〔2025/11/11〕矢野経済研究所、コールセンターサービス市場/コンタクトセンターソリューション市場調査(2025年)結果を発表
矢野経済研究所(本社:東京都中野区、水越孝社長)は、国内のコールセンターサービス市場およびコンタクトセンターソリューション市場を調査し、サービス別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
2024年度の国内コールセンターサービス市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比3.5%減の1兆517億円であった。前年度に引き続き、これまで続いてきたコロナ禍を背景とした大型スポット案件(公共分野や官公庁案件)の規模縮小に伴い、市場は減少した。2024年度で大型案件はほぼ終了したと分析する。
民間企業においては、国内経済を取り巻く厳しい外部環境(生産年齢人口の減少、労働力不足、人件費高騰など)や、チャットやソーシャルメディア対応などの非コール業務が増加していることを背景に、コールセンターのアウトソーシング需要は引き続き拡大している。とくに人材不足は、業種・規模を問わず多くの企業が直面する構造的課題であり、人的資源の最適配分を図る観点から、社内業務の外部委託に対するニーズが一層高まりを示している。
2024年度の国内コンタクトセンターソリューション市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比5.0%増の4,190億円であった。
市場拡大要因としては、引き続きコールセンター事業者の人材不足や働き方改革による勤務形態の柔軟性が拡がっており、コンタクトセンターの効率化を求めるニーズが高まり、関連するコンタクトセンターソリューションが伸長している。
本調査では、生成AIが業界に及ぼす影響に焦点を当て、重点的に情報収集を行った。コールセンター業界において、生成AIは極めて大きな変革をもたらす技術として認識されており、特に大規模言語モデルは音声のテキスト化やチャットサポート業務との親和性が高く、積極的な導入が進められている。
生成AIは労働集約型ビジネスからの脱却を図る手段として位置づけられており、業務効率化、コスト削減、サービス品質の向上が期待されている。具体的には、定型業務の自動化、24時間365日対応体制の構築、顧客対応チャネルの高度化などに活用されており、オペレーターは、より複雑かつ高度な業務への対応が求められる状況にある。
将来的には、生成AIは「人の仕事を奪う」のではなく、「人の能力を補完し、新たな価値を創出するツール」として各社が位置づけており、AIと人が共存する次世代コンタクトセンターの構築を目指している。
2025年度の国内コールセンターサービス市場については、コロナ禍で続いてきた大型スポット案件がほぼ終了したことに伴い、前年度並みで推移するものと予測する。
国内コンタクトセンターソリューション市場は、2025年度以降も着実に伸長していくと予測する。労働人口の減少に伴うオペレーター不足が深刻化し、従来オペレーターが担ってきた業務がシステム化されていく。そのため、電話以外のチャネルやCRMなどデータ活用の領域も含めたシステム投資を前提に、市場規模は拡大していくものと予測する。