〔2025/5/27〕リンク、業界別 電話業務におけるカスタマー・ハラスメント対策に関する調査結果を発表
リンク(本社:東京都港区、岡田元治社長)は、全国の20~99歳の男女を対象とした「業界別 電話業務におけるカスタマー・ハラスメント(以下、カスハラ)対策に関する調査」を実施した。
2025年4月に東京都カスタマー・ハラスメント防止条例が施行開始されるなど、昨今社会的に注目されている「カスハラ」は、電話で顧客と接するコールセンターや問い合わせ窓口でも発生している。そこで、企業向けクラウド型電話システム「BIZTEL」は、勤務先で顧客と電話によるやりとりをする方を対象に、「業界別 電話業務におけるカスタマー・ハラスメント対策に関する調査」を実施した。電話業務におけるカスハラの発生状況や、現場での対応・対策に加え、業界別の特徴や違いがあるのかを調査している。本調査では、電話対応窓口でカスハラ対策を進める際に重要視すべきポイントを示唆している。
全体のうち7割以上(75.3%)が、電話応対時にカスハラを受けたことがあると回答した。また、業界別では「福祉関連業」(100%)、「建設業」(88.9%)、「官公庁・公共・団体」(83.9%)の順でカスハラを受けたことがある割合が多い結果となった。このことから、市民や一般消費者と接する機会の多い業種だけでなく、建設業といった法人とのやり取りが多い業種でもカスハラが発生していることが明らかになった。
経験したことのあるカスハラの内容は、「暴言・罵声を浴びせられた」(88.4%)、「延々と同じ内容のクレームを繰り返された」(75.4%)、「長時間拘束された」(68.1%)が多く挙げられた。このような一方的な暴言や執拗なクレーム、長時間の拘束は、現場で対応する従業員に大きな負担を与えかねない問題であるため、発生している場合には迅速かつ効果的なカスハラ対策が必要とされる。
カスハラが発生した際の対応については、「話を聴きつづけた、または謝りつづけた」(62.5%)が最も多く、次いで「上司に助けを求めた」(48.5%)という結果であった。現場では根本的な解決策がないことによる受け身の対応が中心となっており、従業員が精神的な消耗を強いられているという実態がうかがえる。
カスハラ対策の実施率は5割(47.0%)に満たない結果となったが、業界別で見ると「建設業」(55.6%)や「金融」(53.8%)、「IT・通信」(50.9%)で対策実施率が高い傾向にあることがわかった。しかし半数以上の現場では依然としてカスハラに対して十分な対策が講じられていないことも明らかになった。
「対策を実施している」と回答した方に、具体的な対策内容を聞いたところ、「カスハラの発生状況と内容の把握、社内への共有」(76.6%)、「対応マニュアルの作成・配布」(47.9%)が多く挙げられた。これらの対策を第一段階として取り組む企業が増えているが、今後はマニュアルの周知や改善、実運用に向けた対応研修の実施など、効果を発揮するための取り組みや、対応後のメンタルケアなどフォロー体制の構築が必要になると考えられる。
対策を進めるうえで課題と感じていることについては、「お客さま第一という考えが強く、カスハラを問題にしにくい」(26.3%)が最も多い結果となった。また、「カスハラの基準づくりに苦慮している」(17.3%)、「他の業務が優先で後回しになっている」(16.3%)という回答も一定数見受けられた。
この結果から、現場と企業の間でカスハラに対する考え方や問題意識に乖離があることがうかがえる。カスハラによって従業員に負担がかかっている場合、従業員を守るためにも組織全体で問題を認識し、方針を検討することが重要といえそうだ。
今年の4月から東京都で「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例(以下、カスハラ防止条例)」が施行開始されたことを知っているかについて質問したところ、「はい」と答えた人は48.0%と5割を切る結果となった。施行から間もないことや、対象地域が限定されていることも要因といえそうだ。条例の認知は、組織的なカスハラ対策を進める際の後押しにもなるため、企業として従業員への周知や、理解の浸透を深める動きが求められている。
また、カスハラ防止条例が施行開始されたことを知っていると答えた人に対して、カスハラ条例に期待する効果を聞いたところ「カスハラという問題の認知拡大」(61.5%)、「カスハラ加害者への抑止力」(49.5%)などの回答が多く挙げられたことから、カスハラに対する問題意識の変化や、発生の防止に期待感を持っていることがわかった。しかし、東京都以外に実施している地域は北海道・群馬県など限定的であることから、全国への拡大が今後の課題と考えられる。