〔2013/5/27〕ミック経済研究所、CRMにおけるIT関連市場についての動向を調査結果を発表

 ミック経済研究所は、CRMにおけるIT関連市場についての動向を調査した結果をまとめたデータを発表した。本資料は、SIer、SaaSベンダー、ソフトウェアベンダーおよびPBX/ACDベンダー55社を調査し、2011年度から2013年度までのCRM関連売上の実績値と予測値をベースに市場動向を分析したもの。合わせて、2015年度までの中期予測も実施した。
 本調査では、CRM市場を「システム・アプローチ」ごとに6つのソリューション、(1)マーケティング・ソリューション、(2)セールス/サービス・ソリューション、(3)レコメンデーション・ソリューション、(4)カスタマーサービス・ソリューション、(5)ビジネスインテリジェンス・ソリューション、(6)統合ソリューション、に分類し、個々のソリューションごとに、SI中心のITソリューションおよびSaaS市場のトレンドを集計・分析している。
 CRM総市場において、SI中心のITソリューション市場は経済不況の影響で投資意欲が減退しており、また市場においてもユーザー企業の投資を喚起するような新しいソリューションも登場していないのが現状のため、伸び悩みを続けているという。
 2012年度は、コンタクトセンター向けのソリューションにおいて、リーマン・ショックの影響で延伸、凍結となっていたリプレイス案件などが、時期的に限界を向かえており、前年度の伸びを上回る伸び率で推移したものの、その多くが「単なる老朽化」や「保守期限切れ」による案件であることが多い。
 2011年度下期より、リプレイス時期に入ったことで、2012年度はここ数年では最も高い伸び率となっており、2013年度まではその影響を受けるものと予測。しかし、それ以降は現在の状況を勘案すると、新ソリューション(ソーシャルメディアやスマートフォンおよびタブレット活用など)の確立に時間を要するため、2012年度以上の伸び率には至らないものとしており、中期的には厳しい市場という。
 一方、SaaS市場については、ITソリューション市場と比べて市場規模自体はまだまだ小さいものの、クラウドの普及、そして「所有」から「利用」のトレンドにより、各分野のSaaSベンダーは、引き続き好調に売上を伸ばしており、勢いは持続しているという。
 これらの結果、2012年度のCRM総市場は、ITソリューション市場とSaaS市場を合わせて、前年度比102.2%の6,534億円と微増となった。そのうち、ITソリューション市場は前年度比101.4%の6,174億円で、CRM総市場に占める構成比は94.5%となった。一方、SaaS市場は前年度比116.5%の360億円で5.5%を占めた。よって、2015年度には上述の市場に占める構成比が変化し、ITソリューション市場のウエイトが92.9%に減少し、SaaS市場が7.1%まで高まると予測している。ミック経済研究所によれば、総市場規模は、2013年度以降、年平均成長率1.6%で推移し、2015年度には6,862億円になるという。


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