〔2019/1/7〕音声感情解析AIのEmpathとコールセンターBPOのTMJが事業提携

 音声感情解析AI 「Empath」を開発するEmpath (本社:東京都渋谷区、下地貴明社長)は、TMJ(本社:東京都新宿区、丸山英毅社長)と音声感情解析を用いたコールセンター・サービスの構築のため、2018年12月27日に事業提携契約を締結した。本事業提携契約締結により、Empathの音声感情解析AIとTMJのコールセンターBPO領域における知見に基づいたコールセンターAIを両社で共同開発し、応対品質向上による成約率増加ならびにオペレータ・ケアによる離職率低減を推進する。
 コールセンターでは、各オペレータの応対品質のばらつきが問題となっており、品質の平準化ならびに向上が課題となっている。この応対品質を向上させることで、アウトバウンド・コールでの成約率増加が期待されている。また、オペレータの離職率も高くなっており、採用、教育のコストの観点から、離職率の低減も近々の課題となっている。この2つの課題を解決するために、Empathによる音声感情解析とTMJのコールセンターBPO領域における知見を掛け合わせることで、新しいコールセンターAIを共同開発していく。
 2015年から2016年にかけて行われたTMJとの共同研究では、アウトバウンド・コールの獲得品質に、オペレータのモチベーション・感情表現が寄与していることが明らかになっている。そこで、応対品質の平準化および向上のため、オペレータの感情を解析することで、オペレータがより顧客の感情に即した適切な応対をすることを実現する。顧客の感情に即した応対を可能にすることで、成約率の増加が期待される。
 また、顧客の感情を可視化することで、購買行動と顧客の感情との相関関係を導き、成約率を増加させる。これまでの両社の共同研究の成果では、特定の感情値と成約率との相関が明らかになっている。こうした成果を踏まえ、顧客の感情解析に基づき、オペレータにリアルタイムにAIから指示に与えることで成約率を向上させる。
 Empathを活用することで、オペレータのメンタル・ヘルスケア、ならびに離職率防止を実現する。音声感情解析を搭載したコールセンターAIにより、各オペレータの気分状況の把握し、不調な状態が続いた場合には、上司からのサポートを速やかに受けられる仕組みを作る。こうしたサポートを通じて、コールセンターでの仕事によりやりがいを感じてもらうことにより、オペレータがより働きやすく、長期間働き続けられる職場作りを目指す。今後、両社は今回共同開発するコールセンターAIをTMJ内で活用、その後外部パートナーにも販売していく予定。


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