〔2009/6/1〕ミック経済研究所、国内フルフィルメントアウトソーシング総市場の調査結果を発表

 ミック経済研究所は、CRMアウトソーシング市場およびフルフィルメントアウトソーシング市場の実態と中期予測を捉えたマーケティング資料「CRMアウトソーシング(コンタクトセンターサービス)&フルフィルメントアウトソーシング市場の現状と展望2009年度版」を発刊し、その中で国内のフルフィルメントアウトソーシングの市場規模を発表した。
2008年度のフルフィルメントアウトソーシング市場は、前年度比107.0%の1312億9000万円であった。2008年度は、リーマンショックに端を発した世界的不況の影響が11月頃から出始め、テレマーケティング市場にはその影響が出始めているため、受注代行市場は前年度比103.7%で留まったが、受注代行以外のフルフィルメントアウトソーシング市場に関していえば、この不況の中にあって比較的堅調な分野である通信販売事業者やEコマース、ショッピングモール事業者を顧客の中心としているだけに、受注代行を除いた出荷代行、決済代行、事務局代行の合計市場は前年比108.6%で推移している。
フルフィルメントアウトソーシングの主戦場の1つとして今後も重要になる業界は、通販業界であり、通販事業者は自社の売上の7~8%をフルフィルメントコストにかけているといわれている。通販事業者がこの部分のコストをアウトソーシングとして外出しするようになれば、今後市場は確実に拡大していくことが予想される。
社団法人日本通信販売協会が発表している2007年度の通販市場(ECは含むがショッピングモールは含んでいない)の市場規模は3兆8800億円であり、この内仮に7~8%がフルフィルメントのコストだとすると通販業界だけで約2700億円~3000億円程度の市場ポテンシャルが見込まれる。当社調査によれば、受注代行まで含んだ2007年度のフルフィルメントアウトソーシング総市場はおよそ1220億円であった。この売上は全て通販事業者向けの売上ではないが、仮にすべてが通販事業者向けの売上であるとすれば、通販市場におけるフルフィルメントのコストの内、約40~45%がアウトソーシングされていることになり、逆を言えば5割以上がまだ内製化されているということになる。1220億円のすべてが通販事業者向けの売上ではないので実際のカバー率(アウトソーシング率)は、もっと低くなるため、内製化率は更に高いということになり、フルフィルメントアウトソーシング市場のポテンシャルはかなり高いということがいえそうである。特に大手通販事業者は、自社で培ったフルフィルのノウハウを生かして、本業以外にフルフィルメントアウトソーシング事業へも進出を図り始めており、市場は着実に拡大していくものと考えられる。


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