〔2015/11/13〕矢野経済研究所、国内ヘルプデスクアウトソーシング市場2015年の調査結果を発表

 矢野経済研究所(本社:東京都中野区、水越孝社長)では、国内のヘルプデスクアウトソーシング市場2015年の調査結果を発表した。
 ヘルプデスクアウトソーシングサービスは、パソコンやソフトウェアなどのIT 関連製品の使用方法やトラブルに関する問い合わせに対応するサービスであり、一定以上のスキルを持った人材が必要となるため、ユーザー企業での内製化が進みづらいという特徴がある。そのため、アウソソーシング事業者にヘルプデスクサービス業務を委託することが、これまでも広く行われてきた。2014 年度の国内ヘルプデスクアウトソーシング市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比101.5%の2261万7000万円と推計した。
 情報システムのコスト削減を目的に、IT アウトソーシングの導入を検討しているユーザー企業は依然として多く、アウトソーシング化の進展に合わせて、クラウドサービスやデータセンターサービスに対するサポート需要は増えている。
 一方で、顧客の社内にあるPC やクライアントサーバーシステムのサポートに対する需要は縮小トレンドにある。それは、以前に比べてPC の初期設定・操作が格段に容易になっていることやサポートの必要性が低いタブレット等の簡易設定型の端末が普及していることが顧客の社内でのヘルプデスクサービスへのニーズを減少させているためである。
 企業の従業員やシステム担当者を対象としているヘルプデスクサービスでは、オフショア化(海外の拠点に業務を委託すること)が進展しているため、サービス単価も低下している。このようなことから、企業の社内向けのヘルプデスクサービス全体としては、アウトソーシング化の進展に伴う需要の増加こそ見られるものの、微増の推移に留まると予測する。
 また、一般消費者(社外のユーザー)向けのヘルプデスクサービスでは、スマートフォンなど商品の出荷数が増えている分野では端末メーカーなどによるサービスの利用が増えている。但し、ISP(Internet Service Provider)のように新たなユーザー(契約者)の増加を見込みづらく、今後の需要増を期待しにくい分野が多い上に、アプリをはじめとしてサポートの必要性の低いサービスが増えている。このようなことから、一般消費者向けのヘルプデスクサービス全体としても、微増の推移に留まると予測する。
 こうした状況を踏まえて、国内のヘルプデスクアウトソーシング市場は、2013 年度から2018 年度までの年平均成長率(CAGR)が0.8%で推移し、2018 年度の同市場規模(事業者売上高ベース)は2319万5000万円になると予測する。


PAGE TOP