コンタクトセンター関連ベンダー動向
〔2026/2/6〕CAC identityとパーソルビジネスプロセスデザイン、顧客視点の自動品質評価サービスで業務提携開始
CAC identity(本社:東京都中央区、中西英介社長)は、パーソルビジネスプロセスデザイン(本社:東京都江東区、市村和幸社長)と、コンタクトセンター向け通話自動品質評価分野において業務提携契約を締結した。
コンタクトセンターでは、お客様対応の品質向上を目的としたモニタリング業務の重要性が高まっている。現在、多くの企業では人手による応対品質の評価・チェックを行っているが、大量の通話データを処理するための工数負担や、評価者によって判断基準が異なるといった課題を抱えている。
この課題を解決するため、会話内容をテキスト化して自動評価する手法が注目されてきた。しかし、テキスト情報だけでは、声のトーンや印象など音声特有の情報を適切に評価することができず、完全な自動化の実現が困難な状況が続いていた。
こうした中、CAC identityは自社開発の音声感情解析AI「Empath」を活用し、感情を含む「声の印象」の数値化によって、透明性と納得感の高いフィードバックを実現する自動評価ツール「mimity」を展開してきた。
このたび、パーソルビジネスプロセスデザインが持つHDI国際標準をベースにした評価設計・運用ノウハウと当社のAI技術を融合させることで、現場の課題に即した独自のAIモデルを共同開発した。本モデルをmimityのオプション(評価モデル)として提供することで、顧客視点の評価をより運用しやすい形で実装し、モニタリング業務の効率化と品質改善の両立を支援するため、本業務提携に至った。
顧客体験の鍵を握る応対品質評価には、企業視点の基準だけでなく、顧客が「どう感じたか」という顧客視点の評価が不可欠。本提携では、両社の技術とノウハウを融合し、この視点を体現する次世代の自動品質評価ソリューションを実現した。
独自の音声感情解析技術により、テキストだけでは捉えきれない、声のトーン・抑揚・話速・間の取り方といった音響特徴を数値化し、顧客が応対を通じて受け取る「声の印象」を可視化する。これにより、会話内容だけでなく、「どのように伝えているか」まで含めた評価が可能となる。
パーソルビジネスプロセスデザインが保有するHDI国際標準をベースにした顧客視点の評価設計・改善支援ノウハウをmimityのオプション(評価モデル)として提供する。HDI国際標準の客観的な視点に基づき、サービス体制、コミュニケーション、対応スキル、プロセス/対応処理手順、困難な対応などの評価項目を4段階で評価する。これにより、HDI-Japanのクオリティ格付けによる三つ星獲得を意識した、顧客視点の評価が可能になる。
パーソルビジネスプロセスデザインがコンタクトセンター運営の現場で培ってきた評価・指導・改善の知見をもとに、mimityの評価結果を 現場で使いやすい形に整理・表現する設計が可能。
一般的な自動評価のように点数や抽象的なコメントを返すのではなく、「なぜこの評価なのか」「どの行動が評価に影響したのか」を説明しやすい形で示し、SVや品質管理担当者がそのままフィードバックや育成に活用できることを重視している。
これにより、評価が単なる結果の提示で終わるのではなく、現場での指導、オペレーターの行動改善、継続的な品質向上につながる“運用に耐える評価”として活用できるようになる。
これらを通じ、評価業務の効率化と顧客体験価値(CX)の最大化を同時に支援する。mimityは2026年中に30社以上への導入、2028年には100社以上への導入を目指し事業展開を行う。
〔2026/2/6〕ジェネシスと富士通、Genesys Cloudでイオンフィナンシャルサービスのコンタクトセンター業務を刷新
ジェネシスクラウドサービス(本社:東京都港区、ポール・伊藤・リッチー社長、以下、ジェネシス)と富士通は、イオンフィナンシャルサービスのコンタクトセンター業務を刷新し、効果検証を完了した。
本取り組みにおいて、ジェネシスはクラウド型コンタクトセンター・プラットフォーム「Genesys Cloud」の幅広い機能を提供した。富士通は、Genesys Cloudを導入し、レポートなどの管理機能やシステム間連携を含む業務要件に応じた個別カスタマイズを実施するとともに、導入後の保守運用を担っている。本導入は、2,500席規模となり、国内金融機関において最大級のコンタクトセンター導入事例の1つ。
イオンフィナンシャルサービスは今後、音声認識を活用した「AIコンシェルジュ(音声ボット)」を導入予定。これにより、顧客は電話機のプッシュ操作を行うことなく、自然な音声対話で適切なメニューに直接接続されるようになる。さらに、イオングループの他コンタクトセンターへの展開も視野に入れており、ジェネシスと富士通は引き続き、イオングループ全体のコンタクトセンターシステムの進化を支援していく。
イオンフィナンシャルサービスのコールセンターでは、「AEON Pay」、「イオンカード」、「WAON」をはじめとする決済サービスに加え、銀行・保険・ローンなど多岐にわたる金融サービスを一括して対応している。問い合わせ内容の多様化や案内先の細分化により、顧客の待機時間増加が大きな課題となっていたほか、今後のサービス拡充を見据え、従来のオンプレミス型のコールセンターシステムの改修が必要となっていた。
Genesys Cloud導入に伴い、コンタクトセンター業務を刷新したことで、稼働を開始してから6カ月以内に以下の成果が得られている。
・自己完結率の向上
IVRに、自己解決メニューを拡充しており、顧客による「引落し不能後の入金連絡受付」のメニューにおいては、自己完結率が従来から21%向上し、顧客の待機時間の削減につながった。
・SMSによる自動対応
IVRからの問い合わせにSMSを自動送信する仕組みを導入することで、簡易な問い合わせはセルフサービスで解決され、オペレーターはより高度な業務に集中可能となった。
・迅速な機能拡張と柔軟な運用
クラウドサービスかつローコード基盤により、新サービス投入やIVRの変更をスピーディに実施可能になるとともに、今後は内製化により、一層の早期対応が可能になる。
〔2026/2/5〕RevComm、Web会議解析AI「MiiTel Meetings」、Webexと連携
RevComm(本社:東京都千代田区、会田武史社長)は、同社が提供するWeb会議解析AI「MiiTel Meetings」が、Webexとの連携を開始した。
Web会議解析AI「MiiTel Meetings」は、オンライン商談のブラックボックス化を防ぎ、売れる仕組みの可視化や業務の自動化をすることにより、企業の生産性向上に貢献する「MiiTel」ブランドのサービス。
MiiTel Meetingsは、シスコシステムズが提供するWebexとの連携を開始した。これにより、Zoom、Microsoft Teams、Google Meetに加え、Webexを利用している企業においてもMiiTel Meetingsが提供する自動録音、自動文字起こし、AI自動要約によるトーク解析、集計機能のCRM/SFA連携、Salesforceなど顧客管理システムとの自動連携機能を活用することができる。
また、対面会話解析AI「MiiTel RecPod」や電話解析AI「MiiTel Phone」と併せて活用することで、ビジネスのすべてのコミュニケーションにおける音声データを蓄積できる。AIビジネスアシスタント「MiiTel Synapse Copilot」により、蓄積した音声データを社内横断データベース化することで、顧客とのコミュニケーションデータを経営資源としてワンストップで活用することができる。迅速な意思決定と的確なアクションに活用することができる。
〔2026/2/3〕キューサイ、NiCE CXone MPower導入により2部門のシステム統合と業務効率化を実現
ナイスジャパン(東京都港区、オリビエ・ジオレット社長、以下、NiCE)は、キューサイ(本社:福岡県福岡市、石川順朗社長)が「NiCE CXone MPower」を導入し、トラムシステム(本社:愛知県名古屋市、梶田幸宏社長)の営業支援および導入プロジェクトマネジメントのもと、2部門に分かれていたシステムの統合と業務効率化を実現したことを発表した。
キューサイでは、テレビ通販のコールセンター業務において、月間15万件規模のコンタクトセンターを運営している。従来は「新規顧客」と「既存顧客」で担当部門が分かれ、それぞれ異なるシステムを運用していたため、システムの統合の検討は度々行われていたものの、さまざまな要因により実現には至っていなかった。また、既存システムではデータ分析や活用機能が十分でなく、業務改善や運営最適化を進める上で課題を抱えていた。
複数のソリューションを比較検討した結果、キューサイの運営規模に柔軟に対応可能な点を評価し「NiCE CXone MPower」を採用した。機能面では各社大きな差がなかったものの、コスト面での優位性に加え、導入支援における担当者の姿勢や提案力が決め手となった。導入ベンダーであるトラムシステムからは戦略的な価格提案が行われ、加えて迅速かつ柔軟な対応力が高く評価された。
NiCE CXone MPowerの導入により、新規顧客と既存顧客で分かれていたシステムを統合し、コンタクトセンター全体の運用を一元化することができた。これにより、システム管理の負荷軽減や運用コストの適正化に加え、オペレーター間での情報共有がスムーズになり、業務効率の向上につながっている。
今後は、統合されたシステム基盤を活用したデータ分析をさらに推進し、継続的な業務効率化と顧客満足度向上を目指す。また、チーム全体で情報共有を強化し、安定的かつ継続的なサポート体制の構築に努めていく。
〔2026/2/3〕アイティフォーがブラザー販売に受注センター電話システムを導入、働き方改善とBCP対策を支援
アイティフォーは、ブラザー販売において、フルクラウド型コンタクトセンタープラットフォーム「CXone」を導入し、2025年9月の稼働開始から約4カ月間の安定稼働を経て、勤務場所を選ばない新たな運用体制が確立されたことを発表した。今回CXoneを導入したことで、オペレーターの在宅勤務が可能となったほか、BCP対策も強化された。また、着信件数や受電件数が可視化されるため、業務効率化に向けた現状把握や分析も可能になった。
ブラザー販売様は、プリンターや複合機、ミシンをはじめとするブラザー製品の国内販売・マーケティングを担っている。このたびCXoneを導入した受注部門では、500社以上の取引先からの発注に対応するため、納期・在庫や商品確認などに関する問い合わせに電話で対応している。
従来の事務電話では、オフィスに出社しなければ業務ができず、オペレーターの働き方や、災害時の顧客対応に課題があった。また、新たな電話システム導入にあたり、既存の電話番号を継続利用したいという要望もあった。
そこで、場所を選ばず、かつ既存の電話番号で業務ができるクラウド型システムを採用し、2025年9月から稼働開始した。その結果約4カ月間で、安定した業務体制が確立され柔軟な働き方と災害時の対応力を強化することができた。
ブラザー販売が導入したフルクラウド型コンタクトセンタープラットフォーム「CXone」は電話サービスも含めてフルクラウドで提供されるため、PCが1台あれば、すぐにコンタクトセンターを立ち上げて業務ができる。オムニチャネルに対応し、情報の一元管理を得意とするソリューション。
併せて、電話回線をクラウド回線に移設することで、既存の電話番号の継続利用も実現したほか、スマートフォンを事務電話として使用可能になった。在宅勤務時は、自宅でPCとスマートフォンを用いて業務を行う。
フルクラウド化により、オペレーターの在宅勤務が全面的に可能となり、多様な働き方を推進する。また、地理的な制約を受けないシステム構築により、災害時などのBCP対策を大幅に強化した。さらに、従来のシステムでは困難であった、受電件数や通話履歴、対応時間などの詳細なデータの分析が可能になった。これにより、顧客対応におけるボトルネックを特定し、業務効率化に向けた現状把握と継続的な改善が可能になる。
〔2026/2/3〕バーチャレクス、東京ヤクルト販売にコールセンター向けクラウドCRMサービス「Virtualex iXClouZ」を提供
バーチャレクスグループのバーチャレクス・コンサルティング(本社:東京都港区、丸山勇人社長、以下、バーチャレクス)は、コールセンターやカスタマーサポートでの顧客応対業務を支援するクラウドCRMサービス「Virtualex iXClouZ(以下、アイエックスクラウズ)」を東京ヤクルト販売(本店:東京都台東区、春日利文社長)に提供を開始した。
東京ヤクルト販売は「ヤクルト」や「ミルミル」といった各種飲料をはじめ、乳酸菌はっ酵エキスを含む化粧品などの届けを通じて、地域の顧客に健康と美しさの喜びを届けしている。
また「暮らしに寄り添う身近な存在」であり続けるため、商品の届けにとどまらず、自治体と連携した防犯活動や見守り活動など、地域社会の安全・安心にも貢献している。「一日でも早く、一人でも多くの方のお役に立とう。」「感謝の心とあたたかな気持ちを、皆で分かち合おう。」「何事もあきらめず、信念を持って最善を尽くそう。」という行動指針のもと、地域から愛され、信頼される”誇れる会社”を目指している。
こうした背景のもと、東京ヤクルト販売では、顧客とのコンタクト履歴の蓄積やVOCの活用を目的として、アイエックスクラウズの利用を開始した。これにより、以下の課題解決および取り組みの推進が期待されている。
・顧客情報と問い合わせ内容を紐づけて履歴を管理することで、お客さまをお待たせしないスムーズな応対を実現
・ナレッジ管理機能、FAQ、テンプレート機能などの活用により、迅速な情報検索と入力作業の省略化、ならびに入力内容や応対品質の均一化を図る
・VOCの蓄積、分析、活用を通じて、顧客満足度の向上およびより良いサービスの提供につなげる
・既存の業務を踏襲しながら、必要な業務のシステム化・自動化を推進
〔2026/2/2〕ソフトバンク、コールセンター向けのカスハラ対策ソリューション「SoftVoice」を提供開始
ソフトバンクは、コールセンターなどの電話応対業務におけるカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)対策として、AIによる音声変換技術によって通話中の顧客の強い口調を穏やかな声色にリアルタイムで変換する「SoftVoice(ソフトボイス)」の提供を開始した。
SoftVoiceは、東京大学大学院情報理工学系研究科 高道慎之介特任准教授との共同研究成果を基に、ソフトバンクが開発したAI音声変換技術によって、コールセンターなどで顧客の怒鳴り声や感情的な声を、発言内容を変えることなく声のトーンや抑揚をリアルタイムで調整し、威圧感を抑えた声色に変換してオペレーターに届けるソリューション。オペレーターは、電話システムなどにインストールしたSoftVoiceアプリの音声変換ボタンを押すだけで、通話中に即時に音声を変換できる。また、不適切な言動などが続く場合には、警告メッセージを再生して顧客へ通知することが可能。
SoftVoiceを開発する中で、約300人を対象に、AI音声変換技術による電話対応時のオペレーターの心理的不安の抑制に関する実証実験を実施した。その結果、SoftVoiceで変換した通話音声は、変換する前と比べて、怒りの感情に関する評価指標が平均で30%以上低下することが確認できた。この結果を踏まえて、さまざまな業界でPoC(概念検証)やベータ版アプリの無償提供を進めてきた。
顧客からの過度な要求や不適切な言動によるカスハラは、従業員の心理的負担を増大させるだけでなく、継続的に発生することで離職率の増加につながり、企業の事業運営にも影響を及ぼす可能性がある。こうした社会的背景を踏まえて、労働施策総合推進法が改正され、職場におけるカスタマーハラスメント防止のための措置が、2026年10月から事業主に義務付けられる予定。これに伴い、企業や自治体には、従業員が安心して働ける職場環境の整備に向けた迅速な対策が求められている。
実際の電話応対業務においては、カスハラと適切な主張の線引きが困難なケースが多くあるが、そのような状況においても、SoftVoiceは顧客の発言内容を穏やかなトーンで聞くことで、オペレーターの心理的負担を軽減できる環境をサポートする。