〔2023/3/17〕ジェネシス、「カスタマーエクスペリエンスとこれからの働き方」という新たな調査レポートを発表
ジェネシスクラウドサービス(本社:東京都港区、ポール・伊藤・リッチー社長)は、MIT Technology Review Insights社との協力のもと、世界12カ国にわたる800人のシニアビジネスリーダーを対象に行った新たな調査レポート「カスタマーエクスペリエンスとこれからの働き方」を発表した。
コロナ禍において、世の中の多くの組織がカスタマーエクスペリエンスにおけるDXを促進し、クラウド化や在宅勤務など、従業員に安全な環境を整えた上でカスタマーサービスを継続的に提供することに専念してきた。アフターコロナ時代を目前にしている現在、組織がより柔軟な働き方を導入することで従業員のエンゲージメントを低下させないという新たな課題に直面している。今回、ジェネシスはMIT Technology Review Insightsと協力し、CX領域のリーダー企業がいかにその課題に取り組み、新たなツールやテクノロジーの導入によって従業員エクスペリエンスを継続的に提供できるかと理解を深めるべく本調査を実施した。
調査では、対象者の96%が回答した「CX担当者の新規採用」がCX部門が現在直面している最大の課題であるということが明らかになった。しかし一方で、調査平均40%という高い離職率にも関わらず「CX担当者の高い離職率」を課題としているのはわずか3割と、既存の従業員を定着させるより、新しい従業員を見つけるという課題に関心を持つという矛盾した結果になった。調査では、コロナ前のような大量離職を前提にした組織作りや人材採用から脱却し、組織が柔軟性、学習、そしてキャリアでの成長を軸とした働き方を定着させる転換点に差し掛かってきている事を示唆する結果もでてきており、76%が「CXスタッフの士気やエンゲージメント低下」が課題と回答している。デジタルでのコミュニケーションが増加する中で、CXをブランドの戦略的差別化要因としていくためには、人によるタッチポイントであるコンタクトセンターが企業の顔となり、従業員のモチベーション向上や離職率を最低限に抑える仕組み作りが、今後のCX戦略においては重要になって来るといえそうだ。
コロナ禍において従業員の安全な環境を整える事に加え、多くの組織がハイブリッド、またはリモートな環境を構築することが新たなメリットをもたらしている。そのメリットについては、回答者の84%が「柔軟性の向上による従業員の定着」と回答し、60%が「従業員のストレス軽減と精神衛生の改善」につながったと回答している。この結果は、毎日の出社より週に数日のテレワークが幸福感の上昇に関連しているというこのほど発表された日本の厚生労働省*1が発表した調査結果と共通していることがわかる。さらに、ジェネシスの日本でのユーザー企業の中でも、在宅勤務を導入し、一つの拠点に依存しない働き方を導入したことによって、普段リーチできなかった人材の採用につながったという声も上がってきている。
組織がその顧客によりシームレスで、パーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスの提供を追求しているなか、CX人材戦略と人材のニーズを再検討している組織が現れている。今後1~2年間価値が高まる可能性があるCXスキルについて伺ったところ、今後の優れたカスタマーエクスペリエンスが顧客の動向の理解から始まることから、回答者の98%が「データ・分析スキル」と回答している。このスキルは今後のデファクトスタンダードのスキルの1つとなるでしょう。それに次いで、「カスタマープロセス・マッピングやカスタマージャーニー最適化の能力」が挙がり、回答者の94%が重要なCXスキルとして位置付けている。この結果は、CXでのキャリアを目指す人材に求められるスキルの進化を表していると同時に、組織が既存の人材にそのスキルを身に付く十分なトレーニングと技術サポートを与える必要性も表していると言えそうだ。