〔2023/7/26〕AI Shift、「AI Messenger Voicebot」のFAQ検索機能にGPT-4を搭載

 サイバーエージェンの連結子会社であるAI Shift(本社:東京都渋谷区、米山結人社長)は、AI自動音声対話システム「AI Messenger Voicebot」において、FAQ検索機能にGPT-4を搭載し、精度指標の1つであるマッチング精度が改善された。その結果、ユーザーの自己解決率が向上し、オペレーター工数の削減に成功したことを発表した。
 昨今、電話対応を自動化するボイスボットはさらに普及し、あらゆる業界/業種で導入が進んでいる。その中で、同社のボイスボットも既に300社以上の企業に活用されている。
 ボイスボットは、予約や注文受付などのヒアリング項目が決まっているシナリオ対応を得意としていたが、チャットボットのような、よくある質問(FAQ)対応での活用ニーズも多くあった。しかし、ボイスボットにおけるFAQ対応は、チャットボットのようにテキストで複数の選択肢を表示することができないため、より高い精度が求められていた。
 このような背景のもと、同社ではGPT-4を活用し、回答精度向上のための技術検証を重ねてきた。そしてこの度、ユーザーの発話に対する解釈や回答の検索機能の精度が向上したため、ボイスボットのFAQ検索にGPT-4を正式に搭載した。
 GPT-4を用いることで、ユーザーからの質問をより柔軟に理解できるようになり、従来の機能では回答ができなかった質問にも対応することが可能になった。
 また、同社ではGPT-4による意図しない生成結果を、ユーザーへ直接伝えない仕組みにしているため、ユーザーへ誤った回答をしてしまうなどの懸念がない状態で安全に利用できる。さらに、FAQ検索に一定の時間を要した場合は、従来のFAQ検索機能による回答を提示する仕組みとなっており、GPT-4からの返答が遅い場合もユーザーを待たせることなく対話することが可能。
 今回開発した機能の有意性を検証するために、新しく開発したGPT-4を組み込んだFAQ検索機能を搭載したボイスボットと、従来のボイスボットを用いたA/Bテストを行った。
 新しく開発したGPT-4を搭載したFAQ検索機能を用いることで、回答精度が向上し、ユーザーが自己解決できる割合が増加した。その結果、ボイスボットのみでは解決できない場合に利用するオペレーターへの転送率が30%を下回り、入電の70%をボイスボットのみで対応することが可能になった。


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