〔2021/11/26〕NICE、消費者への公正な対応とFCAへの準拠を支援する「Enlighten AI for Vulnerable Customers」をリリース

 NICEは、英国企業が、脆弱な消費者への公正な対応を促し、Financial Conduct Authority(FCA、金融行動監視機構)の規制遵守を支援する、Enlighten AI for Vulnerable Customersを発表した。すべての音声やデジタルのやり取りをリアルタイムに分析することで、コンタクトセンターは不利益を被りやすい消費者を特定し、対応することが可能になる。このソリューションは、さまざまな脆弱性に効果的に対応するために必要な可視性とガイダンスを最前線のスタッフに提供することで、企業による消費者の公正な対応をビジネスプロセスに組み込むことを促進する。
 FCAは、脆弱な消費者を「個人的な事情により不利益を被りやすい人」と広義に定義している。英国で消費者に金融サービスを提供する企業は、脆弱な消費者を特定し、対応するための特別なプロトコルを備えることが法律で義務付けられており、これを怠ると重い罰則やイメージ悪化につながる。FCAによると、パンデミックの影響で、脆弱な状況に置かれている消費者が増えており、成人の53%が脆弱性を示している。コンタクトセンターでは、これら消費者の特定をエージェントに依存しているが、そのプロセスは主観的で、エラーが発生しやすいもの。また、消費者は自身の脆弱性を共有することに抵抗がある場合があるため、その特定はますます困難になっている。
 NICE Enlighten AI for Vulnerable Customersは、消費者の行動を解読し、客観的なインサイトに変換することで、脆弱な消費者をリアルタイムに着実に検出する。顧客エンゲージメントに対して、包括的なAIフレームワークであるNICE Enlighten AIをベースとした本ソリューションは、目的に特化して構築されたコンプライアンスとアドバイザーの行動モデルを含んでおり、最も広範なインタラクションデータベースの1つを基盤としている。
 本ソリューションが健康、ライフイベント、回復力、能力などのカテゴリーを含むFCAの脆弱性要因に基づいて、すべてのインタラクションを正確に分類することで、企業は事前対処的に行動することができる。
 また、積極的な傾聴、共感の表明、効果的な質問などのソフトスキルや、手順に従っているかどうかを含めて、最前線のスタッフによる顧客とのインタラクションを評価することができる。事前構築済みのダッシュボードにより、スーパーバイザーは、脆弱な消費者のコンプライアンススコアや、評価・コーチングが必要なアドバイザーの行動を即座に把握することができる。


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