〔2022/5/23〕IDC Japan 、国内ビジネスコンサルティング市場予測を発表
IDC Japan(本社:東京都千代田区、竹内正人社長)は、国内ビジネスコンサルティング市場予測を発表した。これによると2021年の同市場規模は前年比11.4%増の5,724億円になったとみられ、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援需要を追い風に高成長軌道に復帰したとみられる。
ビジネスコンサルティング市場は、主に企業のDXに向けた需要拡大を追い風として、2020 年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によるマイナス影響から一時的に低下した成長率を、再び二桁に押し上げた。2023年以降も、DXを進める企業のビジネス変革支援への需要がすべてのサービスセグメント/産業分野において継続し高成長を維持する見込みで、IDCでは同市場の2021年~2026年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は8.8%で、2026年に8,732億円になると予測している。
サービスセグメント別では、2021 年は戦略、財務/経理、業務改善、組織/変革、GRC(Governance, Risk, and Compliance)その他コンサルティングのすべてのセグメントで2020年から成長率を大きく回復した。特に、顧客接点や営業/CRMや、サプライチェーン、エンジニアリング/製造といった幅広い業務プロセス変革やオペレーションの見直しに向けた需要が牽引した業務改善コンサルティングや、COVID-19 によるマイナス影響からの反動増があった戦略コンサルティングが相対的に高成長となった。
産業分野別では、市場規模の大きい金融業や製造業における活発なコンサルティング需要が継続しており、旅客業など依然としてCOVID-19 の感染拡大による事業影響を強く受けている一部の業態を除き、需要先導型で市場が成長している。2022年以降も、業際/クロスインダストリーでの連携や、全産業でのESG(Environmental, Social, and Governance)関連/社会課題解決に向けた案件の増加に伴い、産業分野別の成長率に顕著な違いなく、高成長を継続すると予測している。
一方で最大の課題となっているのが、デリバリー人材の不足と人材獲得に向けた競争の過熱。IDC Japan株式会社 ITサービス グループマネージャーの植村卓弥氏は「人材獲得に向けた競争が過熱する中で、コンサルタントの育成プログラムの強化と1人当たりの生産性の向上は、市場全体としての課題となっている」と述べている。