〔2025/11/26〕矢野経済研究所、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査結果(2025年)を発表

 矢野経済研究所(本社:東京都中野区、水越孝社長)は、国内のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場を調査し、サービス別の動向、参入企業動向、将来展望を発表した。
 2024年度のBPOサービス全体(IT系BPOと非IT系BPOの合算値)の市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比4.0%増の5兆786億5,000万円と推計した。内訳は、非IT系BPO市場規模が同1.0%増の1兆9,566億5,000万円、IT系BPO市場規模が同5.9%増の3兆1,220億円であった。
 非IT系BPO市場を巡っては、近年、DX(業務自動化を中心としたデジタル技術による業務変革)に取り組む企業が増加基調で推移しており、コア業務や新たな業態開発業務への経営資源の重点投下や、それに合わせた人的リソースの再配置などを加速させている。
 それに伴い、企業では自社の事業リソースで不足したノンコア業務を中心に外部のリソースを活用する機運が高まっていることに加えて、外部事業リソースの活用が単体サービスにとどまらず、戦略立案などのコア業務やコンサルティング業務までを一気通貫で提供するサービスに対して外注化する機運が高まっている。
 こうしたことを背景に、特に、日系企業においてはグローバル競争力(コスト競争力)の更なる向上に向けた抜本的な業務プロセスの改善を目指しており、BPOサービス需要が拡大基調で推移している。
 また、民間企業に加え、新型コロナウイルス関連業務の受託を通じて営業接点が生まれた官公庁・自治体のアウトソーシング機運が高まっていることも、引き続き当該市場にプラスに働いている。
 近年、多くのBPO事業者では人を介した業務とデジタル技術を活用した業務を融合させて提供する“デジタルBPO”が提供されるようになっている。これにより、人材不足を補う役割を果たすとともに、BPO業務の効率化・迅速化・省力化・サービス品質が向上し、BPO事業者が請け負う業務領域の拡大につながるなど、BPO市場の需要拡大を強力に牽引するドライバーの役割を果たしている。
 また、リモートワークの普及を契機としたネットワーク環境の整備や、業務プロセスのNoOPS(No Operations:人力による作業の最小化)を実現するためのシステム運用の見直し、ファイルサーバーのクラウド移行などに紐づいた周辺業務に対するサービス需要も高水準で推移している。
 ここ数年、安価なクラウド基盤システムの導入に合わせてBPOサービスを利用する企業が、大手企業から中堅・中小企業へ広がる動きが継続しているのに加えて、コロナ禍を経てBPOサービス利用が拡大している官公庁・自治体の取り込みが引き続き堅調に推移している。また、生成AIを活用したBPOサービスの実用化に向けた動きが活発化していることなどから、2025年度以降もBPOサービス(IT系BPOと非IT系BPOの合算値)の市場規模は堅調に推移していく見込みである。


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