〔2019/6/19〕コラボス、新事業創出に向け「コラボス DMP(仮)」実証実験を推進
コラボスは、新たにビッグデータ事業の本格始動に向けて推進する「コラボス DMP(仮)」実証実験の各案件の進捗状況について発表した。
同社は、コールセンターにおいて日々蓄積される“お客様との対話”(=「顧客の生の声」)が企業における貴重な情報資産であること、また、年齢・性別などの顧客基本情報や問い合わせ対応履歴などの各種情報のほか、企業におけるWeb サイトやメールといった各種コンタクトチャネルにおいて集積される情報を統合することにより、それら膨大な情報資産の価値を立証し、企業活動に貢献することを目的として実証実験を進めている。
実証実験では、同社のコールセンターシステムに関するノウハウと、ジーニーのマーケティングオートメーション「MAJIN」の開発・運用ノウハウを活かし、グローバルウェイが運営する転職・求人サイト「キャリコネ転職」の企業向け採用サービスにおいて、電話やメール、Web サイトといった各種コンタクトチャネルによってコールセンターへ集積される情報を統合し、広告効果の向上を図るための実証実験を行った。
コールセンターで管理される既存顧客との対話の情報とWeb サイト上の行動を統合し収集した情報を元に、サービスの利用が見込める潜在的顧客に対して実施したディスプレイ広告配信については、従来の広告配信に比べてクリック率が2倍以上、広告配信の費用対効果を測る指標の1つであるクリック単価は 30%抑えられる結果になった。
また、コールセンターの音声データから抽出した、成約に至り顧客に響いたと思われる“キラーワード”をメール広告配信における「メール件名・本文」に使用した場合と使用していない場合の結果を比較したところ、「音声データ(キラーワード)利用あり」の場合において、クリック率は 5.21%から 10.77%、問い合わせ率は 0.77%から1.55%へと、いずれも2倍以上に増加した。さらに「リスティング広告」でも、「音声データ利用あり」の場合の広告表示回数は4倍を上回り、クリック数も 3.5 倍以上に増加した。
このように、マーケティング施策において、アナログデータとデジタルデータを統合することにより効果的、効率的な広告配信ができるだけでなく、コールセンターの音声データから抽出したキーワードの利用も、顧客の興味を喚起する内容のメール配信やWeb 広告に高い効果を発揮することがわかった。その結果、「検索エンジンでの検索ワード」や「広告テキスト」と「コールセンターで利用されるワード」の関連性は高く、マーケティング施策に大変有効だという明確な成果が実証され、コールセンターのデータに新たな資産価値の創出が期待できるといえる。
一方、消費者向けサービスの実証実験として実施しているワタミおよび、イデア・レコードとの実証実験についても、ワタミが展開する飲食チェーンの予約受付管理業務において、電話や Web サイト、店頭などの各チャネルから集積される情報の統合による企業のマーケティング施策への活用について効果検証を継続して進めている。
コラボスは、今回の実証実験の結果を受け、「コールセンターにおいて収集される情報資産」および、「顧客の生の声」が貴重な情報資産であり、企業にとっての新たな資産価値となり得る可能性を導き出すことができたと考えている。同社は、今後の実証実験の結果も踏まえ、事業の収益性、事業性を評価の上、企業のマーケティング活動における広告価値や顧客満足の向上に貢献する「コラボス DMP(仮)」の開発・提供を目指していく。
また、コールセンターのデータを新たな資産価値として利用することで、企業活動を推進させる新たな価値の創造を実現し、社会の発展の一翼を担う存在となることを目指していく。