〔2013/8/14〕NECソフト、メンタルヘルスケアのための対話的なセルフケアツールを開発

 NECソフト(本社:東京都江東区、古道義成社長)は、認知行動療法研修開発センター理事長の大野裕氏との共同研究により、メンタルヘルスケアのための対話的なセルフケアツールを開発した。
 うつ病患者の増加は、社会や企業にとって大きな課題であり、その予防策が求められている。うつ症状の改善に有効である認知行動療法(CBT:Cognitive Bechavioral Therapy)は、精神療法としての有効性が報告されているが、国内でそれを正しく実践できる精神療法家の数はまだ十分とはいえない。一方、欧州を中心に、精神療法家の負担を軽減するために、軽度から中度のうつ病患者に対して、コンピュータを利用したセルフヘルプが推奨されている。これまでにも国内において、CBTの考え方に基づくWebサービスやスマートフォンアプリなどのセルフケアツールは存在したが、NECソフトでは、2011年からそれらをさらにに発展させ、CBTのスキルを用いて利用者の考えを整理する、対話的な支援機能の研究開発に取り組んできた。
 今回開発したツールは、利用者自身によるCBTの実践を、Webサービスやスマートフォンを用いて対話的に支援することを特徴とし、教育要素としてCBTの概要を学ぶとともに、CBTの代表的なスキルである「認知再構成法」「行動活性化」「問題解決技法」をセルフケアツールとして利用できる。
 ツールの主な特長は、以下のとおり。
1.スマートフォンおよびPCいずれからも利用可能
・利用者データを一元管理しているため、スマートフォンおよびPCいずれから利用しても、同
じ利用者データの閲覧/利用が可能。
2.充実したコンテンツでCBTのエッセンスの学習やセルフチェックが可能
・メンタルヘルスの基礎知識、CBTの概要、メンタルヘルスに関する最近のトピックなど学びのコンテンツが充実。
・利用者自身が気持ちや考え方を確認するための、セルフチェック機能を提供
3.対話的な支援により、CBTの適切な実践方法を学習可能
・セルフケアツールの対話型機能により、「認知再構成法」では考えの整理、「行動活性化」では行動の見直し、「問題解決技法」では問題解決能力の向上を支援。

 セルフケアツールの中でも、「認知再構成法」においては、利用者が記述する悩みや考えにどのような応答をすべきか、精神療法家のノウハウを取り入れ、また、それを模倣するために、3万語以上の悩み解析用の辞書データを用いた、独自の自然言語処理技術を活用している。同技術により、利用者の悩みや考えに対し、適切なメッセージを返答することで、利用者に悲観的な物の捉え方を見直すきっかけを与えることや、自分の考え方を客観視することを可能にし、気分の改善をもたらすことを目指している。


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