〔2018/11/15〕MITとジェネシスのグローバル調査で、カスタマージャーニーにおいて企業約9割がAIを導入していることが明らかに

 ジェネシスはこのほど、18カ国600人のシニア・エグゼクティブを対象としたグローバル調査を実施し、その結果、調査対象となった世界の企業約9割がカスタマージャーニーの改善にあたってAIを活用していることが明らかになった。さらに、3万人以上の社員を持つ大手企業は他社より50%以上の確率でAIに大きく投資し、フロントエンドのカスタマーとの接点やアナリティクスに活用している。
 回答企業はAIによって効率化、処理スピードおよびカスタマー接点の対応件数が大きく改善したと回答している。そのうち9割近くが解決スピードが上がったと回答し、8割以上はAIによって通話の対応件数が伸びたと報告している。さらに、平均として25%から50%の問い合わせが自動化されたチャネルで解決しており、エージェントがより複雑な案件に集中できるという結果が出ている。
 「企業がAIで単純なタスクを処理し、人的なリソースをより複雑で感情的なカスタマーニーズへの対応に注力することでビジネス価値が生まれると見ています。オートメーションや機械学習と実際のエージェントを融合することが、より顧客と社員の満足度向上につながり、金融的な効果ももたらします」とジェネシスのCMO、Merijn te Booijは話す。
 AIを導入することによって、回答企業の7割以上は売上が改善したと報告している。その半分以上は全体売上が5%以上成長したと回答し、その3割以上は10%以上成長したと回答している。
 本レポートでは、回答企業の67%がAIがカスタマーエクスペリエンスを効率化するだけのツールではなく、コンシューマーとより有意義な関係を構築できるツールとして見ていることがわかった。実際、74%の企業はAIによってエージェントが顧客とより充実した時間が過ごせると回答している。さらに、3分の2が自動のセルフサービスチャネルやチャットボット、感情分析などを採用し、カスタムなエクスペリエンスを提供しカスタマーとの関係を強化するツールを利用していると回答している。なお、回答企業の45%、そして75%のカスタマーエクスペリエンスリーダーはAIによって自社が提唱する特性と実際に顧客から見た印象の差が理解しやすくなると言っている。
 「現時点でAIへの投資は効率改善が主目的であるものの、今後は自社の顧客を理解し、より深く交流するツールとしてのメリットにも注目すべきだ。AIはコンタクトセンターのパフォーマンス改善だけでなく、すでに顧客ロイヤリティ及び売上げの改善にも貢献しはじめています」と、te Booijは話している。


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