〔2015/10/1〕J.D. パワー アジア・パシフィック、2015年法人顧客向けコールセンター満足度調査IT業界編を発表

 J.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、鈴木郁社長、略称)は、2015年法人顧客向けコールセンター満足度調査<IT業界編>の結果を発表した。
 当調査は、全国の従業員規模50名以上の企業を対象に、IT業界(IT/OA機器、通信サービス、ソフトウェアなど)の法人向けコールセンターに対する満足度を調べたものである。調査初年度となる本年は、2015年7月に郵送調査を実施し、直近1年以内に法人向けコールセンターを利用した2,987社から回答を得た。なお、当調査は1回答社から最大2件のコールセンターの評価を得ているため、実際の評価件数は4,641件となっている。満足度の測定にあたっては、コールセンターの応対品質に関する6つの評価項目を設定し、その評価を基に1,000点満点で算出した。
 法人市場においてもコールセンターに対する満足度とその会社へのロイヤリティには高い相関が見られている。利用したコールセンターの会社が提供している製品・サービスを今後も利用したいと思うかという質問と、コールセンターの応対満足度の関係を見ると、コールセンターに対する満足度が1,000点満点中800点以上と非常に高い層では、7割以上が「非常にそう思う」と回答している。一方で満足度が低くなるほどその割合は低下し、満足度が500点未満と特に低い層においては、わずか2%となった。顧客フロントの一角を担うコールセンターの対応品質も企業のロイヤリティ醸成に大きく関係していることがうかがえる。
 問い合わせ対象の製品・サービス別にコールセンターの応対満足度水準を見ると、使い方や設定方法に関する質問、故障や障害・トラブル用件といった技術系問い合わせでは「コピー機(複合機)/プリンター」の評価が最も高かった。業界平均と比較すると“電話のつながりやすさ”や“問題の解決や対応に要した時間”といった項目で特に高い評価を得ている。反対に低い満足水準となったのは「インターネット接続サービス」や「固定電話/IP電話サービス」といった通信系サービスとなった。コピー機/プリンターといった製品では業界全体でトラブル受付からCE派遣までの一連のオペレーション体制が高い水準が確立されていることが伺える。また、コピー機/プリンター系事業者のコールセンターでは、“コールセンターと関連部門(保守・SE・営業など)との間で適切に連携・情報共有がされている”、“修理・故障受付後の対応が迅速”といった点での肯定的評価も相対的に多く見られている。
 一方、インターネット接続や固定電話系サービスでは、コールセンターでのやり取りの回数が1回では終わらず2回以上となってしまうケースが6割以上と多く、回線サービス特有の原因切り分けの難しさが低評価の背景にあると推察される。また、通信事業者においてはコールセンターと関連部門(保守・SE・営業など)との間での連携・情報共有状況や、修理・故障受付後の対応の迅速さについても否定的な評価が多く、担当者間・部門間での連携強化が今後の課題として挙げられる。


PAGE TOP