〔2026/5/25〕ベルシステム24、AIチャットナビゲーター「Sherpy(仮称)」を提供開始
ベルシステム24は、複雑な問い合わせにも的確に回答するAIチャットナビゲーター「Sherpy(シェルピー)(仮称)」の提供を開始した。
Sherpy(仮称)は、回答精度を向上させる技術である「Hybrid RAG」を活用し、AIが利用者にチャット形式で自律的に意図を診断し、蓄積されたナレッジから的確な回答を導き出す。コールセンターでの応対を通じてAIが強化され、複雑な問い合わせに対しても応対できるようになり、AI単独では到達できなかった回答精度へと進化する。
同社は、オペレーターの応対を支援する「Sherpy for Operator(シェルピー・フォー・オペレーター)(仮称)」と、顧客の自己解決を支援する「Sherpy for Customer(シェルピー・フォー・カスタマー)(仮称)」の2モデルを展開し、コンタクトセンターにおけるオペレーターの業務の効率化と顧客のCX(顧客体験)向上を同時に実現する。
同ソリューションは、コンタクトセンター生成AI自動化ソリューション「Hybrid Operation Loop」の第2弾として提供するもの。現在、大手生命保険会社・大手エネルギー会社などの複数社で実証実験を進めており、順次実装を開始する。
同社が運営するAIとヒトのハイブリッド型コンタクトセンターの構築を目指し、参画企業間での事例共有などを行うユーザー企業参画型プログラム「生成AI Co-Creation Lab.」の活動を通じて、クライアント企業から「AIチャットボットを導入しても期待した精度が出ず、難しい問い合わせは結局人に頼ってしまう」などの声を数多くいただいてきた。
生成AIで高精度な回答を自動化するには、FAQやマニュアル、オペレーターの暗黙知といったコンタクトセンター内に散在するナレッジの集約が不可欠。しかし、その集約には膨大なコストと時間がかかり、多くの企業で着手が進んでいないのが実情。加えて、回答精度向上のためにRAG(検索拡張生成)を導入しても、質問と回答の類似性に基づく検索では、複雑な意図を持つ問い合わせに対応しきれないという課題があった。
こうした課題を解決するため、同社は「Hybrid Operation Loop」の第1弾ソリューションとして、「Knowledge Generator(ナレッジ・ジェネレーター)」を開発した。これは、通話音声データからKCS準拠の高品質なナレッジを自動生成し、生成AIが参照するナレッジベースの構築を実現するもの。続く第2弾ソリューションである「Sherpy(仮称)」は、このナレッジベースから複数の情報の関連性まで踏まえて回答を導き出す検索技術「Hybrid RAG」の活用により、複雑な問い合わせの自動化を実現する。
「Sherpy(仮称)」という名称は、険しい山でも登山者を頂上まで安全に導く経験豊富なガイド「シェルパ」に由来する。複雑な問い合わせに対しても、高品質なナレッジベースをもとに、的確な回答という「頂上」へと確実に導くAIチャットナビゲーター。
オペレーターが業務開始するまでに、教育担当者がオペレーターを研修やOJTを通じて育成するように、Hybrid Operation Loopも「Human-in-the-Loop(人間参加型の機械学習)」の概念のもと、ヒトが協働しAIを育成することで、回答精度の高いAIへ成長する。「Sherpy(仮称)」の開発にあたっては、同社が保険・エネルギー・通信・金融など多岐にわたる業界のコンタクトセンター運用を通じて蓄積した業務知見を活用されている。例えば、「どのような問い合わせが高難度か」「現場のオペレーターがどの場面で判断に迷うか」という実務を熟知しているからこそ、AIの育成ができ、現場で使えるAIチャットナビゲーターを提供できる。今回、以下の2つのモデルを開発した。
・Sherpy for Operator(仮称)(オペレーター応対支援モデル)
応対中のオペレーターがテキストで質問すると、「Sherpy(仮称)」が Hybrid RAGを活用して質問の意図を診断し、ナレッジベースから的確な回答候補・関連情報を迅速に提示する。高難度な問い合わせへの対応力を高めることで、応対品質の向上や処理時間の短縮につなげる。さらに、新人オペレーターの研修期間の短縮や離職率の低下にも貢献する。
・Sherpy for Customer(仮称)(顧客自己解決支援モデル)
企業のWebサイトにAIチャットナビゲーターを設置する。顧客からの問い合わせに対し、ナレッジベースをもとに「Sherpy(仮称)」が応答する。従来のFAQやシナリオ型チャットボットでは、「結局オペレーターにつないでください」となりがちだった複雑な問い合わせも「Sherpy(仮称)」なら24時間365日対応可能。顧客が問題を自己解決できるようになることで、顧客満足度の向上とコンタクトセンターへの入電削減による業務効率化を実現する。
同社は、「Sherpy(仮称)」の機能拡充を通じて回答精度をさらに高めるとともに、大手企業様との導入実績を重ね、2028年までに50社が実運用の予定。さらに、第3弾ソリューションとして、音声によるAIの自動応答支援について開発に着手している。顧客応対の完全自動化を見据えた「次世代コンタクトセンター」の実現を目指していく。