〔2026/4/20〕トゥモロー・ネット、企業におけるAIインフラの活用状況を調査

 トゥモロー・ネット(本社:東京都品川区、李昌珍社長)は、2026年2月に実施した「2026年 企業のAIインフラ導入・運用実態調査」の結果を発表した。本調査では、社内AIインフラの導入・運用に関与するIT部門の担当者および戦略決定に関わる部門の責任者である会社員の方(1,030名)を対象に、日本企業においてAIがPoCからビジネス収益化フェーズへと移行する中でボトルネックとなっているインフラ課題を浮き彫りにすることを目的として、AIインフラの利用状況、導入・運用における課題と今後の展望についてアンケートを行った。
 AI活用の拡大を背景に、企業のAIインフラ投資は増加する見込み。今後1年間のAIインフラ投資について、「大幅に増加する」、「やや増加する」と回答した企業は70.9%に達し、約7割の企業が投資拡大を見込んでいることがわかった。この結果から、AIインフラは単なるIT基盤ではなく、企業のAI活用戦略を支える重要な経営投資として位置づけられつつあることがうかがえる。実際に、AIを活用したシステムについて、「社外向けの製品・サービスとして明確に想定している」と回答した企業は60.0%に達した。また、「将来的に検討の可能性がある」と回答した企業も31.0%に上り、9割以上の企業がAIを社内の業務効率化にとどまらず、製品・サービスとして社外へ提供する可能性を視野に入れていることがわかった。こうした動きから、AIインフラへの継続的な投資が企業競争力の重要な要素になりつつあると考えられる。
 一方で、企業のAIインフラ活用は発展途上、運用・管理を含めた包括的な設計が課題。AI活用の拡大に伴い、企業のAIインフラ整備は進みつつある一方で、その運用体制や管理手法は依然として発展途上にある実態が明らかになった。
 AIインフラの導入・運用における課題として最も多く挙げられたのは「人材面」で、25.9%であった。続いて、「コスト面」(18.9%)、「技術面」(18.5%)、「セキュリティ面」(16.2%)と続き、課題は特定の領域に限らず多層的であることがわかった。また、本調査では、情報システム部門と経営企画・DX推進などの戦略部門の回答傾向に大きな差は見られず、AIインフラに関する課題認識は部門を越えて共通していることが判明した。
 また運用面では、AIインフラのリソース効率について「満足していない」「どちらともいえない」と回答した企業が53.0%に達しており、高性能リソースを十分に活用しきれていないことがわかる。さらに、GPUなどのAIアクセラレーターのリソース状況を「部分的にしか把握できていない(19.7%)」、または「ほとんど把握できていない(7.1%)」と、正確に把握・管理できていない企業が26.8%存在しており、リソース管理の高度化が今後の重要課題と考えられる。
 加えて、AIワークロードの運用基盤として注目されるKubernetesなどのコンテナオーケストレーションツールについては、「本番環境で活用し使いこなせている」と回答した企業は16.6%にとどまった。「PoC/検証段階にある」(40.8%)、「導入したが運用負荷が高く使いこなせていない」(16.2%)といった回答も多く、AIインフラを安定的に運用するための技術・体制整備には依然として課題が残る状況が浮き彫りとなった。
 AIインフラの高性能化に伴い、物理的なインフラ環境に対する課題も顕在化している。データセンターやサーバルームの熱対策については、「深刻な課題となっている」「将来的な懸念がある」と回答した企業の合計が58.3%に達し、約6割の企業が発熱対策を課題として認識していることがわかった。
 こうした背景から、液体冷却技術への関心も高まっている。液体冷却技術の導入状況について、「導入を決定・実行している」(13.9%)、「本格的に検討中」(38.1%)と、半数以上の企業が導入、または導入を検討していることが明らかになった。
 AI処理に伴う電力消費と発熱の増大は、今後のAIインフラ運用における重要な課題であり、液体冷却をはじめとする次世代冷却技術の導入が、持続可能なAI基盤構築の鍵になると考えられる。


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