〔2016/9/21〕セールスフォース・ドットコム、すべてのSalesforceユーザーにAI機能を組み込む「Salesforce Einstein」を発表

 米国セールスフォース・ドットコムは、Salesforceのすべてのユーザーに人工知能(AI)のパワーを提供する「Salesforce Einstein」を発表した。
 Salesforce Einsteinを活用することで、あらゆる企業が営業、カスタマーサービス、マーケティング、コマースなどの現場で、予測分析にもとづき的確にパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを顧客に提供できる。Salesforce Einsteinは、Salesforceプラットフォームの各種項目、オブジェクト、ワークフロー、コンポーネントに最先端のAI機能を組み込むことで画期的なイノベーションを実現する。また、顧客とのあらゆる対話をスマートに処理するAIベースのアプリを、クリックまたはコーディングで誰もが開発することができる。
 予測モデルのトレーニングには、顧客データのほか、Chatter、メール、カレンダー、eコマースの活動データ、ツイートや画像などのソーシャルデータストリーム、さらにはIoTのシグナルなど、Salesforceのあらゆるデータを利用。毎日数百万人ものユーザーが情報を入力する強力な規模を活用して、営業、カスタマーサービス、マーケティング、コマースなどに最適なモデルを提供するという。
 機械学習、ディープラーニング、予測分析、自然言語処理、スマートなデータディスカバリーを基盤とし、1人ひとりの顧客に合わせて自動でモデルをカスタマイズできる。これらのモデルは、対話が行われ、データが追加されるたびに学習とセルフチューニングを実行し、正確性を高める。関連するインサイトを自動探索、将来の行動を予測し、次に実施するべきアクションを事前に提案、各種のタスクを自動処理することもできる。このAI機能を活用することで、予測分析により的確にパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを提供できるようになるという。
 現在使っているツールでAIベースのアプリも開発できるようになる。例えば、システム管理者は、あらゆるオブジェクト、ページレイアウト、ワークフローに、Salesforce Einsteinベースの項目が組み込まれたアプリを数クリックで構築できる。データサイエンティストや開発者は、同サービスに搭載された機能を使ってディープラーニングモデルをトレーニングし、画像識別やその分類をすることができるほか、テキスト内に込められた感情も識別、分類することができる。カスタムの予測モデルを構築し、そのモデルをアプリに組み込むことも可能。
 また、同社は新組織としてSalesforce Researchグループを設立した。研究者とデータサイエンティストで構成されるチームで、セールスフォース・ドットコムのチーフサイエンティストでデータサイエンス研究者のリチャード・ソシェがリーダーを務める。ディープラーニングや自然言語処理、コンピュータビジョンといった分野における最先端、かつ画期的なAI研究を行い、その成果をセールスフォース・ドットコムの製品やエンジニアリングチームへ実装することに注力する。


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