〔2023/3/14〕J.D. パワー、2023年生命保険金請求対応満足度調査結果を発表

 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、山本浩二社長、略称:J.D. パワー)は、2023年生命保険金請求対応満足度調査の結果を発表した。
 本調査は、新型コロナウイルス感染症による給付金請求が過去最多を迎える中、直近1年以内における生命保険会社の保険金請求対応に関して調査を実施した。
 総合満足度は、前年調査(2022年3月発表)に比べ-12ポイントとなり、医療給付金に関する請求で大きく低下した。特に、新型コロナウイルス感染時の「みなし入院」に対する入院給付金の支払対象見直し前後となる2022年9月と10月については、さらに-20ポイント以上の低下が見られ、全体の総合満足度を押し下げる要因となった。なお、ファクター別では、「保険金支払」ファクターでの満足度低下が顕著であった。
 医療給付金の請求チャネルにおいて、コールセンター経由での請求が減少し、ホームページチャネルでの請求が増加している。これは給付金請求件数の急増により、コールセンターがつながりにくい中、生命保険会社各社がホームページからの請求を促した結果によるものと推察される。また、ホームページ上で「すべての手続きが完了した」割合は、前年に比べ+9ポイント増加しており、手続き面での改善が見られる。
 一方、利用率の上がったホームページチャネルをはじめ、営業担当者、店舗窓口、コールセンターなど、すべてのチャネルを通して、医療給付金の請求を行った人の総合満足度に大幅な低下が見られた。最も低下した評価項目は「保険金支払までの迅速さ」であり、「保険金支払までの経過報告の適切さ」が続く。また、各社で差はあるが、保険金支払までの期間長期化は本調査でも確認され、生命保険会社へ請求書類を提出してから入金までの期間について「1カ月超」の割合が前年の1%から10%に増加した。さらに、支払予定日から遅れたという回答も、前年の1%から7%に増加が見られ、こういった保険金支払の遅延や不確定さが各社の総合満足度の低下につながったことがうかがえる。 一方で、給付金決定までの所要期間についてコールセンターや営業担当者から説明があった場合は、なかった場合に比べ、総合満足度が+69ポイント高いことも確認された。すなわち、保険金請求対応に
おいて、見通しのつきにくい状況下であっても、顧客への説明や経過報告は、顧客満足度の低下防止に有効であると言える。
 総合満足度ランキングは下記の通り。
第1位:住友生命(717ポイント)
「保険金支払」ファクターで最高評価。
第2位:明治安田生命(713ポイント)
第3位:ソニー生命(712ポイント)
「請求手続」ファクターで最高評価。


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