〔2017/3/9〕J.D. パワー アジア・パシフィック、2017年生命保険金請求対応満足度調査結果を発表

 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、鈴木郁社長、略称:J.D. パワー)は、2017年生命保険金請求対応満足度調査の結果を発表した。
 本年調査では、医療給付タイプの請求手続満足度に業界平均で10ポイントの向上が見られた。分析結果によると、請求手続時の書類提出回数が「1回」であった割合は87%、前年比3%増加となっている。書類提出回数が1回で済んだ場合の満足度は650ポイント、複数回以上となった場合は599ポイントと差は大きい。さらに、「入金は予定日通りだった/予定日より早かった」という回答割合も高い。つまり提出回数が1回で済んだ顧客については遅延なく支払が完了しており、顧客の負担軽減につながっていると推察される。これは医療給付タイプの請求手続満足度が向上した要因といえるが、一方、生活保障保険の請求では書類の提出回数に変化はなく、満足度改善も見られない。
 業界全体として、請求手続時に窓口となる保険会社の営業担当者、コールセンターのオペレーターなどから請求手続手順や必要書類や書類入手方法に関する内容について説明を受けた場合に、書類提出回数が1回で済んだ割合は高くなっており、手続に関する説明を着実に実施することが顧客の請求手続負担軽減に寄与するといえる。
 書類の提出回数が1回で済んだ顧客では、複数回提出となった顧客と比べ、「次回もその保険会社で契約したい」という意向も高い。滞りのない請求手続は、満足度だけでなくロイヤルティを維持・向上させているが、書類提出回数の改善が進んでいない保険会社も散見される。保険会社各社は顧客の請求手続負担軽減が満足度およびロイヤルティの向上につながることを意識して、書類の量や事務手続の簡素化の推進、手続時の顧客の窓口となる担当者の説明力の強化など、プロセスとコミュニケーション両面で改善を進める余地があるといえよう。
 請求対応満足度はランキング対象となった21社中、プルデンシャル生命が689ポイントで2015年調査以降3年連続で総合満足度第1位となった。プルデンシャル生命は満足度を構成する3つのファクター「顧客対応」「請求手続」「保険金支払」すべてで業界トップの評価となった。第2位はアフラック(668ポイント)、第3位にソニー生命(664ポイント)と続く。


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