〔2025/8/21〕ジェネシス、エージェンティックAIの進化が加速する最新の調査結果を発表

 ジェネシスは、企業におけるAIの統制と、消費者が安心してAIを利用するために求めている条件との間に深刻なギャップが存在することを明らかにする調査結果を発表した。調査対象となった消費者の5人のうち4人が、AIとのやり取りに関する明確な統制を求めている一方で、自社に包括的かつ全社的なAI方針や監督体制が整備されていると回答したビジネスリーダーはわずか31%にとどまった。
 本調査は、ジェネシスが独立系のリサーチ会社と連携し、10カ国以上において、消費者4,000人およびCX・IT分野の意思決定者1,600人を対象に調査を実施した。本調査は2025年6月に実施された。ビジネス回答者には、航空、自動車、銀行、政府、医療、保険、製造、メディア・エンターテインメント、プロフェッショナルサービス、小売、旅行・ホスピタリティ、テクノロジー、通信、公益事業といった業界の関係者が含まれる。
 エージェンティックAI(自律的に思考し、行動し、意思決定を行うシステム)が企業のカスタマーエクスペリエンス(CX)戦略においてより広く浸透する中、調査対象となったCXリーダーの91%が、エージェンティックAIによって、より迅速で効果的かつパーソナライズされたサービスの提供が可能になると考えている。しかし、今回のデータは複雑な現実を浮き彫りにしている。エージェンティックAIがもたらす変革の価値に対する期待は高まっている一方で、その統制体制は依然として遅れており、消費者の信頼やブランドの評判、法令遵守に対するリスクを招く可能性がある。
 調査対象となったCXリーダーの9割以上が、ブランドの評判を守る(91%)、顧客との長期的な信頼関係とロイヤルティを築く(91%)、そしてエージェンティックAIに対する消費者の安心感を高める(90%)ために、強固な統制体制が不可欠であると認識している。
 しかし、多くの企業はいまだに十分な準備ができていない。CXリーダーの約35%が、正式な統制方針が「ほとんどない」または「まったくない」と認めており、さらに懸念されるのは、統制方針を一切持たないと回答した層の28%が、それでもなお自社はエージェンティックAIの導入準備ができていると考えている点だ。
 こうした統制の欠如は、消費者の懸念とあわせて見ると、さらに深刻な問題として浮かび上がる。多くの消費者は、自身のデータがどのように利用されているかに関する透明性の欠如や、明確な監督体制が存在しないことに対して、不安を抱いている。
 実際に、AIが個人データをどのように活用しているかに関する明確な情報が、回答者の最大の関心事であることが明らかになった。さらに、消費者の37%が、AIは「ハルシネーション」、すなわち事実と異なる情報を作り出すと考えており、この見方はCXリーダーの59%にも共有されている。CXリーダーの多くは、AIのハルシネーションが顧客のロイヤルティの低下、訴訟リスク、ブランドの信頼失墜といった重大なリスクをもたらすと認識している。こうした信頼性の欠如という認識は、AI主導の体験において正確性と説明責任を担保するガードレールの必要性を、改めて浮き彫りにしている。
 リーダーが必要と認識していることと、実際に企業が実行している取り組みとの間に存在するギャップは、消費者による透明性と統制に対する明確な要求を踏まえると、特に深刻である。エージェンティックAIを大規模に導入する前に、企業はこのギャップを確実に埋めることが求められる。
 CXリーダーの81%が、エージェンティックAIに対して機微な顧客データの取り扱いを任せられると信頼している一方で、同様に感じている消費者はわずか36%にとどまっている。この乖離は、よりリスクや影響が大きい場面において一層際立つ。
 企業は、エージェンティックAIを顧客対応の中核業務に活用することに強い自信を示しており、74%が請求処理や金融取引、アカウントのセキュリティ管理において同技術の活用に前向きな姿勢を示している。しかし、消費者の反応は慎重である。送金をエージェンティックAIに任せることに「安心できる」と回答した人は35%、請求処理の対応では49%、個人情報の更新では50%にとどまった。
 それでも、今回のデータは重要な機会の存在を示している。消費者の58%が「対応が迅速かつ的確であれば、人間による対応かAIによる対応かは気にしない」と回答している。
 この結果は、カスタマーエクスペリエンス(CX)において効率性と有効性が懐疑的な見方を払拭する可能性を示唆している。ただし、それは透明性と説明責任が担保されている場合に限られる。信頼のギャップを埋め、責任ある形でイノベーションを進めるためには、企業は消費者中心のアプローチで拡張していく必要がある。


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