〔2026/3/23〕モビルス、第6回目となる「お客さま窓口の利用実態調査2025-2026」結果を発表
モビルスは、CX(顧客体験)向上を支援するテクノロジーの調査・普及を行う「CX-Branding Tech. Lab」の取り組みとして、企業のお客さま窓口に問い合わせをしたことがある、全国の男女765人を対象に第6回目となる「お客さま窓口の利用実態調査2025-2026」を実施した。調査結果の詳細:https://mobilus.co.jp/lab/research/customer-support-report/
調査の結果、問い合わせをした際に回答を得られるまでの許容時間について、約4割が「5分未満」と回答した。年代別では、10~30代で短時間での解決を望む傾向が見られた一方、40代以上では「なるべく人が対応してくれること」を最も重視するなど、世代によって窓口に求める価値が異なることが分かった。
また、お客さま窓口の対応が商品やサービスの購入・利用に影響したことがあると回答した人は66.8%にのぼり、約7割が窓口対応を購買判断に反映している実態も明らかになった。不満の最多項目は「つながらない・待たされる」であり、待機時間や解決までのストレスが顧客体験(CX)に大きく影響していることが示されている。
デジタル窓口の利用が世代を超えて浸透する一方で、「人による対応」を求める声も根強く存在している。こうした背景から、迅速な対応と人ならではの判断・共感を両立するAIと人のハイブリッドなCXの仕組み構築の重要性が、高まっていると考えられる。
労働人口の減少が進む中、お客さま窓口では採用難によるオペレーターの人材不足が深刻な課題となっており、業務の効率化や負担軽減が急がれている。商品・サービスに関する問い合わせに対応する窓口の現場では、時に過度な要求や厳しい言葉を受けるケースもあり、オペレーターの精神的負担の増大や離職を招く要因となっている。企業には、利用者の利便性を高めて満足度を向上させる取り組みと、現場オペレーターの負担を軽減させる取り組みの両立が求められている。
このような背景から、モビルスでは、お客さま窓口における利用実態や要望を明らかにすることで、窓口への不満といったカスタマーハラスメント(カスハラ)につながる要因や未然に防ぐための解決策を探り、利用者と企業の双方がより良いコミュニケーションや関係性を築くためのあり方を考えることを目的に調査を実施した。
本調査は2019年に開始し、今回で6回目となる。過去の調査結果との比較を通じ、お客さま窓口利用に関する最新の推移と傾向を分析している。
問い合わせをした際、求めている回答がその場で得られるまで最大どのくらい待てるか聞いたところ、「3分以上~5分未満」が最多(32.8%)であった。「3分未満」(8.8%)と合わせると4割(41.6%)が「5分未満」と回答している。
年代別では、20代(40.7%)・30代(41.7%)で「3分以上~5分未満」との回答が多く、短時間での回答を望む傾向が見られた。
お客さま窓口に問い合わせをした際に不満に思ったことを聞いたところ、全体では、「つながらない・待たされる」(36.6%)が最多で、「問い合わせ方法・問い合わせ先がわかりにくい」(30.5%)、「解決に時間がかかる」(30.5%)が続いた。
全体で最多だった「担当者につながらない・待たされる」は、40代(41.3%)、50代(45.9%)、60代(54.5%)、70代(41.4%)と年代が上がるに連れ高い傾向が見られた。
一方、10~30代では「解決に時間がかかる」が最多となり(10代33.0%、20代25.7%、30代31.5%)、若い世代ほど“早く解決すること”を強く求めていることが分かった。
商品やサービスについて確認したい点やわからないことがあるときの行動を聞いたところ、96.2%がお客さま窓口に問い合わせをする前に、Webサイトや付属の説明書、SNSなど何らかの方法で自己解決を試みていることが分かった。
最多は「スマホやパソコンでインターネット検索(GoogleやSafariなど)」(44.4%)で、次いで「企業やサービスの公式サポートサイト(よくある質問(FAQ)含む)」(18.6%)「付属の説明書」(15.3%)「 SNS(XやInstagram、YouTube等)」(10.5%)であった。7割以上(73.5%)が、インターネット検索や公式サイト、SNSで調べている。
お客さま窓口への問い合わせをする際に最もよく使う手段を聞いたところ、「電話」(27.1%)が最多となったものの、「問い合わせフォーム」(23.9%)、「メール」(20.8%)、「LINEや専用アプリのチャット(13.1%)」「XやInstagramなどのDM(5.2%)」を合わせると、6割以上(63.0%)の方が電話以外のノンボイスを利用していることが分かった。
チャットで問い合わせをしたことがあるか聞いたところ、全体では約7割(69.8%)が「ある」と回答した。前回調査(71.7%)と同水準で推移しており、チャットによる問い合わせは一般化していることがうかがえる。
年代別では、20代が8割超(84.1%)と最も高く、30代(75.0%)、40代(74.3%)、50代(77.5%)も7割を超えていた。また、60代も6割強(63.4%)、70代以上も約5割(49.1%)とシニア層にも浸透している。
チャットで問い合わせをしたことがある534名に、「チャットでの問い合わせは便利だと思いますか?」と聞いたところ、70.0%が「はい」と回答した。一方で前回調査と比較すると7%減少しており、利便性は評価されているものの、回答精度や運用面での改善余地が考えられる。
電話で問い合わせをした際にボイスボットで対応されたことがあるか聞いたところ、全体では6割弱(57.1%)に経験があることが分かった。年代別では、20代が7割以上(75.2%)と最も多く、30代(71.3%) も7割を超えていた。また、60代(50.0%)、70代以上(46.4%)でも約5割が経験しており、電話窓口へのAI導入も進んでいる様子が見られる。
問い合わせをする際に企業に求めることを聞くと、「なるべく人が対応してくれること」(23.3%)が最多であった。次いで「問い合わせを開始してから待ち時間が発生しないこと」(15.8%)、「Webサイトに情報が載っていること」(14.8%)となり、この上位3つで回答の5割以上を占めている。
年代別に見ると、世代ごとの違いが表れた。10代では「問い合わせ開始後に待ち時間が発生しないこと」(19.0%)が最多となり、30代では「時間帯を問わず問い合わせできること」(18.5%)が最多となっている。20代では「なるべく人が対応してくれること」「電話など音声で問い合わせできること」「時間帯を問わず問い合わせできること」が同率(15.0%)で並び、若い世代では待ち時間の少なさや時間の柔軟性を重視する傾向が見られた。
40代以上では「なるべく人が対応してくれること」が最多となり、特に60代(33.9%)、70代(34.8%)では約3人に1人が人による対応を望んでいる。70代では「電話など音声で問い合わせできること」(24.1%)も高く、音声によるコミュニケーションへのニーズが他世代より顕著であった。
また、10~40代ではチャットやボイスボットの利用希望も一定程度見られた一方、50代以上では相対的に低く、世代によって希望する問い合わせ手段に違いがあることが示された。
約7割(66.8%)が、お客さま窓口の対応によって、その企業の商品やサービスの購入や利用に影響したことがあることが分かった。影響したことがあると回答した人のうち、「対応に不満があり、その企業の商品やサービスの購入・利用をやめた」が最多で約5割(45.6%)であった。「対応に満足し、その企業の商品やサービスの購入・利用を継続している」と回答した人は約4割強(42.3%)であった。お客さま窓口の対応によって企業の商品やサービスの購入や利用に影響したことがあると回答した人は、前回調査(59.0%)から7.8%増加しており、窓口対応が購買行動に直結する重要な顧客接点であることが示された。
日常の家族や友人とのやりとりで最もよく使うコミュニケーション手段を聞いたところ、「チャット」が44.2%で最多となり、2024年の34.8%から9.4%増加した。「アプリ通話(LINEやzoomなど)」(21.2%)と合わせると6割以上を占め、デジタルツールが生活のインフラとして定着している様子がうかがえる。
一方で、「電話による通話」(13.1%)も一定数存在し、「アプリ通話」(21.2%)と合わせると34.3%が音声によるコミュニケーションを最もよく使う手段として挙げており、音声ニーズも引き続き根強いことが分かった。
本調査では、窓口対応が購買行動に直結する重要な接点であることが改めて示された。66.8%が窓口対応によって購入・利用に影響した経験があると回答しており、その影響は小さくない。
不満の最多は「つながらない・待たされる」で、4割が「5分未満」の回答を希望するなど、顧客の許容時間は短縮傾向にある。さらに96.2%が問い合わせ前に自己解決を試みていることから、窓口到達時にはすでに解決を急ぐ心理状態にある可能性も考えられる。
一方で、チャットやボイスボットの利用が広がる中でも、「人による対応」を求める声は根強く存在している。こうした状況を踏まえると、問い合わせ内容を理解し自律的に処理を行う「AIエージェント」の活用と、人ならではの判断や共感を組み合わせる“AIと人のハイブリッド設計”が、顧客満足と従業員保護の両立に向けた重要な方向性と言えるだろう。