〔2022/6/7〕ファンケル、カスタマー・リレーション強化の中核を担うデータ分析基盤をOracle Cloud Infrastructureで刷新

 日本オラクルは、ファンケルが、カスタマー・リレーション強化や顧客満足度向上実現に向け、店頭、オンラインなどのあらゆる販売チャネルにおける購買データや行動情報などを統合し、顧客データ利活用を促進するデータウェアハウス基盤を「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で刷新したことを発表した。
 ファンケルでは、無添加化粧品やサプリメントなど、美と健康の領域を中心に幅広い事業を展開している。同社は2014年から、「FIT(FANCL Information Technology)」プロジェクトで経営戦略をITで支える基盤の整備を進めている。2021年4月から開始した第3期中期経営計画である「『前進2023』~逆境を超えて未来へ~」においては、マルチチャネル化を進化させたファンケルならではのOMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)の取り組みを推進し、個々の顧客に最適なアプローチを実現するIT基幹システムを実現する「FIT3」への取り組みを掲げている。具体的には、顧客をもっと深く理解し、「ファン化」につなげていくため、購買情報だけでなく購買に至るまでの行動情報や、ファンケルからのアプローチへの反応、どのような情報を提供した顧客がロイヤルカスタマーになったかなど、「お客様を“理解するためのデータ”」を収集し、分析できるシステムへの刷新を図っている。ファンケルは、このFIT3の中核を担うデータウェアハウス基盤をOCIで刷新している。
 ファンケルは、店頭、通信販売、オンライン販売、電話窓口といったチャネルを通じて取得した顧客データや、製品の販売データの管理、分析、可視化、会計レポートなどの各種レポート作成などに利用されるデータウェアハウス基盤を従来、「Oracle Exadata」、「Oracle Business Intelligence」上で構築し、オンプレミス環境で運用していた。このデータウェアハウス基盤には、600テーブル、8TBを超える大量のデータが蓄積されており、CRMやマーケティング・オートメーション(MA)ツールと連携され、従業員や販売店店長など約350名のアクティブ・ユーザーが日々利用していたことからミッションクリティカルなシステムとして位置付けられていた。ファンケルは、このデータウェアハウス基盤の刷新において、従来の「Oracle Exadata」と同等以上の性能や安定性に加え、柔軟なリソースの増強、移行の容易性を要件として、複数のクラウド・サービスを比較検討した。その結果、既存アプリケーションや周辺システムとの親和性、短期移行の実現性、BI製品の操作性の維持、ライセンス管理や保守の簡素化を考慮し、OCIを選定した。
 ファンケルは、2021年2月にOCI採用を決定し、Oracle ExadataをOCI上で提供されるOracle Exadata Database Serviceへ、Oracle Business IntelligenceをOCI上に構築したOracle Analytics Serverへ移行開始した。同社は、日本オラクルのコンサルティング・サービス部門の支援のもと、アセスメント、クラウド環境構築、データの段階的な移行を行い、2021年9月にデータウェアハウス基盤のクラウド移行を完了し、稼働を開始している。


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