〔2025/4/3〕矢野経済研究所、コールセンターサービス事業者が提供するAIサービス市場の調査を実施
矢野経済研究所(本社:東京都中野区、水越孝社長)は、国内のコールセンターサービス事業者のAIサービスについて調査を実施し、市場規模及び市場動向に関して明らかにした。
コールセンターにおいてAIサービスの実導入が進み始めたのは2018年頃からだが、その後にコロナ禍が発生し、感染防止対策のためにオペレーターの稼働人数を減らす必要が出てきた。そのため、オペレーター業務を自動化するニーズが高まり、コールセンターサービス事業者が提供するAIサービスの市場を大きく成長させた。
コロナ禍における行動制限などが緩和されてからも、オペレーター人材が不足した状態にあったため、オペレーター業務の自動化ニーズは引き続き拡大しており、2023年度のコールセンターサービス事業者が提供するAIサービス国内市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比120.0%の60億円と推計した。
2024年も、コールセンターのオペレーター人材は不足した状態が続いていたため、オペレーター業務の自動化ニーズは引き続き拡大している。また、在宅勤務が一般的となり、企業がWebやソーシャルメディアなどの非接触チャネルでエンドユーザーと接するケースが増加したことも、それらのチャネルと親和性の高いAIサービスに対するニーズを拡大させている。
さらに、生成AIに対する注目度が急速に高まったことにより、コールセンター業務において生成AIを活用したサービスの導入を検討するユーザー企業が増加した。そうしたことから、2024年度のコールセンターサービス事業者が提供するAIサービス国内市場規模は、前年度比150.0%の90億円になると見込む。
2025年度以降についても、人材不足を背景としたオペレーター業務の自動化ニーズや、エンドユーザーとの接点多様化による非接触チャネルでの対応ニーズなどを背景に、コールセンターにおけるAIサービスの導入は引き続き増加していく見通しである。
また、現在、生成AIをコールセンターのフロント業務において活用する際に、問題となっているハルシネーションのリスクを管理する手法が今後確立されてくれば、AIサービスの導入はさらに増加していくことになると考える。
上記のようなことから、コールセンターサービス事業者が提供するAIサービス国内市場は、2022年度から2028年度までの年平均成長率(CAGR)が30.8%で推移し、2028年度の同市場規模は250億円に達すると予測する。