〔2017/3/16〕イプソス、クレジットカードのコールセンターの顧客体験に関する調査結果を公表
グローバル市場調査会社のイプソス(東京オフィス:東京都港区、内田俊一社長)は、クレジットカードのコールセンターの顧客体験を計測するカスタマー・エフォート・スコア(CES)調査をオンラインアンケートにより実施し、結果を公表した。
イプソスは主要クレジットカード会社7社のコールセンターに過去6カ月以内に問い合わせ経験のある1,321名に対して、オンラインアンケートを実施した。コールセンターの利用時に、利用者がどの程度努力を必要としたかを7段階で評価し、カスタマー・エフォート・スコア(CES)を算出した。その結果、7社のCES平均は+15.7となった。最も高かったクレジットカード会社は+51.1、最も低かった会社で+3.0であった。
カスタマー・エフォート・スコア(CES)は2010年にハーバード・ビジネス・レビュー誌で紹介され、コールセンターやウェブサイト、アプリなどのタッチポイントの顧客体験を評価する新しい指標として、欧米では採用が進んでいる。
コールセンター利用者に対し、利用経験に基づいた推奨意向も合わせて聴取し、tNPS(トランザクショナルNPS)も計測した。7社の平均値は-4.8となり、7ブランド中6ブランドで2016年11月実施の大規模NPS調査によるrNPS(リレーショナルNPS)を上回る結果となった。コールセンターの利用は推奨意向にいい影響を与えているといえる。
コールセンターに電話した際に、オペレーターにつながるまでにかかった時間とCESの関係を見ると、つながるまでの時間が短ければ短いほどCESが高い結果となった。10秒以内に電話がつながった割合は13.3%で、CESは+53.7。一方、5分以上待たされたケースは8.8%あり、CESは-36.7%となった。
イプソスでは、利用者の視点からの利用体験を計測するカスタマー・エフォート・スコアに加え、対応したオペレーターの熱意を計測する新しい指標であるコーポレートCES(C-CES)を計測した。全体の平均は+32.7、最も高い会社は+56.5、最も低い会社は+13.4であった。
コールセンターの利用目的ごとに見てみると、レストラン・旅行・コンサートなどの予約のC-CESは+65.2、カードの紛失盗難では+48.9と高い熱意を感じていた一方で、会員専用サイトについての問い合わせでは+23.3、その他支払いについての問い合わせでは+16.3と熱意を感じていない利用者が多かった。