〔2024/4/2〕プロシード、グローバルの組織と顧客に対して「コンタクトセンターのテクノロジー」についての調査を実施

 プロシード(本社:東京都中央区、柳楽仁史社長)は、米国COPCと協力し、多くのコンタクトセンターで顧客体験および生産性向上の重要なカギを握り、注目度がますます高まる最新テクノロジーの活用についてのアンケート調査を行った。テクノロジーの活用のヒントを得るため、このアンケート調査では組織側に導入や活用の状況を聞くだけでなく、顧客側にサービス体験について聞くアンケートを実施し両者を比較している。
 テクノロジーを活用しオペレーターなどのカスタマーサービススタッフを必要とせず顧客が自ら課題解決をできるチャネルが顧客にどれほど受け入れられているかを調査するために、はじめに組織へセルフサービステクノロジー(以下、SST)を含むさまざまなチャネルの直近の好みの変化について調査を行った。その結果、SSTは多くの組織が「チャネルの人気が向上した」と回答し、組織から見て顧客には受け入れられていると認識されていることがわかった。
 多くの組織で人気が上がっていると認識されているSSTが顧客にどれほど受け入れられているかを調査するために、組織と顧客へ類似する以下の調査を実施、両者の回答結果にギャップがあるか分析をした。
顧客:チャネルに関係なく問題が解決されることがわかっている場合、あなたが希望するチャネルはどれですか?
組織:何%の顧客がSSTよりも有人対応チャネルでの対応を希望すると思いますか?
 その結果、90%の顧客が有人対応を選ぶと回答した。質問には「どのチャネルでも課題解決がする」という前提があるのにも関わらずほぼすべての顧客が有人対応を選ぶということは、顧客の複雑なニーズ(パーソナライズされた体験を期待)や今日時点で組織が提供しているSSTの品質と精度の低さ(不明瞭なガイダンスや認識に誤りがないか顧客が確認できない一方通行の情報提供)を表していると考えられる。90%の顧客が有人対応を希望すると回答した結果とは反対に、組織側の調査の回答選択肢でこの結果と最も近い選択肢である「80%以上(の顧客がSSTより有人対応を希望する)」と回答した組織の割合は24%のみで、多くの組織がSSTの人気を過大評価していることがわかった。
 SSTの中でもとくに近年コンタクトセンターでの導入が進んでいるのがAI。つぎにこのAIの利用状況について組織へ調査を実施した。その結果75%の組織が現時点で活用している、または今後計画があると回答した。また、活用の対象として最も多かったのは「対顧客」でした。これら75%の組織に対して利用の目的について調査を実施したところ、88%が「顧客体験向上」と回答をし、直接顧客へ提供するサービスへのAI活用であっても、サービスを提供するオペレーターサポートのためのAI活用であっても多くの組織が顧客体験向上を目的に導入・活用を進めていることもわかった。
 多くの組織が顧客体験向上のために導入・活用を進めているAIが実際に良い体験を顧客へ与えられているかを調査するために、AIを活用した代表的なSSTであるチャットボットについてのアンケートを実施した。その結果、チャットボットの解決率は85%であった。同時に調査した電話チャネルの解決率93%と比べると若干低い値であるもののある程度解決力はあるということがわかった。
 しかし、チャットボットのみで解決できたと回答したのは59%であった。これはつまり、残りの41%の顧客は電話やEメールなど他のチャネルでもやりとりをしてようやく解決できたということを意味する。同社が実施した別の調査において、1つのチャネルで完結(解決)しない問い合わせは、解決したとしても、1つのチャネルで完結(解決)する際の体験よりも低くなることがわかっている。こうした解決力の弱さなどが上述の「顧客から希望されないSST」の状況に繋がっている可能性が見えた。
 今回の調査ではコンタクトセンターテクノロジーの導入の度合いについて約1,000名のコンタクトセンター関係者に調査を実施した。その結果すべてのコンタクトセンターシステムの利用状況が50%以上を越え、AIだけでなく様々なテクノロジーの採用が進んでいることがわかった。
 今後もますます盛んに投資をされる分野であることは明らかだが、今回の調査結果から有人対応チャネルが今後も存続することも明らかになった。真にSSTの活用による顧客体験・生産性の向上を目指すのであれば、まずはSSTの初回解決率を向上させ、テクノロジーと有人対応の良好なバランスを目指し、テクノロジーの活用によるコンタクトセンターマネジメントプロセスの合理化に努める必要がある。


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