〔2025/1/23〕Gen-AX、コンタクトセンターなどの照会応答業務を支援する生成AI SaaS「X-Boost」を提供開始
ソフトバンクの子会社であるGen-AX(ジェナックス、本社:東京都港区、砂金信一郎社長)は、コンタクトセンターやバックオフィス部門向けに、照会応答業務の効率化を支援する生成AI SaaS「X-Boost(クロスブースト)」の提供を開始した。X-Boostは、導入企業が自社のデータを活用してAIの精度を継続的に高め、自社に合ったAIに“賢く育てる”ことができる点が特長の生成AIサービス。Gen-AXの親会社であるソフトバンクが強固な法人顧客基盤を生かして販売すると同時に、両社が連携して「X-Boost」の導入と運用を強力にサポートし、企業のAX(AIトランスフォーメーション)を支援する。
Gen-AXは、2024年7月に本格的に事業を開始した、ソフトバンクの100%子会社。「自立に自律を融合し、次の“流れ”を生成する」をミッションに掲げ、企業向けの生成AI SaaSとコンサルティングサービスを提供し、企業のAXを支援している。これから本格化する「AIエージェント」時代を見据えて、企業のさまざまな業務の効率化や自動化を実現する、企業向けAIエージェントの展開を目指す。第1弾としてテキストベースの生成AIサービスである「X-Boost」の提供を開始し、2025年度に、音声生成AIを活用した自律思考型AI SaaS の提供を目指す。中長期では、サービス領域をさらに拡大する予定。
X-Boostは、コンタクトセンターやバックオフィスなどにおける問い合わせ対応を担う、さまざまな照会応答業務を支援する生成AIサービス。オペレーターが問い合わせ内容を入力すると、マニュアルや FAQなどの膨大な社内データからナレッジを検索し、最適な回答案を自動生成して、オペレーターの画面にスピーディーに表示する。導入企業は、業務負荷の軽減、対応スピードや品質の向上、対応内容の均一化などを実現できる。
X-Boostの特長は、検索拡張生成(RAG)やエンベディングモデルなどにより、高い回答精度を実現する他、LLMOpsにより、導入企業自身がAIの精度を継続的に向上させ、自社の特性に合ったAIに“賢く育てる”ことができる点。生成AIを導入した企業の中には、自社が保有する社内データを十分に活用できず、AIモデルの回答精度が低いまま、業務現場で利用が広がらないケースが散見される。X-Boostは、導入企業が保有するデータの事前学習に加えて、オペレーターなどの現場担当者が実際の業務で利用したログをフィードバックデータとして活用し、フィードバックと改善のサイクルを繰り返すワークフローにより、継続的にAIモデルの精度の向上を行う。また、AIモデルの学習や検索精度が不十分な場合、画面上でより適切な学習データを選択して追加学習を実行することが可能。その他、回答精度をテスト検証できる機能も備えている。
国内の大企業の約93%との取引実績を有するソフトバンクが、顧客への提案・販売を行う。また、Gen-AXが業務フローの整理(BPR)やデータ収集および作成、導入を強力にサポートする。
今後は機能の拡充などを図り、さらなる利便性の向上を目指す。また、2025年度に、コンタクトセンター業務の自動化を図る自律思考型AI SaaS の提供を目指す。さらに、同じグループ内の企業であるSB Intuitionsと、LLM(大規模言語モデル)に係る実証実験を行い、連携を図る予定。