〔2025/5/27〕NEC、生成AIと消費者購買データを活用したマーケティング施策立案ソリューション「BestMove」を提供開始
NECは、生成AIをはじめとする複数のAI技術と消費者購買データを活用したマーケティング施策立案ソリューション「BestMove(ベストムーブ)」を、2025年6月16日よりクラウドサービスとして提供開始することを発表した。
BestMoveは、マーケティング施策立案に悩むマーケターに対して、商品やサービスに反応する市場の顧客を深く分析し、複数の施策案を相対比較することで最善の一手を提案するソリューション。
顧客分析から施策立案、効果予測までの一連の業務プロセスをワンストップで支援することで、マーケターが確信を持って意思決定できるようになるとともに、ナレッジ共有により人材育成や生産性向上にも寄与する。
企業のマーケター(プロモーション、広報、商品企画、営業販促などの担当者)は、市場調査データや認知度調査データなど、さまざまなデータを複合的に観察しているが、どのデータも互いの関連性が弱く、「自社の商品を、どのようにプロモーションしたら、どのような効果が出るのか分からない」という課題を抱えている。結果的に、昨年度と同じ施策を実行したり、経験と勘で施策を決めるという実態がある。
NECは本課題に対して、最新AI技術を10個以上組み合わせ、誰もが簡単に最適な施策を立案し、確信を持った意思決定を支援するソリューションとしてBestMoveを開発した。
クレジットカードやID-POSなどから得られる多様な消費者購買データと、NEC独自の消費者属性拡張技術を組み合わせて分析することで、従来は困難だった全業種・業態にまたがる顧客の趣味嗜好属性を高い解像度で取得することが可能。
また、特定の商品やサービスに興味を示す顧客を高度に抽出する技術を導入しており、顧客の特徴・潜在ニーズを浮き彫りにすることで深い顧客理解を実現し、新たなインサイトを提供する。
さらに、「〇〇が好きな人たち」など独自の顧客クラスターを自然言語で自由に設定できるため、ペルソナ像を加味した顧客分析も実施可能。
EC独自の知見発見AI技術や記事評価AI技術に加え、生成AIを複合的に活用することで、ユーザーが求める方向性に合わせた質の高い施策を立案し、その根拠を明確に提示する。
また、顧客反応率推定AI技術を活用することで、各施策案がどの程度顧客の反応を得られそうかを推定することが可能。
さらに、それぞれの施策案に対して、市場規模、売上、認知、集客などの分析軸でフェルミ推定を行い、相対的にどの施策案が良さそうかを視覚的に理解できるディシジョンボード(意思決定ボード)を提供する。ユーザーはそれぞれの評価軸に基づき、どの施策が効果的なのかを瞬時に理解することが可能。
複数ユーザーが利用することを前提に、企業内、部門内、グループ内、ブランド内の独自ノウハウとして施策立案データベースを構築する。これにより、新人や若手など経験の浅い社員が、過去に実施された施策の考え方、コンセプト、設計方法などを参考にすることが可能となり、人材育成や生産性向上に寄与するとともに、効果的なナレッジ共有(PDCA)の環境を提供する。
価格は、1契約(部門単位)あたり月額30万円からで、販売目標は、今後5年間で約150社に提供し、30億円の売上を目指す。