〔2026/5/29〕矢野経済研究所、コールセンターサービス事業者が提供するAIサービス市場の調査を実施(2026年)

 矢野経済研究所(本社:東京都中野区、水越孝社長)は、国内のコールセンターサービス事業者のAIサービスについて調査を実施し、市場規模および市場動向に関して明らかにした。
 コールセンターサービス事業者が提供するAIサービスの市場は、コロナ禍の発生時に、感染防止を目的にオペレーターの稼働人数を減らす必要があったため、オペレーター業務の自動化ニーズが高まり、市場は大きく成長した。 2023年度は、コロナ禍における行動制限などは緩和されたものの、オペレーター人材が不足した状態であったため、オペレーター業務の自動化ニーズは引き続き拡大した。またテレワークが定着したことで、顧客からの接点が多様化し、コールセンターにおいてもWeb、ソーシャルメディアなどの非接触チャネルにて顧客と接するケースが増加したため、それらのチャネルと親和性の高いAIサービスに対するニーズが拡大した。​2024年度は、生成AIの急速な普及により、コールセンター業務においてもAIの活用による業務効率化を求める企業が増加し、コールセンター事業者が提供するAIサービスの利用が拡大した。そのため、2024年度のコールセンターサービス事業者が提供するAIサービス国内市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比150.0%の90億円へと拡大した。
 一般企業のコールセンター部門の勤務者に対してアンケートを実施したところ、「生成AI活用サービス」の導入状況は全体として「導入している」が19.0%、「導入していないが、導入の予定はある」が30.0%であった。
​ コールセンターにおけるメイン業務別に見た場合には、「導入している」は「受注センター」が若干高く35.3%であった。「導入していないが、導入の予定はある」については「ヘルプデスク」「問い合わせ対応」「営業アウトバウンド」が33%~34%台と高かった。一方「リサーチアウトバウンド」は6件中5件が「導入しておらず、導入の予定もない」と関心が低いことがうかがえる。
 またコールセンターの総席数別で見ると、総席数「100席以上」と比較的規模が大きい方が「導入している」の割合が若干高かった。一方「99席以下」の中~小規模では半数以上が「導入しておらず、導入の予定もない」と回答した。
 2025年度以降については、AIがさらに進化し、対話内容の自動要約・記録などといったオペレーター業務の負荷を軽減するだけではなく、感情分析により満足度をリアルタイムで把握しながら顧客に対応するなど、AIの対応範囲がサービス品質の向上にも拡がってきているため、今後AIサービスはコールセンター業務においてさらに活用が進むと予測する。
 また今後は、現在生成AIをコールセンターのフロント業務において活用する際に問題となっているハルシネーションのリスクを管理する手法が確立されてくれば、AIサービスの導入はさらに増加していくことになると考える。
 以上のことから、コールセンターサービス事業者が提供するAIサービス国内市場規模(事業者売上高ベース)は、2023年度から2029年度までの年平均成長率(CAGR)が31.7%で推移し、2029年度の同市場規模は313億円に達すると予測する。


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