〔2022/2/28〕モビルス、「お客さま窓口の利用実態調査2022」を発表

 モビルスは、顧客サポートを進化させるテクノロジー「SupportTech(サポートテック)」の調査・普及を行う「Mobilus SupportTech Lab」の取り組みとして、「お客さま窓口の利用実態」について、全国の男女643人を対象に調査した。また、本調査結果と2021年版、2019年版のモビルス調査との比較も行っている。調査結果は、https://mobilus.co.jp/lab/report/customer-support-report2022/。
 主な調査トピックスは、以下のとおり。
(1)お客さま窓口に問い合わせする際に、最もよく使う手段は、2人に1人がノンボイスを選択。電話は32%。
(2)チャットで問い合わせをした経験がある人は、7割以上と4年間で約2倍に。20~30代は8割以上、60歳以上も半数以上が経験あり。
(3)8割以上がチャットでの問い合わせの便利さを実感。「場所や時間を選ばない」「待たされない」「気を使わなくて良い」が理由。
(4)消費者の9割が、窓口対応が企業のブランドイメージや購買意志に影響すると回答。約6割が、対応に満足して購買・利用継続を決めた経験あり。
(5)「簡単に」「いつでも」問い合わせができ「解決すること」を、人による対応より優先する傾向。ただし、感動体験として印象に残るのは、丁寧な人ならではの対応。
 本調査の結果、チャットでの問い合わせ経験をしたことがある人は71.7%と年々増加し、4年間では約2倍に増えていることがわかった。さらに、チャットでの問い合わせ経験がある人の中で、80.3%の人が、「チャットでの問い合わせは便利」だと回答している。「時間や場所を選ばず、自分の都合に合わせて問い合わせができる」「すぐつながり、待たされない」「電話や対面と比べて気を使わなく良いので、気持ちが楽」「テキストとして記録に残るので見返しやすい」といった、チャットならではの利点を感じているようだ。
 「チャットでの問い合わせで不満を感じたこと」としては、「話がかみ合わず解決に至らなかった」「チャットで対応できる範囲が少なかった」「解決できない場合、そのままチャットで人に対応してほしかった」といった声も上がっている。チャットでの問い合わせが広がっているからこそ、さらに活用の幅を広げるためには、チャットならではの特性を活かしつつ、チャットボットと人の連携や、チャットでの対応範囲の拡大が必要になってくるのではないだろうか。
 「問い合わせをする際に、企業に最も求めることは何か」優先順位を聞いたところ、「問題が解決すること」「簡単に問い合わせができること」「いつでも問い合わせができること」が上位であった。この結果から、「なるべく人に対応してほしい」「丁寧に親身に対応してほしい」といったことより、「簡単に・いつでも問い合わせができ、問題が解決すること」の方が優先順位が高く、問い合わせ窓口を設計する際には、「いかに顧客労力を下げるか」が重要なポイントになってくると考えられる。
 一方で、「お客さま窓口の利用経験」として「良かった経験」を聞いたところ、「要望をくみ取ってくれて、丁寧に親身に対応してくれた」「聞いたこと以上の情報を教えてくれた」「意図をくみ取ってくれた」「解決はしなかったが丁寧な対応で信頼できた」といった「人ならでは」の良さが感動経験に繋がっていることがわかった。
 複数チャネルの導入や手続きの自動化などは、顧客労力を下げることだけでなく、企業側が「人にしかできない対応」に注力でき、結果的に「顧客の満足度の向上」「感動体験」にも繋がるのではないだろうか。
 「お客さま窓口へ問い合わせを行う際に、最もよく使う手段」は、「問い合わせフォーム(31.3%)」「メール(14%)」「チャット(10.3%)」と、半数以上の人が「ノンボイス(音声対話以外)」チャネルでの問い合わせを選択していた。単体のチャネルとしては「電話」が32.4%と最も多く、緊急度の高い内容など電話での問い合わせニーズもなくなってはいない。
 「問い合わせを行った際に、不満に思たこと」として、「担当者に繋がらない・待たされる」「通話料がかかる」「解決に時間がかかる」「たらい回しにされる」といった声が上位であった。「(急ぎではないけど電話番号を見つけたから)とりあえず電話する」「電話をかけたが自動音声対応だった。SMSでチャットボットのURLが送られてきたので、チャットボットを確認したが、解決せず結局また電話をかけることに…」など、最適なチャネルにたどり着かずに、電話が繋がりにくくなる、たらい回しにされるといったことが起きかねない。
 用途に応じた複数チャネルの活用だけでなく、顧客が最適なチャンネルへ最短でたどり着き解決できるような、導線設計が重要だと考えられる。


PAGE TOP