〔2023/6/1〕ESジャパン、産業医科大学との共同研究を開始

 コールセンターの運営、コンサルティングと感情解析の研究・開発事業を行うCENTRIC(本社:東京都豊島区、山田亮社長)は、同社の100%子会社で音声感情解析専門会社のESジャパン(本社:東京都豊島区、山田亮社)が、声から感情を可視化するテクノロジー「ESAS」を用いて、メンタルヘルス不調や離職予兆に関する可視化方法・介入プログラム開発について、産業医科大学産業生態科学研究所人間工学研究室 榎原 毅 教授、産業精神保健学研究室 江口 尚 教授らと共同研究を開始したことを発表した。今後、CENTRIC 熊本支店において実証研究を行う予定。
 オペレーターの業務は感情労働*の1つとも言われ、顧客の顔が見えない状況での電話対応・クレーム対応などでストレスがたまりやすく、メンタルヘルスや離職が大きな企業負担、社会問題となっている。本共同研究では、感情の適切なコントロールへの取り組みをさらに深めるために実施する。
 本グループはこれまでにも感情の適切なコントロールへの取り組みとして、音声感情解析の結果を用いて、組織内のコミュニケーションから従業員の離職などを予測可能にする特許を取得するなど、音声感情解析結果の活用に取り組んできた。
 今回新たな知見を探るべく、本共同研究ではコンタクトセンターにおけるオペレーターのメンタルヘルスを、音声感情解析を用いて可視化するなどの検証を行い、音声感情解析を用いて、従業員のメンタルヘルスの改善、離職予防を目指すことが目的。CENTRIC 熊本支店にてフィールド実証研究を今後実施し、その検証を行う。
 音声感情解析サービス「ESAS」はこれまでにさまざまな企業に導入され、音声認識&音声感情解析サービス、オンライン面接サービス、パーソナリティー診断サービスなどに活用され、今後は医療業界での患者の感情解析や、Web会議などでの顧客の感情解析など、さまざまな業界での活用も期待されている。このため、今回の共同研究の成果はコンタクトセンター業界のみならず、さまざまな業界に波及することが期待される。
 共同研究を行う産業医科大学産業生態科学研究所人間工学研究室は、デジタルヘルス・テクノロジー(スマホ内蔵センサーやウエアラブルセンサーほか)を活用してライフログビッグデータを収集・解析することによって、働く人の健康障害の積極的予防に取り組んでいる。人間工学とは、多様なシステムにおけるヒトと他の要素との相互作用を理解するための学際的学問であり、ウェルビーイングとシステム全体のパフォーマンスとの最適化を図るために個人を取り巻くステークホルダ、物理環境、組織環境なども含めた包括的なアプローチ(システムズ・アプローチ)を推進している。同研究室は、人間工学分野において、医科大学で唯一の研究室であり、榎原毅教授は国際人間工学連合(IEA)理事、日本人間工学会理事、国際標準化機構ISO/TC159(人間工学)国内対策委員会SC3分科会委員長などを歴任されておられ、日本の人間工学分野を牽引するトップランナー。


PAGE TOP