〔2023/2/2〕コムデザイン、アイアクトと技術連携し、電話内容を音声認識したテキスト文から自動でFAQやマニュアルをAI検索を実現
コムデザインは、AI検索「Cogmo Search(コグモ・サーチ)」を提供するアイアクト(本社:東京都千代田区、笠井隆義社長)と技術連携し、電話内容を音声認識したテキスト文から自動でFAQやマニュアルをAI検索することを実現。オペレーターの電話応対時の工数削減を目的に、小林製薬の通販コールセンターにて本連携サービスが採用された。
コールセンターのオペレーター業務は、顧客との電話応対時に、顧客情報や購入履歴・問合せ履歴を参照、回答が不明な場合はFAQやマニュアルを検索・参照して回答、応対内容の記録など、電話応対以外にも同時に複数を作業することから、業務負荷が高く、高度なITスキルや製品・商品知識が求められる。加えて、コロナ禍、労働人口の減少などの社会的要因もあり、オペレーター人材の確保と教育、顧客対応水準の向上はコールセンター業務の大きな課題となっている。
一方で、電話内容を音声認識でテキスト化するコールセンターのシステムは、応対分析・評価や教育、FAQ改善を目的とした後工程のシステムで、一般的に電話応対時にリアルタイムで活用できるものではなかった。
そこで、コムデザインとアイアクトは、アイアクトのAI検索「Cogmo Search」の特徴的な機能である、複雑・完全ではない文章でも検索可能な性能を活かし、電話での口語をリアルタイムでテキスト化し、即座にFAQやマニュアルを検索するシステムを連携開発した。具体的には、コムデザインが提供するコールセンターのクラウドシステム「CT-e1/SaaS」の1つの画面内に、顧客とオペレーターの電話での会話内容がリアルタイムに音声認識・テキスト化されてチャット表示され、そのテキストをオペレーターがクリックするだけでCogmo Searchが既存のFAQやマニュアルをAI検索し、検索結果を表示する。
これにより、オペレーターは質問内容への回答が不明な場合、電話応対しながら検索文を考え、キーボードを用いて検索文を入力しFAQやマニュアルを検索する負荷と時間が省ける。また、Cogmo Searchの機能により、オペレーターごとにさまざまであった検索文や言葉の揺らぎを吸収、スキルレベルが異なるオペレーターでも精度の高い検索結果を得られ、顧客対応品質の平準化を図ることができる。
既存の情報資産を最大限に活かす、というCogmo Searchの設計思想により、コールセンター事業者は、FAQシステムやPDFのマニュアルなどに手を加えることなく、本連携システムを利用できる。
本連携システムの開発のきっかけは、製薬通販大手の小林製薬からの依頼であった。小林製薬では「業務負荷の削減」「対応品質の平準化」を目的に、自然文による検索が可能なCogmo Searchを検討。2021年夏から秋にかけて、既存のFAQを対象としたAI検索の精度を評価し、有効と判定。CT-e1/SaaSとカスタマイズ連携したシステムを用いて2022年春より自社のオペレーター、夏より外部コールセンター事業者のオペレーターでの業務評価が行われた。
業務評価では「旧来の業務フロー・FAQシステムを用いた応対時間が約半減」「特に経験の浅いオペレーターで応対時間の変化が顕著」、また、「顧客応対履歴の記録など後工程の時間も大幅に削減見込」の結果となった。2023年1月より数十人規模の自社オペレーターにより実際の業務にて本利用を開始、2023年夏以降には、さらなる利用範囲拡大を予定されている。