〔2016/1/26〕矢野経済研究所、2015年の国内のコールセンター市場とコンタクトセンター/CRMソリューションに関する調査結果を発表

 矢野経済研究所は、国内のコールセンター市場とコンタクトセンター/CRMソリューションに関する調査結果を発表した。
 調査結果によると、コールセンター(テレマーケティング)の市場規模は2012年度~2017年度にかけ年平均成長率(CAGR)1.8%で推移し2017年度には8637億円に、コンタクトセンター/CRMソリューションの市場規模は同期間のCAGRが3.9%で推移し2017年度には4860億円に達する見込みだ。
 2014年度のコールセンター市場は、2014年から始まったNISA(少額投資非課税制度)への問い合わせ需要が発生して金融業での引き合いが増加したほか、EC(電子商取引)全般での引き合いも増加したという。
 2015年度は社会保障・税番号(マイナンバー)制度への対応による需要が発生、2016年度~2017年度は2016年1月施行のマイナンバー制度や2016年4月の電力の小売全面自由化などを背景とする需要拡大が期待できるとしながらも、全体としては微増と同社は予測する。
 一方、2012年度~2017年度のコンタクトセンター/CRMソリューションの市場は、年平均成長率(CAGR)3.9%で推移し、2017年度には4860億円にまで拡大する。2014~2015年度のコンタクトセンターソリューション市場は堅調に推移すると分析。2016年度以降も安価なクラウドサービスを中小企業が導入していくほか、大手企業もWeb経由の顧客からのコンタクト(問い合わせ、苦情など)と電話対応を融合させた新たな顧客サポート体制の強化を図るためにシステムを拡充していくことから、一定以上の成長を示すと指摘した。
 2014~2015年度のコンタクトセンター/CRMソリューション市場の動向についても分析した。前年度よりは伸び率が鈍化したものの比較的堅調に推移。アウトソーシング事業者による大口の新規導入案件こそ少なかったが、一般企業の自社内におけるコンタクトセンターでの導入が増加しているためという。一般企業のオフィスでの導入も進んでおり、通話録音などの周辺機器を拡充する企業が増加していることも成長要因になっているという。
 コンタクトセンター市場の動向については、コンタクトセンターのリプレースを契機に、要件の異なる複数の顧客応対窓口や複数拠点に分散している窓口を集約化する動きが出てきていると指摘。BCP(事業継続計画)対応から、コンタクトセンターの分散配置や拠点間連携などの動きも顕在化しているという。こうした動きの中で、他のシステムやバックオフィスと連携し、システムを一元管理する事例が増加していると分析している。
 2016年度以降の動向については、競合企業間でのソリューションの機能面の差異がなくなってきていることを背景に、価格競争が激しくなると予測。クラウド型の安価なサービスがサービス単価自体の低下を招くため、成長率は鈍化していくとしている。


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