2025年10月1日より「コンタクトセンター カスタマーハラスメント対策推進企業認定制度」を開始した。
 本制度は、日本のコールセンター業界で初めて、カスハラ対策に主体的に取り組む企業を認定する新たな仕組み。
 対象は同協会の会員企業で、責任者の選任、基本方針の公開、相談窓口の設置など、9項目の誓約が条件となる。
 本認定を受けた企業には「認定マークの付与」「公式サイトでの掲出」「相談対応」に加え、今後は「勉強会への参加」や「調査結果の共有」などの活動も予定している。また、認定料や更新料は無料。
 日本コンタクトセンター協会が主導する企業横断的な取り組みにより、従事者が安心して働ける職場環境の整備と、顧客にとって健全で信頼できるコールセンターの実現を目指す。
 認定制度創設の経緯同協会では2024年度からカスタマーハラスメント対策に本格的に取り組み、まず実態把握のために会員企業50社・従業員約2,500名を対象にアンケートを実施した。その結果、およそ7割の方がカスハラを経験していることが明らかになった。必要な対策としては、「法律・条例による防止」「消費者への啓発活動」に加え、「企業としての姿勢を明確に示すこと」を求める声が多く寄せられた。
 こうした声を踏まえ、2025年3月12日に「コンタクトセンター/コールセンターにおけるカスタマーハラスメント対策ガイドライン」を策定・公開した。このガイドラインでは、カスハラの判断基準や具体的な対処法、企業がとるべき対応などを提示しており、公開から半年で600名を超える方に活用されている。
 しかし、従業員をカスハラから守るためには、ガイドライン策定だけでは不十分だ。継続的な普及・啓発が欠かせない。そこで、その効果的な取り組みの1つとして「コンタクトセンター カスタマーハラスメント対策推進企業認定制度」を創設し、開始した。
 認定企業(順不同)制度開始に先立ち、事前に認定された会員企業は次の15社。
ベルシステム24ホールディングス、トランスコスモス、ビーウィズ、NTT東日本サービス、アルティウスリンク、東京ガスカスタマーサポート、TMJ、TETRAPOT、JPツーウェイコンタクト、ベルテック、ウィズ・プランナーズ、博報堂コネクト、東通メディア、AAAコンサルティング、アイビーシステム。

〔2025/9/30〕アルティウスリンク、「企業とお客様とのコミュニケーション実態2025」レポート発行

 アルティウスリンク(本社:東京都渋谷区、若槻肇社長)は、「自分で選定・購入・利用している商品・サービス」がある20~79歳の男女3,000人を対象とした消費者のペイン(困りごと)発生時の行動と問合せ時の不満・ストレス傾向をテーマにした「企業とお客様のコミュニケーション実態2025年版」を2025年9月30日に発行した。
URL:https://www.services.altius-link.com/download/report/communication2025/?inquiryType=report_communication2025
 8年目となる本調査では、性別や年代別に消費者のペイン発生時の行動やチャネル利用意向、問合せ時の不満・ストレス傾向を分析し、最新の消費者行動の実態や企業のコミュニケーションの在り方を解説している。
 困りごとがあった場合、約8割が「自己解決を試みた」と回答する一方で、実際に問合せをした人は全体の半数にとどまり、自己解決できなければ諦める層が一定数いることがわかった。
 問題が発生した際に利用したい解決方法では、半数以上の人が公式サイトのFAQや商品ページなどの参照チャネルを選択しており、参照チャネルの利用意向の高さが伺える。しかし、問合せ前に不満を感じるポイントとして、「FAQやチャットボットで解決方法が見つからない」を選択した人が5割を占める。消費者が容易に自己解決できるように参照チャネルを充実化することが重要だと言える。
 カスタマーサポートを利用した際に、不満を感じた経験があると回答した人は全体の約8割を占め、いずれの性別・年代でも不満・ストレスを経験していることがわかった。そのうち、65%以上の人が購入・利用を見合わせたと回答し、カスタマーサポートでの対応が購買行動に影響を与えていることが伺える。
 企業はカスタマーサポートが購買行動に与える影響を理解し、不満を感じる要因を理解したうえで、離脱を防ぐ施策を講じる必要がある。
 企業に対して「意見を伝えたことがない」人は全体の3割以上で、消費者の6割が「お客様の声」を伝えた経験があり、若年層ほど積極的にフィードバックする傾向が見られた。企業は、店舗、コールセンター、メールなど多様なフィードバック手段を通じて、消費者が意見を伝えやすい環境を整えることで、お客様の声をより多く収集することが期待される。
 こうしたお客様の声をデータとして活用・分析し、消費者の潜在的なニーズにアプローチしていくことが、CX向上につながると考えられる。

〔2025/9/4〕HDI-Japan主催「HDI格付けベンチマーク」2025年【証券業界】の格付け結果を発表

 サポートサービスにおける世界最大のメンバーシップ団体HDIの日本拠点HDI-Japan(運営:シンクサービス、本社:神奈川県川崎市、山下辰巳社長)は、同社が主催する「Webサポート/問合せ窓口格付け」の2025年【証券業界】の調査結果を発表した。

証券業界 Webサポート格付け結果(調査対象:下記12社)
・三つ星:SMBC日興証券、SBI証券、GMOクリック証券、大和証券、東海東京証券、野村證券、松井証券、みずほ証券、三菱UFJ eスマート証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、楽天証券
・二つ星:岡三証券
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし

証券業界 問合せ窓口格付け結果(調査対象:下記12社)
・三つ星:SMBC日興証券、SBI証券、東海東京証券、野村證券、松井証券、みずほ証券、三菱UFJ eスマート証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、楽天証券
・二つ星:岡三証券、GMOクリック証券、大和証券
・一つ星:該当なし
・星なし:該当なし
 
 Webサポートは、三つ星11社、二つ星1社という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。証券業界は2024年全業界平均と比べてすべての項目が高く、特に複数のセルフヘルプ選択肢が高評価となっている。
 Webサポートで高評価のところは、顧客が理解を深められる工夫がある。情報が見やすく整理されており、商品のメリット・デメリットもわかりやすく解説するなど利用しやすい。セルフヘルプ選択肢を活用することで、プラスの情報や知識も得られ運用への関心も増す。セキュリティ対策も明確で顧客の金融リテラシーを高める案内は安心感があり、企業への信頼につながっている。一方評価が伸び悩んだところは、サービスや商品の詳しい情報が不足気味。
 問合せ対応は、三つ星9社、二つ星3社という結果で、一つ星、星なしは該当がなかった。証券業界は2024年全業界平均と比べて放棄率以外のすべての項目が高く、特に困難な対応が高評価となっている。
 クオリティで高評価のところは、礼儀正しく温かみがあり親身に対応しているので安心感を与えている。早い段階で関係構築を図り、顧客に合わせわかりやすく説明しプロらしい柔軟性が際立っている。顧客1人ひとりに真摯に向き合い感情を受け止めてサポートしているので、自然と信頼関係を築けている。一方評価が伸び悩んだところは、担当者により一方的な進め方になったり、消極的な対応にとどまったりと対応にばらつきが見られる。
 パフォーマンスで高評価のところは、問合せチャネルを選択でき担当者にもつながりやすい。会話のテンポがよく、質問には即答しスムーズに進む。質問の意図を的確に捉えているので、説明が的を射ており顧客の時間を有効活用している。さらに追加質問を積極的に引き出し丁寧に説明しているので、顧客は一度の問合せで解決でき満足感を得ている。一方低評価のところは、曜日や時間帯によって担当者につながりにくく問合せを諦めたくなる。

〔2025/9/2〕トライベック、「顧客サポート調査2025」の調査結果から「デジタルサポート価値」ランキングを発表

 トライベック(本社:東京都港区、後藤洋社長)の調査・分析機関であるトライベック・ブランド戦略研究所は、「顧客サポート調査2025」の調査結果から「デジタルサポート価値」ランキングを発表した。「顧客サポート調査」では23分野123企業・サービスのデジタルサポートおよびコールセンターについて、利用経験者による評価を行っている(調査手法はインターネット上のアンケート調査)。
 「デジタルサポート価値」とは、企業のデジタル上でのサポートについて、利用頻度や問題解決率などから「問題解決回数」を推定し、仮にデジタル上でのサポートがなかったら発生したであろうコールセンターにおける電話対応コストとして金額換算したもので、企業側が享受した経済的メリットを示すもの。
 ランキング1位は、2年連続でヤマト運輸(宅配業者)となった。同社はWebサイト・公式アプリ・LINEを通じて、利便性の高いサポートを提供している。なかでも、トーク画面から簡単に荷物の追跡や各種手続きが行える「ヤマト運輸LINE公式アカウント」は日常的に利用するLINEを通じ、気軽で便利な配送体験を提供している。さらに顧客の意見や要望を継続的に収集し、サポートの機能や使い勝手を常にアップデートしていることが、高い問題解決率につながっているものと考えられる。
 楽天カードのデジタルサポート利用率は123社中1位となり、サポート価値を大きくけん引している。また、昨年度と比べ「トラブルの解決」を目的としたユーザーの問題解決率が改善した。この背景にはオンライン上でカードを一時的に利用停止できる機能や、利用不可の理由を確認できる機能など、ユーザーが直面する課題を迅速に自己解決できる環境づくりが進んでいることがある。ユーザーが何に困っているのかを的確に把握し、それに応じた自己解決手段をわかりやすく提供している点が、高いサポート価値に寄与していると考えられる。

〔2025/8/21〕ジェネシス、エージェンティックAIの進化が加速する最新の調査結果を発表

 ジェネシスは、企業におけるAIの統制と、消費者が安心してAIを利用するために求めている条件との間に深刻なギャップが存在することを明らかにする調査結果を発表した。調査対象となった消費者の5人のうち4人が、AIとのやり取りに関する明確な統制を求めている一方で、自社に包括的かつ全社的なAI方針や監督体制が整備されていると回答したビジネスリーダーはわずか31%にとどまった。
 本調査は、ジェネシスが独立系のリサーチ会社と連携し、10カ国以上において、消費者4,000人およびCX・IT分野の意思決定者1,600人を対象に調査を実施した。本調査は2025年6月に実施された。ビジネス回答者には、航空、自動車、銀行、政府、医療、保険、製造、メディア・エンターテインメント、プロフェッショナルサービス、小売、旅行・ホスピタリティ、テクノロジー、通信、公益事業といった業界の関係者が含まれる。
 エージェンティックAI(自律的に思考し、行動し、意思決定を行うシステム)が企業のカスタマーエクスペリエンス(CX)戦略においてより広く浸透する中、調査対象となったCXリーダーの91%が、エージェンティックAIによって、より迅速で効果的かつパーソナライズされたサービスの提供が可能になると考えている。しかし、今回のデータは複雑な現実を浮き彫りにしている。エージェンティックAIがもたらす変革の価値に対する期待は高まっている一方で、その統制体制は依然として遅れており、消費者の信頼やブランドの評判、法令遵守に対するリスクを招く可能性がある。
 調査対象となったCXリーダーの9割以上が、ブランドの評判を守る(91%)、顧客との長期的な信頼関係とロイヤルティを築く(91%)、そしてエージェンティックAIに対する消費者の安心感を高める(90%)ために、強固な統制体制が不可欠であると認識している。
 しかし、多くの企業はいまだに十分な準備ができていない。CXリーダーの約35%が、正式な統制方針が「ほとんどない」または「まったくない」と認めており、さらに懸念されるのは、統制方針を一切持たないと回答した層の28%が、それでもなお自社はエージェンティックAIの導入準備ができていると考えている点だ。
 こうした統制の欠如は、消費者の懸念とあわせて見ると、さらに深刻な問題として浮かび上がる。多くの消費者は、自身のデータがどのように利用されているかに関する透明性の欠如や、明確な監督体制が存在しないことに対して、不安を抱いている。
 実際に、AIが個人データをどのように活用しているかに関する明確な情報が、回答者の最大の関心事であることが明らかになった。さらに、消費者の37%が、AIは「ハルシネーション」、すなわち事実と異なる情報を作り出すと考えており、この見方はCXリーダーの59%にも共有されている。CXリーダーの多くは、AIのハルシネーションが顧客のロイヤルティの低下、訴訟リスク、ブランドの信頼失墜といった重大なリスクをもたらすと認識している。こうした信頼性の欠如という認識は、AI主導の体験において正確性と説明責任を担保するガードレールの必要性を、改めて浮き彫りにしている。
 リーダーが必要と認識していることと、実際に企業が実行している取り組みとの間に存在するギャップは、消費者による透明性と統制に対する明確な要求を踏まえると、特に深刻である。エージェンティックAIを大規模に導入する前に、企業はこのギャップを確実に埋めることが求められる。
 CXリーダーの81%が、エージェンティックAIに対して機微な顧客データの取り扱いを任せられると信頼している一方で、同様に感じている消費者はわずか36%にとどまっている。この乖離は、よりリスクや影響が大きい場面において一層際立つ。
 企業は、エージェンティックAIを顧客対応の中核業務に活用することに強い自信を示しており、74%が請求処理や金融取引、アカウントのセキュリティ管理において同技術の活用に前向きな姿勢を示している。しかし、消費者の反応は慎重である。送金をエージェンティックAIに任せることに「安心できる」と回答した人は35%、請求処理の対応では49%、個人情報の更新では50%にとどまった。
 それでも、今回のデータは重要な機会の存在を示している。消費者の58%が「対応が迅速かつ的確であれば、人間による対応かAIによる対応かは気にしない」と回答している。
 この結果は、カスタマーエクスペリエンス(CX)において効率性と有効性が懐疑的な見方を払拭する可能性を示唆している。ただし、それは透明性と説明責任が担保されている場合に限られる。信頼のギャップを埋め、責任ある形でイノベーションを進めるためには、企業は消費者中心のアプローチで拡張していく必要がある。


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