〔2026/10/1〕リンク、「問い合わせ窓口業務におけるカスタマーハラスメント実態調査」を実施
リンク(本社:東京都港区、岡田元治社長)は、2026年10月1日からの改正労働施策総合推進法(企業のカスタマーハラスメント対策義務化)の施行に伴い、問い合わせ窓口業務に従事する男女560名を対象に「問い合わせ窓口業務におけるカスタマーハラスメント実態調査」を実施した。
近年、顧客からの著しい迷惑行為や過度な要求といったカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)が深刻な社会問題となっている。自治体による防止条例の制定に続き、改正労働施策総合推進法の施行により、すべての事業主に従業員を守るための体制整備が求められている状況。コールセンターシステムを提供する「BIZTEL」では、問い合わせ業務を行う現場における「カスハラの発生状況」や「カスハラが現場に及ぼす影響」、さらに「なぜカスハラが発生してしまうのか」という背景から「組織的な対策の進捗」まで、法改正直前の現場の実態を明らかにするべく本調査を実施した。
全体のうち約2人に1人(47.0%)が、過去1年間でカスハラに該当すると感じた行為を受けた経験があると回答。年齢別で見ると20代では4人に3人(75.0%)がカスハラを経験しており、他の年代と比べても突出して高い結果となった。
背景には、「何をカスハラとみなすか」という判断基準自体が個人や年代によって大きくばらついているという実態がある。「暴言・人格否定」という比較的明確なケースでも「カスハラだと思う」との回答は20代で50.9%にとどまり、40代(87.0%)・50代(84.5%)と30ポイント以上差が生じた。判断が現場任せになっている状況は、対応の一貫性を欠くだけでなく、企業価値の低下にもつながりかねない。客観的な判断基準の社内標準化が急務といえる。
カスハラを経験したと回答した人の半数以上が「仕事への意欲低下(55.6%)」を訴え、次いで「出勤に対する不安・憂鬱感(38.5%)」を感じているという結果になった。一方で、対応後の上司・組織のフォロー体制に「満足している」と答えたのはわずか29.6%にとどまり、多くの従業員が十分なケアを受けられていないことも明らかになった。人手不足が加速する中、適切な保護体制の欠如は「人材の離職」という深刻な経営リスクにつながりかねない。
カスハラを経験した人が考える「顧客がカスハラに至った要因・背景」について、顧客側の特権意識(36.2%)や孤独感・承認欲求(33.1%)以上に、「企業のたらい回し・過度な待機時間(47.1%)」の割合が多い結果となった。企業側の対応プロセスの不備が顧客のフラストレーションを増幅させ、カスハラにつながっている可能性が考えられる。
なお、カスハラに該当する経験が発生したチャネル(接点)は「電話(61.5%)」が最多、次いで「対面(56.0%)」という結果になり、テキスト以上に音声でのやり取りが必要な場面に集中していることが明らかになった。
録音やAI検知などのシステムを導入し、カスハラ対策に活用できている企業はわずか4分の1(26.3%)にとどまった。「未導入(46.6%)」「導入済みだがカスハラ対策に活用できていない(17.7%)」を合わせると、6割超(64.3%)がテクノロジーによるサポートがないまま対応にあたっていることがわかった。10月1日の法改正(義務化)に伴い、「たらい回しを防ぎ、スムーズな解決に導くオペレーションの再設計」と「客観的な事実に基づき現場を守る、運用フローの構築やシステムの導入・定着」こそが、組織に緊急で求められる対策であるともいえる。