〔2011/3/28〕富士キメラ総研、コンタクトセンター国内市場の調査結果を発表。主流のSI型、2015年度は、2010年度比30%増、SaaS型、中小規模に需要同74%増

 富士キメラ総研は、コンタクトセンターの国内市場を調査した。その結果を報告書「コンタクトセンタ市場徹底総調査 2011」にまとめた(本調査の市場見込・予測では、東北地方太平洋沖地震による影響は考慮していない)。
この調査では、コンタクトセンターシステム構築市場とコンタクトセンターアウトソーシング(テレマーケティング事業)市場の現状を分析し今後を予測したほか、システム構築関連製品(11品目)市場とSaaS型サービス(2品目)市場を詳述した。さらに、参入企業事例(26社)も盛り込み、コンタクトセンター市場の全体像を捉えた。
2010年度のコンタクトセンターシステム構築市場(以下、システム構築市場)は、前年度比6.9%増の4940億円が見込まれる。リーマンショック後の2009年度は投資抑制の影響を受け縮小したものの、2010年度に入り投資を再開する企業が増えており、今後も年率5%前後で市場拡大が予測される。2015年度は、2010年度比30.0%増の6420億円が予測される。
SI型は、システム構築市場において最も規模が大きい。100席以上の大規模コンタクトセンターを所有する金融業や通信業、大手のアウトソーサー、新設・拡張を積極的に進めている通信販売事業者(流通業)など向けの市場が大きい。中でも大規模コンタクトセンタを有する企業は、事業に合わせたカスタマイズへの要望が強く需要が多い。
一方、SaaS型(サービス提供、保守・運用も含む)は、100席未満の中小規模コンタクトセンターを中心に導入が増加している。カスタマイズをそれほど要しない中小規模コンタクトセンターでは、低コストでシステムを構築できることが魅力となっている。また、100席以上の大規模コンタクトセンターでも導入され始めている。
システムアウトソーシング(保守・運用も含む)は案件数こそ少ないものの、1契約当たりの契約単価が高く、金額ベースでの市場規模が拡大している。金融業などでコンタクトセンタの統合に併せて利用する事例もあり、自社で資産の所有を望まないユーザーの需要が徐々に増えている。
保守・運用(SI型のみ)は、ハードウェアでは契約を継続するユーザーが多い一方で、ソフトウェアでは契約期間終了後も再締結せずに利用し続けるユーザーが多いことから、再締結をいかに増やすかが課題と言える。


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