〔2019/7/9〕EmpathとTMJ、バーチャル・アシスタント搭載の感情解析コールセンターAIを開発

 音声感情解析AI 「Empath」を開発するEmpath (本社:東京都渋谷区、下地貴明社長)は、TMJ(本社:東京都新宿区、丸山英毅社長)とバーチャル・アシスタント搭載の感情解析コールセンターAIを共同開発した。
 両社はコールセンターで生産性に影響を与える2つの主要因、SVの業務過多ならびにオペレータのモチベーション維持という課題に着目し、本製品を活用することで生産性向上に寄与した。本製品は特許出願中(特願2019-126582)であり、10社限定でモニター企業の募集を開始した。
 EmpathとTMJは約4年にわたり、コールセンターにおける音声感情解析AIの有効性検証を実施してきた。その結果、感情解析コールセンターAIによるSVならびにオペレータへのサポートが、SVの負担を軽減することでチーム内のコミュニケーションを円滑にし、生産性向上に寄与することが明らかになった。この成果を踏まえて2018年12月27日に両社は事業提携契約を締結し、本製品を共同開発した。
 コールセンター において、SVの主たる業務に「オペレータのフォローや指導、教育」が挙げられる。これまではどのオペレータをサポートすればいいのかが必ずしも明確ではなかったため、効率的なフォローが困難であるという課題があった。そこで、本製品は業務通話中の顧客とオペレータの感情を解析することで問題が起こりそうな通話を検知し、リアルタイムでSVにアラートを送信。SVはタブレットやPCモニター上に通知されたアラートをもとにサポートが必要なオペレータを即座にフォローできる。この結果、従来よりもオペレータに対するフォーロー・タイミングが早くなり、オペレータに対するサポートがより効率的になった。
 また、これまでは業務時間内にオペレータの抱える問題や悩みを把握することが困難であり、オペレータからの業務時間外の相談がSVの残業時間を増やす事態となっていた。そこで本製品はオペレータの通話実績と感情値をカルテ化することで、SVが業務時間内にオペレータの状態を確認することを実現、結果としてオペレータの抱える悩みや問題の解決速度が早まり、業務時間外のオペレータからの相談が減少した。こうしたSVをサポートする機能により、本製品はSVの残業時間を約20%減少することに成功した。
 一般的にオペレータのモチベーションが維持できない要素として、SVに対する不満があげられる。その原因として業務過多によりSVがオペレータと十分に適切なコミュニーケーションがとれていないことが予想された。そこで本製品はオペレータが操作するPC画面上にバーチャル・アシスタントを実装、感情解析の結果に応じて対話が上手く行った場合にはSVの代わりに褒めたり、顧客の怒りが強くなった際には慰めたりすることでオペレータをサポートし、モチベーション維持に貢献した。
 その一方で、通話中にサポートが必要となった場合にオペレータがSVにヘルプを呼べる機能も搭載。必要なタイミングでSVからの適切なサポートを受けているとオペレータが実感できるようになり、オペレータの出勤率が99.2%に安定し、成約率が1.9倍向上するなどの結果に寄与した。


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