〔2017/4/11〕かんぽ生命、保険金の審査に日本IBMのWatsonを導入

 かんぽ生命保険と日本IBMは、かんぽ生命の保険金支払審査業務における顧客サービス品質の向上と業務効率化に向けて、「IBM Watson Explorer(以下「Watson」)による査定担当者への判断支援を今年3月21日から開始したと発表した。
 かんぽ生命と日本IBMの両社は、2015年2月からWatsonによる保険金支払審査業務の支援について検討を開始し、プロトタイプによる試行の実施と機械学習結果の検証などを行い、これまでに過去事例など約500万件におよぶWatsonによる機械学習を実施した。
 Watsonによる査定担当者への判断支援では、査定担当者が判断に迷うような事案についてWatsonへ問い合わせると、学習結果に基づく支払判断に関する推定結果と、参考となる過去事案をエビデンスとして確信度付きで提示する。これにより、査定担当者はWatsonが提示した内容に基づき査定判断が行えることとなるため、これまでベテラン社員が対応してきた難易度の高い事案に対する査定判断を、比較的経験の浅い担当者でも実施できるようになった。
 かんぽ生命ではWatsonによる査定判断支援により、査定判断に要する時間の短縮などを見込んでおり、保険金などの迅速な支払いや業務の効率化を図る。業務の効率化では、事務コストや教育コストの削減に加えて、Watsonに蓄積した経験や知識を活用し、査定品質の向上にもつなげるほか、余裕時間を生み出し、査定担当者の「働き方改革」の推進にも繋げられるものと考えている。
 併せて4月からは、保険金支払審査業務におけるWatson導入のノウハウを活用し、コールセンター業務への導入も予定しており、顧客接点の充実による顧客サービス品質のさらなる向上を目指すという。


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