〔2025/6/19〕RightTouch、東京科学大学とAIを活用した「問い合わせ予測」に関する共同研究を開始

 RightTouch(本社:東京都港区、野村修平/長崎大都社長)は、東京科学大学と共同でAIを活用した「問い合わせ予測」に関する研究を開始した。この研究では、Web行動データと顧客の声(VoC:Voice Of Customer、以下、VoC)データを活用し、カスタマーサポート領域におけるAI活用の推進と顧客体験(CX:Customer Experience)の向上を目指す。
 昨今、カスタマーサポート領域ではAI活用が急速に進んでいる。しかし、その多くは問い合わせ後の対応効率化やFAQの自動生成といった、企業内の業務改善にとどまっており、顧客体験そのものに変化をもたらす取り組みはまだ限られている。
 一方で、顧客体験の向上という観点では、問い合わせを行わずに離脱してしまう顧客である「サイレントカスタマー」への対応はカスタマーサポート業界の課題として注目されている。従来は、こうした顧客の存在を把握する手段が乏しく、適切なサポートを提供することが困難であった。サイレントカスタマーの増加は、顧客離れや売上減少、さらには商品・サービス改善の機会損失といった課題を引き起こす。こうした背景からも、彼らの課題をいち早く察知し、支援につなげる仕組みの構築は、業界にとって極めて重要なテーマとなっている。
 RightTouchはカスタマーサポート領域に特化したSaaSを提供しており、これまで4つのプロダクトと生成AI機能群をリリースし、顧客体験向上や業務フロー最適化を支援している。複数のプロダクトにより、VoCや問い合わせ前の顧客Web行動、企業ナレッジなどのデータを一元的に管理・連携し、従来分断されていた顧客接点やワークフローをデータでつなぐことで、これまでカスタマーサポートが抱えていた課題に対し、より深い課題解決や価値創出を実現している。
 今回の研究では、顧客のWeb行動データとVoCデータを統合的に分析し、問い合わせ前の段階で顧客の課題を予測・検知できるアルゴリズムの開発および、実サービス上での有効性の検証を行う。
 この研究により問い合わせ前の段階で顧客の課題を予測検知できれば、これまで以上に自己解決を促進し、顧客体験のさらなる向上が期待できる。加えて、これまでサポートが難しかった、サイレントカスタマーの救済にも繋がる。
 従来、RightTouchでは、Web行動データをもとに、問い合わせ前の要因分析や、顧客の困りごとに応じた解決策や最適な解決窓口の提案を手動で行ってきた。
 本研究により、問い合わせ発生前の顧客課題を広範囲に自動で検知できるようになるとともに、それに応じた施策も自動で幅広く展開できるようになる。これにより、顧客の自己解決促進の質とスピードがさらに向上することが期待される。
 東京科学大学 総合研究院 デジタルツイン研究ユニット 藤澤研究室(藤澤 克樹教授)は、数理・計算科学の最新技術による超スマート社会の実現を目指し、さまざまな企業と共同研究を実施している。
 藤澤研究室は数理最適化・機械学習を得意とし、今回、カスタマーサポートデータの解析と困りごとに応じた解決策や最適チャネルの自動提案を行っていきたいRightTouchの方針が合致し共同研究を開始することになった。この連携により、顧客のWeb行動データとVoCを統合的に解析し、FAQクリック率や自己解決率を高めるモデルの研究開発および社会実装が期待される。
 複数プロダクトで得た顧客のWeb行動ログとVoCを統合解析し、問い合わせ前に潜在する「困りごと」を推測して最適な FAQ やサポートチャネルを提示するモデルを構築する。
 しかし、ログデータには「実際に提示したFAQへの反応」しか含まれておらず、提示しなかったFAQに対する反応は記録されていない。このような選択バイアスを含むデータに対し、適切なアクションを学習する方法として注目されているのが反実仮想機械学習。
 「別の案内を提示していたらクリック率や自己解決率がどう変わるか」を推定するモデルを学習し、オフラインでその妥当性を検証する。その後、オンラインA/Bテストを実施し、実サービス上でKPIの変化を確認することで、顧客体験を能動的に改善できるサポート基盤の実現を目指す。


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