〔2009/11/12〕IDC Japan、国内ビジネスサービス市場予測アップデートを発表

 IDC Japanは、ビジネスコンサルティング、BPOサービスから構成される国内ビジネスサービス市場規模予測アップデートを発表した。これは2009年4月にIDCが発表した同市場の予測を、2009年上半期の市場動向を分析して見直したもの。これによると2009年については、リーマンショック後の景気低迷が続いていることから、IDCではこれらの市場規模予測を更新した。更新後の2009年国内ビジネスコンサルティング市場の成長率は前年比マイナス2.8%、BPOサービス市場では前年比プラス4.9%となる見込み。これは、IDCが2009年4月に発表したビジネスコンサルティング市場およびBPOサービス市場成長率の予測よりも、それぞれ1.1ポイント、0.5ポイント下げている。これにより、2009年のビジネスコンサルティング市場は2861億円、BPOサービス市場は9775億円となるとIDCでは予測している。
景気低迷が続き、企業は新規事業開発のためのビジネスコンサルティング支出を削減している。一部ではコスト削減のための業務改善や、コンプライアンス対応などのコンサルティング需要は堅調ではあるものの、全体的には企業の事業拡大姿勢は後退し「攻めの経営」を目指すコンサルティング案件は減少するため、2009年の同市場はマイナス成長となる。ビジネスコンサルティング市場が拡大に転じるのは、景気回復が見込まれている2010年以降となると、IDCではみている。
一方、業務実行/支援を提供するBPOサービスでも一部で景気低迷の影響により、価格引下げ圧力の増大、新規案件数の減少といった影響が出ている。しかし、景気が悪化しても企業における人事や経理の業務量を急激に減少させることは不可能であり、さらにコスト削減のためのBPOサービス需要も発生している。このことから、2009年のBPOサービス市場は成長率が低下するものの、プラス成長を維持するものとIDCではみている。またエコポイント制度の実施によるコールセンター関連サービス(カスタマーケアBPOサービス)の特需が発生していることも、同市場のプラス成長維持に貢献している。


PAGE TOP